資産運用の基本:株式投資とは〜失敗を減らすおすすめの運用方法〜

資産形成・資産運用に株式投資を活用していますか?

長寿化や、少子高齢化による年金不安が広がっている中、私たちは自分の人生100年を豊かにするために老後資金を蓄える必要があります。

そして、老後資金・将来に向けた資産形成・資産運用の手段として、代表的な金融商品が投資信託と株式投資です。

投資信託は、投資の基本である「長期運用」「分散投資」をプロが行なってくれる、比較的リスクの低い安定性の高い金融商品です。
(投資信託にも種類があるため、すべての金融商品がリスクが低いわけではありません)

一方で、株式投資はやり方によってリスクを抑えた運用も可能ですが、一歩間違えるとリスクの高い投機的な運用にもなり得ます。

また、投資信託がある程度運用を任せられる金融商品である一方、株式投資は基本的に自分で情報収集や分析を行い、運用する必要があります。

株式投資を正しく理解し、資産形成・資産運用に取り入れてみましょう。

1. 株式投資とは

株式投資とは、言葉の通り「株式会社に投資をすること」です。

株式会社は、投資家からお金を集めて、そのお金を元に事業を行うことで企業の価値を高めています。

投資をした人は、企業の価値が高くなることで上がった株を売却し利益を得たり、配当金を受け取ることができます。

もう少し詳しく、どれくらいの人が株式投資をやっているのか、株式投資とはどのような仕組みなのかを見ていきましょう。

株式投資の実施状況

全体における、株の保有率は2018年時点で12.2%(*1)です。

約8人に1人が株式投資を行なっていることになります。

なんらかの投資をしている人の中で、株式投資を実施している人は80.2%(*2)に登ります。
このため、株式投資は投資をしている人の大半が取り入れている金融商品だと言うことができます。

株式の保有者割合

*1 日本証券業協会「平成30年度 証券投資に関する全国調査(個人調査)
*2 日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査について 2019年

また、株式投資をやっている人はどのような株を保有しているのでしょうか?

保有株式の種類の変化

※日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査について(2014年・2019年)」を元に、Route100編集部作成
多くの人は日本の上場株を保有しています。

海外の上場株の保有も高くなってきていますが、大きな差があるのが現状です。

ただ、1992年からの25年間で日本の株価が1.2倍程度しか成長していないのに対し、世界の株価は約7倍に成長しています

そのため、海外への株式投資も考える必要があります。

ただし、世界株は成長は大きいですが、上昇・下降が激しいのも事実です。

このため、海外への株式投資は投資信託を使うことも考えてみましょう。

株式投資の仕組み

株式投資で得られる利益は「株式売却益」と「配当金」の2つです。

(1)株式売却益

株式売却利益は、株を購入したときの株価と売却するときの株価の差額によって得られる利益です。

例えば、ある企業の株を株価1,000円のときに1,000株、100万円分購入したとします。

1年後に株価が1,500円になったタイミングですべて売却した場合、差額の500円 × 1,000株=50万円が利益として得られます。

株式売却利益

一方で、株価は会社の業績や成長する見込みが低いと思われた場合、下がってしまうこともあります。

仮に1年後にまだ伸びるだろうと思って売らずに、2年後に800円まで下がったときにすべて売却したとします。

この場合は、購入したときとの差額200円 × 1,000株=20万円が損失となってしまいます。

そのため、株式投資をする際には、将来成長する可能性が高い会社に投資を行うことが重要です。

(2)配当金

配当金は、会社に利益が出たときに、その一部を投資家(株主)に還元するものです。

配当金を出すかどうか、いくら出すかは会社の方針次第です。

高い配当金を出す会社が良い会社、配当金を出さないのは良くない会社、ということではありません。

配当金を出さない会社の中には、その利益を新しい事業などの更なる成長に使う会社があります。

そういった会社は、株価を上げることで投資家(株主)に利益を還元しようと考えています。

そのため、配当金の有無や金額だけではなく、自分が何で利益を得たいのか、会社の運営方針と照らし合わせて考える必要があります。


2. 株式投資のおすすめ運用方法

最初にお話しした通り、株式投資はやり方によってリスクを抑えた運用も可能ですが、一歩間違えるとリスクの高い投機的な運用にもなりえます。

投資は自己責任とよく言われます。
自分が理解していない金融商品や会社の株を買うことは危険です。

そのため、株式投資を行う際には、投資を考えている会社の情報を収集・分析し、

  • 今の株価が適切か
  • これからさらに伸びる可能性があるか
  • どれくらいの期間で、どれくらい伸びるか

をできるだけ深く分析した上で、投資を判断することが望ましいです。

インターネットや知人の「あの会社はきっと伸びる」などの情報を鵜呑みにすることは、最も危険な株式投資のやり方の1つです。

では、実際にどのような運用をするのが良いでしょうか?

