介護が必要となった主な原因の第1位は認知症。なる前に考えるべき老後の安心設計「任意後見契約」とは?

人生をHAPPYにプロデュース!あなただけのマネープランを届ける、ファイナンシャル・アドバイザーの戸松優子です。

ある程度年齢を重ねると、もしも自分が認知症になったとしたら、などとふと考えてしまう人もいるのではないでしょうか。

実は、2019(令和元)年厚生労働省 国民生活基礎調査で、現在の要介護度別にみた介護が必要となった主な原因の第1位は認知症(17.6%)でして、認知症になると困る事への対策を知っておくことはとても大事です。

現在の要介護度別にみた介護が必要となった主な原因(上位3位)※単位:%
要介護度  第1位 第2位 第3位
総数 認知症 17.6 脳血管疾患 16.1 高齢による衰弱 12.8
要支援者 関節疾患 18.9 高齢による衰弱 16.1 骨折・転倒 14.2
要支援1 関節疾患 20.3 高齢による衰弱 17.9 骨折・転倒 13.5
要支援2 関節疾患 17.5 骨折・転倒 14.9 高齢による衰弱 14.4
要介護者 認知症 24.3 脳血管疾患 19.2 骨折・転倒 12.0
要介護1 認知症 29.8 脳血管疾患 14.5 高齢による衰弱 13.7
要介護2 認知症 18.7 脳血管疾患 17.8 骨折・転倒 13.5
要介護3 認知症 27.0 脳血管疾患 24.1 骨折・転倒 12.1
要介護4 脳血管疾患 23.6 認知症 20.2 骨折・転倒 15.1
要介護5 脳血管疾患 24.7 認知症 24.0 高齢による衰弱 8.9

※参照:2019(令和元)年厚生労働省 国民生活基礎調査

 注:「現在の要介護度」とは、2019(令和元)年6月の要介護度をいう

 注:脳血管疾患(脳卒中)

というのも、私の父は71歳で要介護2と認定されました。

長生きをしていれば全ての方が認知症になるわけではないですが、人生100年時代の今だからこそ、認知症になる前に考えるべきことをファイナンシャル・アドバイザーの視点で伝えていきたいと思います。

今日は、ご自身のこれから、もしくは自身の両親や身近な人のために知っておいてもらいたい内容は、「任意後見契約」です。

1.2025年には5人に1人が認知症?そして突然やってくる

お釈迦様の教えに「生老病死」という言葉があります。

人は生まれ、老いて、病気になり死ぬ。

これが人として免れない4つの苦しみ(四苦)と言われています。

しかし、現代では「生老病死」ではなく、「生老病死」と言われています。

「介」とは、介護のことです。

私にはまだ関係がないと思ってましたが、私の父は5年前に介護認定を受けました。

当時、高校入学を控える娘と自分の業務環境を考え、同居を始めた直後のことでした。

あまりに急な出来事に驚き頭が真っ白になりました。

まさか私の父がなるわけがない!間違いだ!だって昼間はプール、ゴルフも月に何回もという生活をしていたをしていたのに冗談でしょうと。

それから、週2回父はデイケアに通い、月に1回のショートステイを利用しています。

それ以外の日は、母が父の介護をしています。

高校を卒業した娘は、東京で一人暮らしを始め、私も勤務地である仙台に住んでいるため、中々会いに行けず、心配なることも多いです。

厚生労働省の発表によると、日本人の認知症患者数は2012年時点で約462万人で、65歳以上の高齢者の約7人に1人(有病率15.0%)であったが、2025年には約5人に1人になるとの推計もあります

少子高齢化が進む日本では、認知症は身近な病気になってきています。

そして、突然その日はやってきます。

人生100年時代、認知症のリスクは避けて通れませんね。

2.認知症で困る2つのこと

ファイナンシャル・アドバイザーの視点から、認知症になることで困ることは主に2つあります。

①自分の財産が使えない

認知症になると、自身の預金口座の暗証番号が思い出せず、引き出しが出来なくなるなど自分のお金が使えない場合があります。

また、家族であっても預金を引き出せなくなるケースがあります。

認知症によって自身の口座からお金を引き出せないと、介護サービスを利用時の介護費用や家賃、生活費などの支払いが出来なくなってしまいかねません。

②不動産の管理ができない

認知症で介護施設に入居する場合、住んでいた家が不要になるという方もいますよね。

例えば持ち家で売却をしたい場合、ご本人が認知症だと契約行為が出来なくなるため、本人だけでは売ることができません

持っていても自身で管理ができないし、売れないし、と困る方が多いのが不動産です。

3.認知症になる前にやっておくべき対策が「任意後見契約」

取り組むメリットそもそも成年後見制度には、「任意後見」と「法定後見」の2つの制度があります。

いったん認知症や高次脳機能障害などにより判断能力が低下すると、財産管理や支援内容に本人の意志を反映させることが難しくなります。

例えば、訪問販売などにより、自分に不利益な契約を結んでしまう恐れもあります。

このような判断能力が不十分な方を保護・支援する制度が成年後見制度です。

ここでいう支援とは、「介護を受けるための手続き」や「預貯金やお住まいの管理」など、生活を維持して療養看護を受けるための手続きをしながら、財産管理を代わって行うことです。

