【プロの本音:金融編Vol.1】年金基金の在籍経験者が語る、年金減少に備える資産運用の必要性

「プロの本音:金融編」シリーズでは、IFA(独立系金融アドバイザー)のみなさんに、IFAになったきっかけや想いなどをお聞きしています。

具体的な相談事例や、ライフプラン・資産運用にお悩みの方へのメッセージもいただいていますので、ぜひご自身の資産運用や、ご相談の参考にしてみてください。

佐々木幸喜さんがIFAになったきっかけ・想い

-- 本日はよろしくお願いします。まずは佐々木さんの自己紹介をお願いします。

 

ペレグリン・ウェルス・サービシズの佐々木幸喜です。

新卒でモルガン銀行東京支店(現:JPモルガン・チェース銀行)に入社、その後関連会社であるJPモルガン証券に転籍して、選択権の売買である為替オプション、日本国債オプション、米国債券のトレーダーとして13年勤務しました。

その後、第一勧業アセット(現:アセットマネジメントOne)に転職し、ファンドマネージャー等、2004年には国民年金基金連合会に転職し運用担当として年金運用に従事し、2015年にはFPG信託で富裕層向けの運用部署の立ち上げ、2017年からオーストラリア大使館で金融サービス担当の商務官をしました。

そして、2019年7月からペレグリン・ウェルス・サービシズでIFAとして活動しております。

 

-- IFAになったきっかけを教えてください。

 

大学卒業以来30年間、金融知識が豊富な人達と金融関連業務に従事しましたが、その後、オーストラリア大使館に転職したことで、資産運用とは縁遠く、退職後の生活に不安を感じている人が多いことに気づかされました。

投資助言業やIFAで、顧客に金融アドバイスを的確に行い、売買頻度や顧客の金銭的な負担を減らす等の中長期の資産形成をサポートすることを検討していたところ、楽天証券が預かり資産ベースのIFA手数料体系を導入したことによりIFAになることにしました。

IFAは、売買手数料よりも預かり資産ベース報酬が望ましいと考えているためです。

また、年金基金に12年ほど在籍していましたので、年金額の減少など今後の社会保障の低下を自助で補わなければいけないことを切実に感じています

今まで資産運用に消極的であった人達、特に若者をサポートし、退職後の生活を少しでも向上させるお手伝いが出来ればと考えています。

 

-- IFAでなければ提供できない価値・サービスとは何でしょうか。

 

会社の都合で顧客に対して営業をすることはなく、顧客ニーズに応じた提案ができることにあると思います。

IFAは独立系金融アドバイザーであり、特定の証券会社に属していないため、株式、投資信託、債券等の銘柄選定にあたり、顧客利益の最大化につながる提案を行います。

また、同じ担当者が、長期にわたり伴走者のようにお客様のニーズに寄り添うため、お客様が見逃している可能性があることを提案やサポートができる可能性があると思います。

資産運用や金融に関し、お客様の負担を減らし、お客様が自由に自分のために活動できる時間を増やすお手伝いができればと思います。


独自の問診票「ファイナンシャル・コミュニケーション・シート」(FCS)

 

-- IFAとしてお客様と接する中で、嬉しかったことを教えてください。

 

自分の金融知識や経験が、お客様の役に立っていると感じられる時に喜びを感じます。

特に、自分の退職後生活がどのように年金や保険でカバーされているのか、イメージできている人は多くありません。

日本の年金制度や皆保険制度を踏まえ、自助で行わなければいけないことについて説明すると多くの方が納得してくれます。

また、退職後資産をiDeCo(イデコ)やNISA(ニーサ)を使って節税しながら形成してゆく方法を具体的に提案すると喜んでもらえ嬉しく思います。

金融商品は多種多様で選択が難しいのですが、今までの金融知識を生かし、運用初心者には分配金や配当が安定的で、リスクができるだけ小さい金融商品の提案を心掛けていることを理解いただけていることを嬉しく思います。

 

IFAとしての特徴・相談内容

 

-- IFA相談に向いている人、向いていない人はいるでしょうか。また、どういった相談内容、どういう方々からのご相談が多いかをお聞かせください。

 

