「プロの本音:金融編」シリーズでは、IFA(独立系金融アドバイザー)のみなさんに、IFAになったきっかけや想いなどをお聞きしています。
具体的な相談事例や、ライフプラン・資産運用にお悩みの方へのメッセージもいただいていますので、ぜひご自身の資産運用や、ご相談の参考にしてみてください。
亀井 岬さんがIFAになったきっかけ・想い
-- 本日はよろしくお願いします。まずは亀井さんの自己紹介をお願いします。
アイ・パートナーズフィナンシャル株式会社所属IFAの亀井岬です。
年収3000万円以上or 金融資産1億円以上の富裕層からのご相談をお受けしております。
ブルームバーグという機関投資家含めたプロ投資家が愛用する専用情報端末を用いて、債券分析・ポートフォリオ分析を中心に富裕層の方々への資産運用アドバイスを行っております。
-- これまでのご経歴も教えてください。
2007年に神戸大学卒業後、新卒で野村證券に入社し、新規開拓営業などに4年間従事しました。
その後、シンガポール経営大学院に社費留学し、富裕層ビジネスの研究で資産運用の修士号を取得し、富裕層向けプライベートバンキング業務を経験しました。
2013年に三菱UFJメリルリンチPB証券(現:三菱UFJモルガン・スタンレー証券)に入社し、6年間富裕層向けの資産運用業務に従事しました。
2019年IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)として、株式会社アイ・パートナーズフィナンシャルに所属し、富裕層向けの資産運用アドバイスを行っております。
--次に、IFAになったきっかけを教えてください。
証券会社では、転勤があることや会社が定める目標を頭に置きながら、提案を行う必要があると感じ、どうしても組織のしがらみがあるなぁと感じておりました。
そこで「お客様とマーケットにだけ向き合い、自分の考えを反映させる方法はないか。」と探求した結果、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)という職種にたどり着きました。
現在はIFA法人と提携していますが、個人事業主のような働き方をしています。
-- IFAでなければ提供できない価値・サービスとは何でしょうか。
最近は証券会社でも様々な取り組みが始まっているため、ここだけはIFAの方が優れていますというポイントは少ないかと思います。
一方で私がIFAという働き方で魅力を感じているのは、複数の契約証券会社のサービス・商品において良いところを組み合わせてお客様にサービスをご提供出来るということです。
例えば、A証券は債券に優れており、B証券はポートフォリオ運用に適しているとします。
その際には全体のポートフォリオの枠組みはB証券で考え、そのポートフォリオ構成において債券部分はA証券の中でご提案するということが可能です。
つまりアドバイザーが情報を取れば取るほど、お客様に様々な価値がご提供出来ます。
一つの証券会社に所属していると、どれだけ情報収集をしても、どうしてもその証券会社のサービスの枠組みでしかご提案が出来ません。
-- IFAとしてお客さまと接する中で、嬉しかったことを教えてください。
まず亀井に聞いてみようと、ファーストコールをいただけることでしょうか。
やはり転勤がございませんので、数十年のお付き合いを前提にお口座を開設頂いております。
マーケット、余裕資金の運用先、相続、贈与、お子様、お孫様にまつわるお話、ご本業に関するお悩み、一般的な税務のお話、とにかくわからないことは亀井に聞いてみようとご相談いただけることです。
IFAとしての特徴・相談内容
-- IFA相談に向いている人、向いていない人はいるでしょうか。また、どういった相談内容、どういう方々からのご相談が多いでしょうか。
相談に向いていない方はいらっしゃらないと思います。
それぞれのご相談者様は必ずお悩みを抱えていらっしゃいますので。
ご相談は年収3000万円以上or金融資産1億円以上の富裕層とそのご家族からお受けしております。
年代としては、30歳代から70歳代と幅広い年代の方々からご相談をお受けしております。
ご相談者様は、経営者、開業医、個人事業主、資産承継されたお勤めの方など様々なバックグラウンドをお持ちでいらっしゃいます。
入口のご相談としては、資産運用に関するものが多いです。
私の特徴としてはブルームバーグという機関投資家含めたプロ投資家が愛用する専用情報端末を用いて、債券分析やポートフォリオ分析を行っております。