株式投資を仕事や趣味にしている人は、企業分析に多くの時間を掛けることができます。

ですが、多くの人は仕事や趣味を持ちながら、その傍らで株式投資を行うことになると思います。

そうなると、企業分析に多くの時間を割くことはなかなかできません。
そう行った人におすすめの運用方法は2つです。

  1. 自己運用による長期投資

  2. アドバイスを受けながらの短中期投資

(1)自己運用による長期投資

1つは分析する企業を絞り、少ない企業を深く分析し、自分が確信を持てる企業に長期投資する運用方法です。

実際に、株式投資をしている人の運用方針や平均保有期間にはそのことが現れています。

株式投資の方針

※日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査について 2019年」を元に、Route100編集部作成

運用方針を見ると、「長期の値上がりを重視」している人は48.4%に登り、配当金重視も長期運用と捉えると68.1%、約2/3の人が長期運用を方針としています。

明確に「短期の値上がりを重視」している人は全体の15%未満です。

また、実際の平均保有期間を見ても、「10年以上保有している人」が24.4%、「3年以上保有している人」は59%に登ります。

株式の平均保有期間

※日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査について 2019年」を元に、Route100編集部作成

この中には「塩漬け」と言って、価格が下がって売却できずに持ち続けている人も含まれると考えられるため、一概に長期運用している人の割合とは言えません。

ただ、比較的長期運用している人が多いと言えます。

(2)アドバイスを受けながらの短中期投資

もう1つのやり方は、資産運用のプロのアドバイザーから意見をもらいながら、短中期投資を行うことです。

短中期投資と書きましたが、運用方針によるため長期投資でも構いません。

いずれにせよ、自分で分析することが難しければ選択肢は2つです。

株式投資には手を出さないか、信頼できるアドバイザーの意見を聞きながら投資を行うかです。


3. 株式投資で大損しないために守るべきこと

株式投資で大損しないために、守るべきことは3つです。

  1. 投資対象の企業を理解する(噂で動かない)

  2. 余裕資金で運用する(生活資金を使わない)

  3. 複数の資産、株に分散して投資する(集中投資しない)

(1)投資対象の企業を理解する

これは、前の章「おすすめの運用方法」でお話したことです。

  • 対象としている企業の事業内容
  • 業界の今後の成長性
  • 業界の中における地位、競合優位性
  • 財務の健全性
  • 現在の株価の妥当性
  • 考え得るリスクと発生確率
  • 事業目標の達成状況(決算説明)

当然、想定していないことは起こり得ます。

ですが、こういったことを確認・理解した上で投資を行えば、仮に株価が下がることはあっても、大損する可能性は下げることができます。

そして、この理解は自分でできるに越したことはありませんが、できない場合はプロにアドバイスを求めることもできます。

(2)余裕資金で運用する

これは、株式投資に限らずすべての投資に共通して言える基本事項です。

投資資金と生活資金は分ける必要があります。

冒頭でお話しした通り、私たちが投資を行うのは老後資金や将来のためです。

生活資金が足りないとしたら、資産形成・資産運用の前に労働収入を上げる方が優先だと言えます。

そして、投資資金と生活資金を分けることで、余裕を持って投資を行うことができます。

(3)複数の資産、株に分散して投資す

分散投資は投資の基本です。

「投資の失敗」に関する記事を見ると、1つの会社や1つの金融商品に集中して投資をしているものが見られます。

たしかに、例えば1つのベンチャー企業に全資産を投資し、その会社が大きく成長した場合、大きな利益を得ることができます。

ただし、その会社が倒産してしまった場合、すべての資産を失ってしまいます

そういった状況は、やはりリスクが高く、賭けの要素が強いと考えられます。

例えば、10個の会社や金融商品に分散して投資をしていれば、仮にその中の1つの会社が倒産したとしても単純計算で失う資産は1/10です。

リスクを抑えつつ、資産運用を行うことができます。

そのため、株式投資を行う場合には、複数の企業に分散して投資を行う必要があります。

また、株式だけでなく、投資信託や債券など複数の金融資産に分散して投資することでリスクを減らすことも重要です。

投資の基本!投機とは違う、失敗しないための資産形成術

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まずは気軽に相談してみましょう。


まとめ

いかがでしたでしょうか。
この記事では以下のことをお伝えしてきました。

  • 株式投資は、投資をやっている人の大半が行なっている
  • おすすめの株式投資は「自己運用による長期投資」か「アドバイスを受けながらの短中期投資」
  • 株式投資で失敗しないためには、「企業を分析」し「余裕資金で運用」し「分散投資を」をする

株式投資は「あなたらしい人生100年」を手助けしてくれる、有用な資産形成・資産運用の手段です。

正しく理解し、未来に向けて資産形成・資産運用を行なっていきましょう。

投資対象の企業について相談したい人、株式投資を始めたい人は1度アドバイザーに無料相談してみてはいかがでしょうか。


 

※本ページに記載されている内容は2020年12月1日時点のものです
※記載内容に誤りがある場合、ご意見がある方はこちらからお問い合わせください

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