IFA相談に向き、不向きはありません。

なかでも、IFA相談を真剣に検討すべきなのは、金融初心者で資産形成に消極的な人です。

金融知識は一朝一夕に身につくものではなく、また、金融商品は膨大であるため、このような人たちは資産形成が遅れる傾向があるように思われます。

しかし、資産形成開始が遅れることは、資産形成の機会を逃すことにつながります。

また、既にライフ・プランを自分で行っている方でもIFA等を利用し、自分のライフ・プランを客観的にみることは有益であると思います。自分だけでは気付けなかったことに気付ける可能性があります。

「お金」の話は、家族間や友人間でも避けられがちであることが多いように思います。

それゆえ、IFA相談で「疑問に思っていたこと」、「わからないこと」等を相談し、客観的にライフ・プランを見直してみることは有意義であると思います。

 

-- 他のIFAとの違い、特徴、強みを教えてください。

 

一般的に、証券営業や保険営業のバックグラウンドを持つ方がIFAになっているケースが多いように聞いております。

この方たちの強みは、個別株の銘柄選定や保険商品の提案などであろうと思います。

それに対し、私のバックグラウンドはディーラー、投資顧問、年金運用、信託と多岐にわたりますので、金融市場の分析、ポートフォリオ運用、リスク管理、銘柄分析、商品分析、投資信託・ファンドの評価に強みがあると思っています。

お客様の投資金額やリスク許容度、またはリスク選好度によって、投資方法やポートフォリオの構築等が異なりますので、幅広い知識と経験を活かし、お客様のニーズに合った提案をしたいと考えています。

 

ライフプラン・資産運用にお悩みの方へのメッセージ

 

-- 近年、人生100年時代がよく話題になっています。人生100年時代に向けて、どのようにライフプランニングを行えば良いでしょうか?

 

ライフ・プランは、「現状」と「将来の理想像」のすり合わせです。

それゆえに、定期的にライフ・プランをアップデートし続けることが重要です。

時の経過とともに、ライフ・プランを作るうえでの前提は変わります。

結婚、転職、出産、住宅購入、社会保障制度の変更、等はライフ・プランに多大なる影響を及ぼします。

これら前提の変化を踏まえ、この前提の下での理想的な将来像を描き、その理想像に到達するための行動方針を作る必要があります

そのためには、法律、税制、金融商品等の幅広い知識が必要な場合もあります。

一人で全てのことを必要十分にカバーするのは容易なことではありません。

そのようなときには、IFA・ファイナンシャルプランナー等に協力を求めながら、ライフ・プランを見直すことが考えられます。

 

-- 最後に、資産運用を始めたい・見直したい・お困りの方にメッセージをお願いします。

 

資産運用を「貯蓄・投資」、「増やす」という行為をメインにすると難しく感じるように思います。

資産運用を「資産管理」あるいは「資産の効率的な利用」と考えてみてはいかがでしょうか?

「自身の持つ資産を、現金、保険、株式、債券、不動産等で、効率的に管理すること」と考えるのが望ましいように思います。

「効率的に管理する」とは、「資産を増やす」ということだけではなく、「資産を減らさない」、「資産を家族や子孫に残す、引き継ぐ)」ということも含みます。

日本では、相互扶助や社会保障への依存が大きかったために、上記のような考えが薄いように思います。

しかし、相互扶助システムや社会保障の縮小が起きる可能性があると考えるのであれば、上記のように資産運用のアプローチを変えてみてはいかがでしょうか?

 


 

今回お話しを伺ったIFA(ペレグリン・ウェルス・サービシズ株式会社)

々木 幸喜
ペレグリン・ウェルス・サービシズ株式会社

新卒でモルガン銀行に入行、JPモルガン証券に転籍しディーラーとして勤務。その後、第一勧業アセットマネジメントで、ファンドマネジャー等として勤務した後に、国民年金基金連合会で資産運用業務に従事、FPG信託で資産運用業務に従事。

オーストラリア大使館で、日本でのオーストラリア金融サービスのビジネス拡大支援業務に従事した後に、2019年7月よりペレグリン・ウェルス・サービシズでIFA業務を開始。

特定資産(例えば、株式)だけに頼った運用に不安を感じている人、あるいは、分散投資やポートフォリオ運用に興味がある人に対しては、特に有益なアドバイスができます。

 


 

※本ページに記載されている内容は2021年1月15日時点のものです
※記載内容に誤りがある場合、ご意見がある方はこちらからお問い合わせください

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