ETFをご存知ですか?
ETFは投資信託の1つです。
そのため、投資信託のように少額から分散投資を行うことができます。
その一方で、証券口座でリアルタイムに売買ができるといった、株式投資に似たような性質もあります。
この記事では、ETFと投資信託の違いや、ETFのメリット・デメリットを解説していきます。
1. ETFとは
ETFはExchange Traded Fundsの頭文字を取った名称で、日本語では上場投資信託と言います。
日本語の名称の通り、取引所に上場している投資信託です。
そのため、ネット証券などで株と同じようにリアルタイムで売買を行うことができます。
また、投資信託には販売会社がありますが、ネット証券のETFは販売会社がなく投資家が直接売買を行うため、一般的に投資信託に比べて手数料が低くなります。
投資信託とETFの違いを整理すると、次のようになります。
比較項目 | 投資信託 | ETF |
購入できる金融機関 | 証券会社、銀行、信用金庫、郵便局など | 証券会社のみ |
売買価格 | 1日に1回決まる基準価格 | 株のようにリアルタイムで変わる価格 |
手数料(信託報酬) | 0.2〜4.0%ほど | 0.1〜1.0%ほど(一般的に投資信託より低い) |
注文方法 | 金額・口数を指定 | 指値・成行で注文 |
定期買い付け | 可能 | 一部の証券会社で可能 |
分配金の自動投資 | 可能 | 不可能(自身で再購入) |
外国税控除額の申請 | 必要なし | 必要(自身で申請) |
※ここでは、一般的な商品特性を比較しています。個別商品によっては、あてはまらない場合もありますのでご注意ください。
ETFの最大の特徴・1番のメリットは手数料の低さです。
投資信託は、基本的に長期・積立に向いた金融商品です。
そのため、投資信託を検討する際には、手数料を低く抑えることがとても重要です。
ETFはこの手数料に優れている投資信託であることから、非常に注目が高まっています。
なぜ、手数料を低く抑える必要があるのか、投資信託がなぜ長期・積立投資に向いているのかについて知りたい方は、こちらの記事も合わせてお読みください。
次に、手数料についてもう少し詳しく比較してみます。
2. 厚切りジェイソンさんも活用するETFのメリット
ETFと投資信託は、どちらも3つのタイミングで手数料が発生します。
- 購入するとき
- 運用期間中、定常的に(信託報酬と言います)
- 売却するとき
このうち、最も重要なのが2つ目の信託報酬手数料です。
また、売却時に発生する手数料は、長期運用によって増えた資産額に対して掛かる手数料ですので、こちらも比較的重要度が高いと言えます。
では、具体的にどのような違いがあるかを見てみます。
手数料の種類 | 投資信託 | ETF |
購入時 | 商品ごとに販売手数料が設定(ノーロードと言って、手数料のない投資信託も多い) | 証券会社ごとに設定(売買手数料) |
信託報酬 | 0.2〜4.0%ほど | 0.1〜1.0%ほど(一般的に投資信託より低い) |
売却時 | 商品によっては信託財産留保額が設定(一部の投資信託で設定) | 証券会社ごとに設定(売買手数料) |
投資信託は、購入時の販売手数料、売却時の信託財産留保額も掛からない金融商品が増えてきています。
また、信託報酬もかなり低く設定されている商品も出てきています。
一方で、ETFは株と同じように、購入時・売却時に証券会社への売買手数料が発生することが多いです。
ただし、銘柄によっては手数料が掛からない、もしくは低く抑えられているケースもあるため、自分に合った商品を探してみると良いと思います。
もちろん、個別商品によって違いはありますが、全体の傾向としては信託報酬の手数料が低く設定されているETFが有利だと言えます。
厚切りジェイソンさんも、投資信託の商品特性を持ちながら、手数料を押さえて運用できるETFを中心に投資を行なっています。
厚切りジェイソンさんの投資の考え方は、こちらのインタビュー記事をご覧ください。
また、ETFのメリットとして、リアルタイムで売買価格が変わる、リアルタイムで売買ができることがあげられることが多いと思います。
確かに、買いたい・売りたいと思ったときに即時売買ができること、指値注文で売買価格を指定できることはメリットです。
しかし、投資信託やETFは基本的に長期投資に向いた商品ですので、短期売買を行う場合を除くと、この点に大きなメリットがあるとは考えにくいです。
特に手数料の面で有利なETFですが、デメリットはあるのでしょうか?
3. ETFのデメリット
ETFのデメリットは、投資信託に比べるとやや手間が掛かる点です。
ETFのデメリット
- 自動で積立投資ができない
- 分配金が自動で再投資できない
1つずつ確認していきます。
1)自動で積立投資ができない
多くの投資信託は、毎月一定の金額を積立投資することができます。
ですが、ETFは株のようにリアルタイムで変わる価格の中で、自ら注文を指示して売買を行う商品です。
そのため、基本的には自動で積立投資をすることができません。
ただし、例えば株式投資の場合には、証券会社によっては一定金額の株や一定口数の株を定期購入することができる株式累積投資(いわゆる「るいとう」)があります。
ETFも同じように、証券会社によっては毎月自動で買い付けを行うことができる商品を販売していることもあります。
そのため、ETFで自動積立を行いたいと考えている方は、取り扱いのある証券会社・対象のETFでの運用を検討してみてください。
2)分配金が自動で再投資できない
投資信託で得られる利益は、分配金と基準価格の値上がり益の2つです。
このうち、分配金は毎年の決算のタイミングで支払われます。
投資信託の場合は、この分配金を自動で再投資に回すことができます。
分配金を再投資することで、保有する投資信託の口数を増やすことができます。
つまり、複利の効果を得ることができ、最終的に投資信託を売却するときに得られる値上がり益を大きくすることができます。
一方で、ETFの場合はこの自動で再投資を行うことができません。
そのため、分配金を再投資に回したい場合は、自ら買い付けの指示を行う必要があります。
ちょっとした手間ではありますが、分配金の支払いタイミングを意識していない人もいると思いますので、忘れがちなポイントです。
また、複利の効果を確認したい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
また、分配金はあった方が良いと思うかもしれませんが、必ずしもそういったことはありません。
投資信託では、預かり資産残高が重要です。
しかし、分配金を出してしまうと預かり資産残高は減ってしまいます。
そのため、株主に配当金を出さない企業があると同様に、投資信託でも分配金を出さないことで、基準価額の上昇を目指す方針の商品もあります。
まとめ
この記事では、ETFと投資信託の違いを見てきました。
ETFは投資信託よりも、特に手数料の面で有利ですが、運用においては多少手間だと思う方もいるかもしれません。
仮に運用成績・リターンが同程度である場合、手数料が低いことは大きなアドバンテージになります。
そのため、投資信託での資産運用を検討している方は、ETFへの投資をぜひ考えてみてください。
そして、その際には、リスクとリターンだけではなく、手数料と実際の運用方法も含めて自身にあった金融商品を選択することをおすすめします。
また、投資信託・ETFには非常に多くの商品がありますので、「実際にどの投資信託・ETFを選べばいいか分からない」「自分に合った商品を提案して欲しい」といった方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか?
相談料は無料ですので、実際に投資を行うかどうかはアドバイスを聞いた上で判断しても良いと思います。
※この記事は、一般的な商品特性を説明することを目的としています。
※投資信託、ETF、株などの投資の実行を推奨するものではありません。
※実際の投資にはリスクを伴い、思わぬ損害を被る場合もあります。個別商品のリスクや手数料については、ご自身でご確認ください。