投資が必要な理由はなんでしょうか?
日本は超低金利の状態が続いているため、預貯金ではお金はほとんど増えません。
インフレ率を考えると、むしろ預貯金では貨幣価値は下がっているとさえ言えます。
この記事では、投資に対する調査結果を元に、投資に対してどのような考えを持っているのかを見ていきたいと思います。
1. 投資が必要だと考えている人の割合
まずは、世帯年収別に投資が必要だと考えている人の割合を見てみます。
日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(平成30年度)を元にRoute100編集部制作
投資が必要だと考えている人は、平均では25.1%です。
そして、世帯年収別のデータを見ると、世帯年収が高いほど投資が必要だと考えている人の割合が増える傾向にあります。
次に、投資が必要だと考える理由、投資が必要ないと考える理由を見ていきます。
2. 投資が必要だと考える理由
投資が必要だと考えている人は、なぜ必要だと考えているのでしょうか?
その理由は、次のような割合になっています。
日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(平成30年度)を元にRoute100編集部制作
大きく2つの理由が見受けられます。
- 60%以上の人が、預貯金では利息が期待できないと回答
- 将来の生活のためだと考えている人が、合わせると60%以上(将来の生活資金として準備、現在の保有額では将来の生活に不安を合計)
現在、ほとんどの銀行の金利は0.1%未満になっています。
実際に、郵便貯金・ゆうちょ銀行の金利の推移を見ると、1995年に1%を割り込んでから、ずっと超低金利の状態が続いています。
日本銀行「郵便貯金金利」、ゆうちょ銀行「貯金金利の沿革」を元にRoute100編集部作成
1990年までは、高度経済成長などの好景気を背景に、預貯金でも高い金利を得ることができました。
しかし、現在は金利が0.1%に満たない状態ですので、預貯金ではお金を増やすことはほとんできません。
2013年から2019年までの、日本のインフレ率は平均0.88%です。
つまり、預貯金の金利よりもインフレ率の方が高い状態ですので、実質預貯金は貨幣価値としては下がっていることになります。
預貯金とインフレ率の関係は、こちらの記事で詳しく説明しています。
先ほど、世帯年収が高いほど投資が必要だと考える人が多いことを紹介しました。
では、世帯年収によって、投資が必要だと考える理由は違うのでしょうか?
日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(平成30年度)を元にRoute100編集部制作
預貯金だけで十分な利息ができないを例に見てみると、世帯年収による考えの違いはあまり見られません。
これは他の理由についても同じ傾向であるため、投資が必要だと考える理由は、世帯年収によらず同じだと言えそうです。
3. 投資が必要ないと考える理由
では逆に、投資が必要ないと考える理由はなんでしょうか?
日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(平成30年度)を元にRoute100編集部制作
投資が必要ないと考える理由は様々なようですが、大きくは次の3つにまとめられそうです。
- 損失を嫌がる傾向
- 負担を嫌がる傾向
- 特に考えていない
1)損失を嫌がる傾向
投資が必要ないとする理由には、「損する可能性がある」「ギャンブルのようなもの」の回答が比較的多いと言えます。
世帯年収別の傾向は、次のようになっています。
日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(各年度)を元にRoute100編集部制作
世帯年収が高くなるにつれて、損をしたくない・投資はギャンブルのようだと考える人が多くなる傾向があります。
ただし、1,000万円を超えると傾向が変わります。
これは、ある程度の資産があることで、多少の損失は許容できることがあるかもしれません。
また、実際には投資と投機(ギャンブル)は異なります。
投資はやり方によっては確かにギャンブルになってしまいますが、リスクをコントロールすることで正しく資産形成を行うことができます。
投資と投機の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
2)負担を嫌がる傾向
投資が必要ないとする理由には、負担を嫌がる傾向があると考えることができます。
- 価格の変動に神経を使うのが嫌
→ 精神的な負担が掛かることや、価格をチェックすることに時間を取られることを嫌がる傾向 - 投資に関する知識を持っていない
→ 勉強すること自体や、勉強に時間を割くことを嫌がる傾向
同じように、世帯年収別の傾向を見ると、次のようになっています。
日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(各年度)を元にRoute100編集部制作
世帯年収が高くなるほど、「価格の変動に神経を使うのが嫌」と考える人が多くなる傾向があります。
「投資に関する知識を持っていない」については、世帯年収に関わらず全体的な傾向と考えることができます。
まとめ
この記事では、次のことを見てきました。
- 投資が必要だと考えている人は、全体の25%ほど
- 世帯年収が高くなるほど、投資が必要だと考えている人の割合が増える
- 投資が必要だと考える理由は、預貯金の金利が期待できない・将来の生活のためと答える人が多い
- 投資が必要ないと考える理由には、損失を嫌う、または負担を嫌う傾向が見られる
預貯金で老後資金が十分に蓄えられるのであれば、投資はやらなくてもいいのかもしれません。
ただし、現在はインフレ率を加味すると、実質預貯金は貨幣価値が下がっている状態です。
そのことも考えた上で、どのようにして資産形成をしていくかを考える必要があります。
「投資の知識はないけど、老後のために始めたい」「将来のためのお金の相談をしたい」といった方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。
相談するにあたって投資の知識は必要ありません。
また、相談料は無料ですので、実際に始めるかどうかはアドバイスを受けてから考えてみても良いと思います。