私たちが生きる「人生100年時代」
日本では人生100年時代構想会議が発足され、政策に織り込まれるほど現実のことになっています。
そして、人生100年時代を自分らしく生きるためには、資産運用・働き方・健康の3つがとても大切です。
資産運用:理想のライフスタイルを実現するための資産
働き方:自分の夢・目標に向かって、やりたいことを実行する働き方
健康:活力を維持するための健康な身体と人間関係
まさに人生100年時代の生き方を体現している厚切りジェイソンさんに、自分らしい100年人生を歩むためのヒントを聞く。中編は、IT企業の役員・お笑いタレントなどパラレルキャリアを実践するジェイソンさんに聞く働き方の話です。
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中編:キャリア編 〜働き方のヒント
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ITとお笑いのパラレルキャリア
ー 前回は、資産運用のお話を聞かせてもらいました。今回はキャリアのお話しです。まずライフキャリアの虹で見ると、ジェイソンさんにはITの仕事やタレントの人格もあります。
タレント80歳までやらなきゃいけないですか。前回60歳で死ぬって言ったから。
ー もうちょっと頑張ってください(笑)。
編集部注釈:ライフキャリアの虹は、人生を年齢や場面のさまざまな役割の組み合わせとする考え。ライフキャリアの虹について詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてどうぞ。
ー こうして見ると、やはりお笑いタレントが特徴的なキャリアです。働きながらの養成所は大変でしたか?
全然。養成所は週1日だけだった。
週末の日曜日だけで全然苦でもなかった。
平日はフルで仕事をしていて、平日の夜や土曜日は家族と過ごしていたので、まったく大変だとは感じていなかった。
ー タレント活動が忙しくなったときに、会社の上場準備も佳境だったようですが、バランスが崩れることはなかった?
崩れた。
最初は会社にあまり言ってなかった。自分の時間で、趣味で養成所に通うと言っていた。
ある時、YAHOO!ニュースのトップに載っても気づいていない人が多く、たまにあれジェイソンじゃない?っていう人がいたりとか。
そのあと年末の特番で優勝して、その後R-1グランプリにも出て目立つようになってきて。
最初は週1回の仕事があれば有休取ったりして調整していたが、タレントの仕事が入りすぎてITの会社に相談するようになった。
ー どちらか手を緩めようと考えましたか。
それは思ってたかもしれないですが、知名度の作り方を考えたときに、スポットが当たったタイミングで集中的にやらないと2度とこの波はないと思って、やることにした。
結果的に、僕にある程度知名度がついたことは会社にとってのメリットにもなって、それからは会社との交渉もやりやすくなった。
なので、今はITの仕事もタレントも自由にやれている。
ー 過去にエンジェル投資家として確立したいとも言っていました。
今はエンジェル投資はやっていない。
2019年にテラスカイベンチャーズを設立したので、その時点で被らないようにすべて個人ではやめた。
個人でエンジェル投資しているのにファンドは投資していない、など矛盾が生じたときに説明がつかなくなるので、全てファンド経由でやることにしている。
ー 実現したいことは変わらない?
同じ。歴史の流れを変えるような会社に参加していたら面白いなと。
ファンドは本社の事業との相乗効果を意識している。
個人としてのエンジェル投資は将来的にやる可能性もあるが、ファンドは10年スパンで投資をしているので当面はそこでやっていく。
挑戦し続ける、やりたいことをやり続ける
ー 最近放送されたアナザースカイⅡの中で、将来について聞かれた際に「現状維持」という言葉を使っています。これはジェイソンさんの「小さなチャレンジをし続ける」という意味でしょうか?
今一応満足しているので、このままでいいんじゃないかなぁと。言い方を気を付けないといけないですけど、挑戦できる余裕がある状況。そういう意味を込めて現状がいいという感じ。
資産運用でできているお金の土台、タレントやITの仕事の土台があるから挑戦し続けられる。
ー 結局挑戦する人はする、しない人はしない。その中で、常にやりたいことをやり続ける人にはどのような特徴があると思いますか?
