私たちが生きる「人生100年時代」
日本では2017年に人生100年時代構想会議が発足され、政策に織り込まれるほど現実のことになっています。
そして、人生100年時代を自分らしく生きるためには、資産運用・働き方・健康の3つがとても大切です。
資産運用:理想のライフスタイルを実現するための資産
働き方:自分の夢・目標に向かって、やりたいことを実行する働き方
健康:活力を維持するための健康な身体と人間関係
まさに人生100年時代の生き方を体現している杉原杏璃さんに、自分らしい100年人生を歩むためのヒントをお聞きしました。まずは、杉原さんがとても大切にしている資産運用の話です。
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Part2:投資・資産運用編② 〜始め方・学び方のヒント
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Part3:仕事・キャリア編 〜点を繋いで線にするキャリアの作り方
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1. 最初はみんな初心者、小さい資金でも投資は始められる
ー 投資をしない理由を見ると「資金がない」「知識がない」といった声が多くなっています。杉原さんは実際に少額からスタートしていますが、今でもそうした方がいいと思いますか?
もちろんそう思います。
英会話を習うの1つでも同じで、知識がないから、お金がないから、◯◯だから、はただのやらない言い訳。
だって、投資は1万円でも始められる。
英語も話せるようになるために行くので、最初は話せないのが当たり前。
投資も最初からできる人はいないし、何のためにそんな理由付けをするのかなっていう、まぁ怖いからなんでしょうけど、投資も始めてみないと怖さも分からないですよね。
今は投資のシミュレーションができるサービスもあるので、それで1ヶ月でもやってみたらいいのになって。
合う合わないは、そこで決めたらいいと思います。
始めないと減りもしないけど絶対に増えもしないので、経験として投資はやった方がいいと私は思います。
ー 実際、小さく始めるとしたらどういうやり方がオススメですか?気をつけるべきことはありますか?
2つのパターンがあります。
1つは私自身が始めたやり方で、東証一部の大きな会社を2つくらい買ってみる。
日々の値動きにあまり一喜一憂せず、1ヶ月後くらいに株価を見てみる。
東証一部のようなあまり値動きの激しくない企業の株を買ってみると、始めるのがあまり怖くないんじゃないかなと。
もう1つは、やるからには短期間でたくさんの利益を得たいという方は、マザーズ市場のような、比較的小さな会社の株を買って値動きの激しい中で、ビギナーズラックじゃないけど当たってはまるというやり方。
私は、初心者の方は前者がいいのかなと。
ー 杉原さんルールでは、10%値上がりしたら売るとありました。
ものに依ります。
東証一部は10%ほど上がらないと、そんなに大きな利益にならないので銘柄に依ります。
そう考えると、投資信託の方が初心者の方にはいいかもしれないです。
私は、マネージャーさんやメイクさんとか、周りに値動きの話をする人がいますが、周りに誰もいない中だとマザーズや東証一部の値動きは分かりにくいかもしれません。
2. 知識がない状態で投資を始めて、学びながら自分のスタイルを見つける
ー 杉原さん自身も東証一部上場株から始められたのでしょうか?
そうです。
知識がない状態で始めたので、買ったのがたまたま東証一部上場の会社でした。
自分が調べて分かる会社、応援したい身近な会社から始めるのが1番分かりやすいので、最初はそれでいいと思います。
ー 杉原さんは独学で学ばれたようですが、投資を学ぶ際に参考にしたメンター・師匠のような人はいましたか?
まったく、いないんです。
むしろ素人、セミプロの方が日々書いているような、投資ブログを見て参考にする方が多かったです。
著名な方は、ざっくりしたことしか言えないし書けないので。
立場上もありますし、法に触れるので個別銘柄も言えない。2021年こうなりそうという、ざっくりとした予想くらい。
個人の方が「自分はデイトレでこの銘柄を買いました」といったのを見るのが好きで、参考にしていました。
なので、TwitterのリアルタイムやYahoo!ファイナンスの情報はよく見ていました。
ー 今はインターネットにたくさんの情報あります。その情報は玉石混交だとも思うのですが、見極めはどのようにしていますか?