任意後見も法定後見も、認知症などで本人の判断能力が不十分になった場合に、後見人にお金の管理を任せるという点は同じですが、「法定後見契約」はいくつか問題点があります

そして認知症になってしまった後は、法定後見契約しか使えません

また、必要になった際にいざ任意後見契約を活用しようと思っても、すぐに支援が開始されるとも限りません。

前もって「誰に何の支援して欲しいのか」「どんな対応をお願いしたいのか」を詳細に決めて任意後見契約を結んでおくことによって、体調が悪くなり、身の回りの管理が不自由になったとしても対応ができます。

つまり、ご本人に十分な判断能力があるうちに、判断能力が低下した場合に備えて、あらかじめご本人自らが選んだ人(任意後見人)に、代わりにしてもらいたいことを契約(任意後見契約)で決めておくのが任意後見制度でして、私はこちらをオススメします。

任意後見契約のメリット

以降でも紹介するように、支援者や支援の内容について本人の意志を最大限反映できる点が、任意後見契約の最大の特徴です。

将来、認知症になってしまうかもしれないという不安を感じている方が、将来を見越して事前に結ぶ契約です。

メリット①契約後も自由に自分のお金を使える

契約は、認知症などで判断能力がなくなった場合に備えて、あらかじめ結ばれたものです。

お金の管理を任せるのは、判断能力がなくなった時からであるため、契約を結んだ後でも、本人が認知症でなければ今まで同様、自分自身で財産管理を行うことができます。

つまり、認知症などになることなく、一生涯を終える場合、任意後見契約をしても全く関係ありません。

メリット②後見人を自分が信頼ができる人(家族)に指定できる

皆さんは自分の財産管理を任せるとしたら、誰が頭に浮かびますか。

多くの方が家族にお願いしたいと思うはずです。

任意後見契約であれば、自分が信頼できる人を指定できます

そして、契約内容も自由に決めることができます。

財産管理だけでなく、介護や生活面の支援までお願いできます。

後見人を第三者に依頼する場合は、報酬を支払うのが一般的ですが、身内である家族が後見人を引き受けた場合は、無報酬となる場合が多く費用があまりかからないという利点もあります

ただし、認知症などにより裁判所に申立て後、任意後見契約が発動すると同時に、任意後見監督人が選任され、監督人報酬が月々発生することはご留意ください。

 

法定後見制度のデメリット

先程も述べましたが、認知症になってしまったら、法定後見制度しか使えません。

法定後見の場合、後見人の候補者を申請はできますが、後見人は裁判所が選定します

選定される後見人の傾向ですが、財産の状況にもよるものの、司法書士や弁護士などの専門家が選任される場合が多いです。

つまり、任意後見だと家族に無報酬で契約することができますが、身内の方でない場合、報酬費用が高くなる場合があります

保有されている財産にもよりますが、およそ40~70万(年間)と言われています。

介護サービスを利用する場合、介護費用と後見人に支払う報酬費用の両方が発生するため、大きな負担になりえます。

また、お金の管理は後見人のため、子供や親族にとって、非常に不自由で、意思が反映されにくい制度でという懸念もあります

4.認知症になる前に

国民生活基礎調査の概況によると、2019年(令和元年)の要介護者等のいる世帯構成は、「核家族世帯」が 40.3%で最も多く、次いで「単独世帯」が 28.3%、「その他の世帯」が 18.6%となっています。

年次推移をみると、「核家族世帯」の割合は上昇傾向であり、「三世代世帯」の割合が低下しており、一昔前とは介護環境も大きく変わっています

人生100年時代となった今、認知症問題は避けて通れません。

報酬面だけではなく、判断能力が落ちた場合にも、希望する暮らしがしたいなら、事前に任意後見契約を結んでおくことをオススメします。

認知症になる前だからこそできる対策が任意後見契約です。

短期の資産運用だけでなく、人生100年時代に向けたライフプランニング含め私たちファイナンシャル・アドバイザーがお手伝いします。

お気軽にご相談ください。

※本ページに記載されている内容は2021年9月14日時点のものです
※記載内容に誤りがある場合、ご意見がある方はこちらからお問い合わせください

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