どうなんでしょう。僕はやりたいことをやり続けられているのかな。
たぶん、やり続けるのは満足できないからって理由もある。満足するまではやり続けるんだと思います。満足してしまったら、そこで新しい挑戦が終わってしまう。
最近「次にやりたいことは?」とよく聞かれるけど、特にない。
新しくやりたいことがあったらもうやっているから。
挑戦し続ける人の特徴は、他人の目を気にしないのと、ある程度精神的な余裕がある人じゃないかな。
海外で生活をしていける人は、ストレスを感じにくい精神の人が多いらしくて、それはある気がします。
僕は何とかなる、自分で解決できない問題はないという考え方を持っているかもしれない。
もちろん嫌なことはあるし、その時はストレスを感じるかもしれないけど、それは何とかすればその問題をなくせるかもしれないという自信もあるから、ある程度できることに繋がっているんじゃないかな。
ー 基本的に問題解決思考ということですか?
そうですね。解決するのか諦めるのか。
別に諦めてもいいと思っているし、なにかをやり始めたからといって死ぬまでやり続ける必要はない。そんな軽い気持ちで生きている。
いつでもタレント辞めてもいいし、いつでも会社辞めてもいい。だけど辞める必要もない。
そういう意味では、無責任に聞こえるかもしれないが、自分に合っている状況であればやるし、それ以上深く考える必要もないかなと思うんですけどね。
今大事にしていることをやって、日々笑って生きる
ー 今後のライフキャリアの虹はどうなりますか?
全部、死ぬまで延ばしたらいいんじゃないんですかね。(笑)
僕はすべて好きでやっているので、今の時点でどれかの役割をこうなったら辞めるというものは1つもない。
それは会社も同じ。会社と自分、お互いにメリットがある状態であれば続けるけど、会社にとってメリットがなければ辞めればいいし、自分にとって良い状態でなければ辞める。それだけの話。
こういうこと?
ー 新しい役割を考えると、小説家として本を出したいとも話していました。
僕はできないと思った。
実際にやってみたんですけど、書いてみて。たぶん理系すぎて面白さが作れないというか。
本格的にやろうとした時期があって、例えば1時間2時間書いて翌日見てみる。
でも、結局面白い小説ってキャラクターが命になるが、キャラクターよりストーリーの状況をただ説明している文章になっていて。
物語のストーリー展開は作れるんですが、人やキャラクターの気持ちを理解したり共感したりができないことが多くて、そこができないと面白いキャラクターが作れないことに気づいた。
物語の世界を作ることはできるかもしれないが、その世界の中にいる登場人物が共感できるものを作れない限り、これは話にならないと思って諦めた。
自分にできないことが分かることも大事。
売れている小説家としてありたい自分がいたのですが、できない自分も分かった。
ー そのときにやりたいと思ったことを、まずやってみると。
今やっていることも今は大事にしているからやっているけど、将来もやっているかは分からない。
僕は自分の100年を今決めるのではなくて、今の自分をその瞬間・瞬間に決めることをやり続けるつもり。その積み重ね。
ー 今この瞬間を大事にして行きたいということ?
今は余裕がありすぎるのかもしれない。
本当はここまでは耐えなきゃいけないという人が多い気がするが、僕は正直ライフキャリアの虹にある役割を家族以外は全部辞めても、何も問題はない状況にあるので。
ー 多くのことを実現してきたからとも言えます。
過去形でね。そうなると将来の目標もブレちゃう。
なので結局、日々笑って生きることに辿り着いた。
大きいことを実現したいということがないのは、ちょっと寂しいことでもある。
もしかしたら、家族でケーキ屋かちょっとしたレストランを作るかもしれない。
それも1つの選択肢。娘たち3人を大学に入れるよりも、そっちの方が安定したいい仕事に繋がるなら1つのやり方かなと。
ー 10年前いまの姿が想像つかなかったのと同じで、10年後も分からない?
まぁ死んでる。
ー さらに早くなりましたね。笑 ジェイソンさんは心身ともに健康なのでもっと長く生きると思いますので、次回は健康のお話をお願いします 笑。
(後編:健康編 〜心身を健康に保つヒントにつづく)
厚切りジェイソンの人生100年時代!自由に生きるための資産運用と働き方
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中編:キャリア編 〜働き方のヒント
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プロフィール/敬称略
厚切りジェイソン
(あつぎりじぇいそん)
1986年生まれ、アメリカ・ミシガン州出身。17歳の時に、飛び級でミシガン州立大学へ入学。その後、イリノイ大学アーバナ・シャンベーン校へ進み、エンジニアリング学部コンピューターサイエンス学科修士過程修了。IT企業役員として働きながら、2014年10月お笑い芸人としてデビュー。芸歴5カ月で『R-1 ぐらんぷり2015』決勝進出。現在は、テレビ、ラジオ、CM、舞台などで活躍中。