私の周りの人で、あるTwitterの投稿者の内容を信じて、同じ銘柄を買っている人がいますが、私はそういう買い方は絶対にしません。
値下がりしたときにその人のせいにしちゃうし、理由がなく買うことにもなる。
例えば、自分の中で今は化粧品業界が注目されているから化粧品に絞ろう、その中から何社か自分が好きな会社を3社くらいに絞った後に、調べ始めるので。
それは同業他社の比較もして、その中でどの会社が推し・勢いがあるか、新商品が出るかといった、あくまで自分が絞りきった上で、追加で調べている参考情報。
そういう意味で、調べた先の情報をそこまで信じ込んでもいない。
基本的に、人生の中で人のことを信じずに生きてきたので(笑)
ー そうなんですね(笑)自分で調べた上でプラスアルファの情報として使っていると。
最終的には自分の判断だと思って動いています。あくまで参考ですね。
そもそも、その情報元を信じたい人もいますが、あまり信じ込んじゃダメだよと思っています。
私は最後の一押しとして、そういう情報を使っています。
あとは、単純に決算の日を忘れていたりするので、そういった情報をリアルタイムで見ていると、レポートを拾うことができたりもします。
ー あくまで情報源の1つということですね。
はい。1から買うものを探そうとすると、ちょっと難しいかなと思う。
3. 実際の経験を積み重ねて、投資が理解できるようになる
ー 実際にやってみて、株の取引が「自分でできるようになった」「ある程度分かるようになったぞ」と思えるようになるまでに、どのくらいの期間が掛かりましたか?
掴めるようになったのは、4年くらい経ってからですね。
というのも、始めて3年後にリーマンショックがあったので、そこで自分の資産が一瞬で半分になることを経験しました。
元が30万円くらいだったので、なくなってもいいとは思っていましたが、必死にやらないと本当になくなってしまうことを身をもって体験して、そこから本腰を入れて勉強したことが大きい。
どんな仕事でも2~3年は身に付ける期間ではあると思うので、ちょっとその2~3年はグッと耐えて勉強していくと誰でも身に付くものだと思います。
正解はないですし。
ー そのリーマンショックや東日本大震災の時期も、資金的にも精神的にも問題なく乗り越えられましたか?気絶していたと表現されていましたが(笑)
リーマンショックで、こんなことがあっても株価は戻ってくるんだってことを経験して、こういうときこそ慌てずに買いに走ればいいと分かりました。
その後も、石油問題とか米中の貿易摩擦問題とか色んなことがあったときに、今こそ投資として割り切って買いに走ることができた。
もちろん資産が半分になるのはショックですけど、そっちは気絶して買いの方にと行動するようになりました(笑)
ー その気づきや考えは、振り返ってみて分かったことですか。
純粋に最初のスタートが、資金がそんなに沢山ある中で始めた訳ではないので、ピンチのときこそ動かないと何も生まれないというのが20才くらいからあるので、それが大きいのかもしれない。
あとは、投資をされている企業の社長さんたちとご飯を食べる機会も比較的多く、その中で学んだこともある。
そういった方々の意見を聞いていると、会社経営が傾いているときこそ増資をしたり、新しい事業を起こしたりしていて、苦しいときこそチャレンジするべきだと感じていた。
成功している方々と同じことをすれば、成功できるのかなというのはどこかにあったと思う。
ー ご両親からの教えは何か影響していますか?
そうですね。あまり意識はしていなかったけど、あると思います。
大きくチャレンジするときは、そこはパパって凄いなって思うことはあったので、押し目押し目でビジネスも覚悟を決めるときもあったんだろうなって思います。
ー 結局、大局で見ると今回のコロナショックも同じだなと感じます。
そうですね。
なので、集団心理に惑わされずに真逆に行かないといけないんだなと。
株の格言に「人の行く裏に道あり花の山」があって、人の行く道の裏に行かないとお花畑はないんだよというのは、絶対的な教えなので。
じゃないと、万人という言い方は失礼ですけど、みんなと同じ方向では誰も成功しないので、そういうときこそリスクを取りにいっています。
たかだか自分の人生知れていると思っているので、お金がなくなっても死にはしないとも思っていますね。
4. 投資・資産運用のアドバイザーを使う手もあり
ー 杉原さんのように、自分で勉強して投資判断ができるようになるのが理想ですが、現実的には勉強やリサーチをする時間が取れない人や、そこまでの興味が持てない人もいると思います。
私も35歳まではグラビアの仕事がメインだったので、月の半分くらいは海外にいて、しかも海外って言ってもグラビアの海外はWi-Fiがないような奥地に行くので、そんな中でもできたので、できないってことはないと思います。
売り買いも予約で入れることができるので、日中取り引きができない会社勤めの方でもできます。