このような専用端末を使用して分析を行うアドバイザーはほとんどいないのではないでしょうか。
-- 債券分析やポートフォリオ分析とは具体的にはどのようなことを行っているのでしょうか。
債券分析に関しては、債券の値動きの見える化とその値動きについての詳細分析を行っています。
IFAの債券の一般的なご提案は、利回りと満期までの年数と発行している会社や国が記載された書類をご提示することだけかと存じます。
私の場合、さらにそれぞれの債券ごとの値動きを分析してお伝えすることや、英文の目論見書(契約書のようなもの)を読み込んだうえでの注意事項をお伝えしております。
ポートフォリオ分析においては、ご相談者様のポートフォリオがどれだけのリスクを取って運用されているのか確認し、リーマンショックなどの大きなショックが起こった際の最大損失シミュレーションなどを分析させて頂いております。
-- 他のIFAとの違い、特徴、強みを教えてください。
特徴としては、手数料体系でしょうか。
一般的なIFA手数料として、売買の都度手数料をいただくような手数料体系も選んでいただくことが可能ですが、一方で私は海外で常識となっている残高手数料体系を中心にアドバイスを行うことも多いです。
これは、顧客のお預かり資産に応じてIFAに報酬(手数料)が発生する仕組みです。
これは、値上がりやご入金によって、顧客のお預かり資産が増えることで IFAの報酬(手数料)が増えるため、お客様とアドバイザーのベクトルを一致させることができると考えています。
無理に何かを販売する必要がないため、現状の日本では一番顧客本位に基づいたアドバイスができる報酬体系だと思っています。
-- 先程債券分析やポートフォリオ分析というお話がありましたが、それらも亀井さんの特徴でしょうか。
そうですね。
私のご提案は基本的には、債券中心の運用でしっかり利息を取るものです。
資産を守りたいというご要望が多いので、比較的大きな値動きで一喜一憂する個別株ではなく、債券で安定的に運用を目指したうえで継続的に利息が入ってくるポートフォリオをご提案しています。
お客様からは、上下はありながらもご満足いただける内容となっていることを通じて「亀井さんに任せてよかった」と喜んでいただけることが多いですね。
あとは、「よく勉強しているね」と言われることも多くございます。
債券投資は上場株式のように情報を公開していないので、一般の方が取得できる情報は限られています。
ですから私は週に一度海外の公的機関の一次情報を確認したり、個人でブルームバーグ端末を契約したりして、情報収集を欠かしません。
債券投資では過去の値動きもつぶさに見ることも重要だと考えています。
ブルームバーグで確認した過去の値動き、その要因分析、今後の見通しについての予測を全てお客様にお伝えしたうえで、最適と思われる購入タイミングをアドバイスしています。
ライフプラン・資産運用にお悩みの方へのメッセージ
-- 人生100年時代に向けてのライフプランニングとはどのように行えば良いのでしょうか。
実は現在はIFAとしての活動以外に、大阪の私立大学にて非常勤講師として、ライフプランニングを教えています。
講義は年間26コマで、4単位となるものですので、生徒も私も真剣です。
私が口を酸っぱくしてお話していることですが、ライフプランニングの基本はご相談者様が人生の中でどれだけのお金が必要かを把握することから始まると考えています。
そこにはいくらあればご相談者様は幸せなのか?家族にはどれだけ資産を残されたいのかという、ご相談者様の人生観も反映されています。
ご相談者様のそのようなご要望を、ご本業で忙しい傍らに、ご相談者様自身ですべて把握し、管理し、資産運用まで目を配りするということは不可能ではないでしょうか。
ですから人生100年時代に向けライフプランニングを行うためには、本当に信頼できるアドバイザーを見つけることは非常に重要な要素だと考えております。
-- 最後に、資産運用の見直しを考えている方、資産運用で困っている方にメッセージをお願いします。
私は、1世帯1世帯のお客様にしっかりコミットして、生涯伴走できる資産アドバイザーとして活動していきたいと思っています。
しっかりコミットさせていただくため、どうしてもお受けできるご相談数に限りが出てしまいます。
だからこそ出会えたお客様とのご縁を大切にできればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今回お話しを伺ったIFA(アイ・パートナーズフィナンシャル株式会社)