金融資産をどのような割合で保有しているでしょうか?
日本人の多くは、現預金だけで資産を保有しているケースが多いですが、日本は長らく超低金利が続いているため、銀行預金で資産を増やすことはできません。
そのため、現預金以外で資産を保有することを考える必要があります。
この記事では、金融資産をどのような割合で保有しているか、海外との比較も含めて見ていきたいと思います。
1. 保有している金融資産の割合
保有している金融資産の割合は、どのようになっているでしょうか?
全年代の平均保有額、全資産に占める割合を見ると次のようになっています。
金融資産 |
保有額(万円) | 割合 | |
総額 | 1,139 | 100% | |
現預金 | 預貯金・金銭信託 | 491 | 43% |
保険 | 生命保険・損害保険 | 301 | 26% |
個人年金保険 | 83 | 7% | |
有価証券など | 株式 | 120 | 11% |
投資信託 | 76 | 7% | |
債券 | 28 | 2% | |
財形貯蓄 | 29 | 3% | |
その他金融商品 | 11 | 1% |
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2019年)」を元に、Route100編集部制作
このように現預金と保険で76%、約3/4の保有しています。
残りの約1/4を、有価証券などの投資性のある金融商品で運用しています。
また、投資商品の中では、株式や投資信託の保有割合が高くなっています。
この投資商品の割合は適切なのでしょうか?
海外と比較を行うと、日本は投資の割合が少ないと言えます。
データは異なりますが、日本とイギリス・アメリカの保有資産を比較したデータがあります。
日本銀行「資金循環の日米欧比較(2019年)」を元に、Route100編集部制作
この比較を見ると、日本が現預金比率が高いことは一目瞭然です。
イギリスは一見、投資比率が低いように見えますが、実際には年金制度が発達しているため、年金口座での資産運用が中心になっています。
また、アメリカは現預金比率が極端に低く、かなり投資に積極的であることが分かります。
必ずしも、アメリカやイギリスが正しいわけではありませんが、現在の日本では銀行預金の金利が非常に低いため、預金でお金を増やすことはできません。
ゆうちょ銀行「貯金金利の沿革」などを元に編集部制作
そのため、投資比率を見直す必要があるかもしれません。
また、年代別では金融資産の保有割合にはどのような違いがあるでしょうか?
2. 年代別の金融資産の割合
年代別に保有している金融資産の割合を見ると、次のようになっています。
年代 |
現預金 | 保険 | 有価証券など |
20代 | 48% | 26% | 26% |
30代 | 50% | 31% | 19% |
40代 | 42% | 43% | 15% |
50代 | 37% | 43% | 20% |
60代 | 43% | 31% | 26% |
70歳以上 | 45% | 28% | 27% |
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2019年)」を元に、Route100編集部制作
年代によって、それほど大きな特徴は見られず、全体的に投資商品の割合が少ないと言えます。
また、20代・30代、及び60代以上では比較的投資の割合が多いですが、40代・50代は特に投資比率が少ないと言えます。
先ほど、海外との保有資産割合の違いを見ましたが、実際の投資比率はどのように考えるのが良いでしょうか?
1つの考え方として、「100 - 年齢」を投資比率とする考え方があります。
これは、若いときには、よりリスクをとって投資ができるという考えに基づいています。
投資にはリスクがつきもので、定期的に金融危機が発生します。
- 2000年頃からのITバブルの崩壊
- 2008年からのリーマンショック
金融危機が発生すると、一時的に株価などが大きく下落しますが、多くの場合はある程度年月が経過すると回復してきます。
若い年代では、金融危機で一時的に資産が目減りしても、継続的に投資を行うことで長期的には資産を増やすことができます。
一方で、例えば定年直前や退職金を運用していた場合、金融危機で資産が大きく減少すると、期間的に取り戻すのことが難しくなります。
そのため、若い年代では積極的に投資にお金を回して、年代が上がるにつれて現預金比率を高めて資産を確保するという考えです。
また、投資商品には様々な種類があります。
投資の種類について詳しく知りたい方は、こちらの記事を合わせてお読みください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
日本は現預金と保険の保有割合が多く、アメリカやイギリスと比べたときに、投資の割合が少ないことを見てきました。
特に若い年代では、投資割合の見直しを考えてみる必要があるかもしれません。
実際に「早く資産形成を始めたい」、「投資を行いたいが、何から始めたら良いか分からない」と「自分に適した金融商品を知りたい」といった方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか?
相談料は無料ですので、実際に投資・資産運用を行うかどうかはアドバイスを聞いた上で判断しても良いと思います。
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※この記事は、一般的な社会環境を説明することを目的としています。
※投資商品の活用を含め、投資の実行を推奨するものではありません。
※実際の投資にはリスクを伴い、思わぬ損害を被る場合もあります。個別商品のリスクや手数料については、ご自身でご確認ください。