とは思いますけど、それでも難しければアドバイザーに頼るとか、投資信託とかでお金のプロに運用をお任せしてみるのもいいと思います。
それで、アドバイザーから学んで、株の本質を理解してから取り組むのでもいい。
でも、なんにしても一回やってみた方がいいと思う。
やらないのはもったいないなって思う。
最近だと、31年ぶりに株価が3万円を超えたりとか、ビットコインが5万ドルを超えたりとか、そういうことがあって。
10万円でもやっていれば、ヤッター!という気持ちになれることもある。
やっていないと、そうなれない自分が悔しいと思うので、10万円でもやっていたら喜べるのになって思う。
ー 任せるという話が出ましたが、まさにイギリスやアメリカではIFAという、証券会社に属さない中立的なアドバイザーが一般的な存在になっています。日本でも2004年に制度ができてから増えてきているのですが、初期の勉強や、投資をやっていて不安なときの2ndオピニオン、そういった補助として使う手もある。大切なのは投資を始めること、続けることなのかなと思います。
そうですね。プロに任せるのもいいと思う。
私自身は10年以上自分でやっているので今は必要ないですが、子供ができたりしたら子供の資産運用はアドバイザーに任せてやってもらおうと思っています。
私は自分の投資で精一杯なので、子供の分は任せたいなと(笑)
だから、お子さんが2人・3人もいると、自分で調べてやるのはなかなか難しいと思うので、自分でできない人はお金を運用するプロの方々に任せた方が安心かなと。
ー 実際、私たちはアドバイザーを探せるサービスを運営しています。やれる人は自分でやるのがベストだと思っていますが、できないなら相談してでもやった方がいいなと。
私は自由職で自由なスタイルで生きていますが、多くの人はそうではないのかなって。
ハードルを下げないと、なかなかできないんだろうなとは思います。
みんな、なくなることの不安ばかりなので、何でなくなることばかりを考えるのかなと。
増えることばかり考えたらいいのに(笑)プラス思考に!
ー 結婚やライフステージ・仕事の変化をきっかけに、投資・資産運用に対する考え方に変化はありますか?
20代や30代前半のようにマザーズ市場で値動きの激しいものを追っかけていかなきゃという性格から自分自身も少し落ち着いてきているので、少しゆったりと自分のペースで投資ができるようになってきました。
今は、ゆっくりと楽しく投資ができる年代に入ってきているので、すごく楽しいです。
ー 20代のときは、そんなにガツガツやられていたんですね。
そうですね。あと、人にも言えなかった。
マネージャーさんも知らなかったし、誰も知らない状態でやっていたので結構しんどかった。
親にも言ってなかったですし。母に言うと反対、心配するので言えない状況でやっていたのでしんどかったですね。
ー 杉原さんの布教活動で、今は周りでやっている人も増えたと。
この業界の人は結構います。
もちろん強制はできませんが、楽しいよって現場でちょっと話をするとやってみようかなと、始めてくれています。
ただ、地元の主婦友達はあまり。ちょうど私の年代だと、子供にお金がかかる時期なのでハードルが高いみたいです。
あと、これは不思議なんですけど、不動産の方が安心みたいで。
安心は分からなくもないですけど、お金は結構かかるじゃないですか。
なので、それもどこかでかじった情報で、親とかから不動産は昔からあって安心、株はどうしても実態がないから胡散臭いと思われる。
でも、実際に始めると、そんなことないって分かってもらえる。
私の進めで、今はマネージャーさんも、メイクさんもやっています(笑)
(「Part3:線を繋いでいくキャリアの作り方」につづく)
杉原杏璃の人生100年時代!夢を広げる投資と線を繋げる働き方
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Part2:投資・資産運用編② 〜始め方・学び方のヒント
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Part3:仕事・キャリア編 〜点を繋いで線にするキャリアの作り方
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プロフィール/敬称略
杉原 杏璃
(すぎはら あんり)
1982年生まれ、広島県出身。17歳で芸能界デビュー。グラビアを卒業後、2005年から続けている株式投資経験を綴った「株は夢をかなえる道具~女子のための株式投資入門~」(祥伝社)を2019年に出版すると増刷を重ねロングセラーに。その後も「不動産投資は自分らしく生きる道具」(祥伝社)を出版し、投資系のイベントやセミナー・講演など、様々な地域で出演中。
また、2014年に立ち上げたソフト補正下着のブランドの商品が大手通販専門チャンネルで7年にわたり現在もヒット中。更に多くの女性に喜んで頂ける商品を!と商品の開発にも取り組み活躍の幅を広げている。