資産運用に有効なNISAを活用していますか?
NISAは少額投資非課税制度のことで、文字通り一定の金額までの投資で得られた利益に対して、税金が掛からない制度です。
2014年にスタートした制度で、元々は対象期間が2023年までとされていました。
そのため、中には出遅れてしまって「今さら始めても遅いかな?」と思っている人もいるかもしれません。
ところが、税制改正によってNISAは制度が少し変更になって、2028年まで延長されることが決まっています。
そのため、まだ始めていない人も決して遅くありません!
この記事では、新NISAになると制度がどのように変わるのかを見ていきます。
1. そもそもNISAとは?
まず、NISAがどのような制度かおさらいします。
※すでにご存知で、変更点だけ知りたいという方は、飛ばして次の章にお進みください。
冒頭でも触れたように、NISAは投資によって得られた利益が非課税になる制度です。
通常、投資によって得られた利益には約20%の税金が掛かります。
例えば500万円の投資をしていて、100万円の利益が得られた場合、約20万円を税金として納める必要があります。
NISA制度を活用した場合、この20万円が非課税になるため、投資を行う際にとても有用な制度です。
また、NISAには「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3つの種類がありますが、1人が作成できる口座は1つだけです。
ジュニアNISAは20歳未満の人向けの制度ですので、多くの人は一般NISAとつみたてNISAのどちらかを選ぶ必要があります。
種類別の違いを大まかにまとめると、次のようになります。
金融庁「NISA特設ウェブサイト」を元に、Route100編集部作成
つみたてNISAは、一般NISAに比べてより長期投資に向いた制度になっています。
一般NISAとの違いは、次の点です。
- 非課税期間が20年間と長い
- 非課税で投資できる金額が年間40万円と少ない
- 投資対象商品が、長期投資に向いた投資信託に限定されている
NISAについての詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。
2020年の税制改正によって、一般NISA・つみたてNISAともに期間が5年間延長になります。
- 一般NISAは2023年末から、2028年末までに延長
- つみたてNISAは2037年末から、2042年末までに延長
- ジュニアNISAは利用者が少ないことから、2023年末をもって終了
つみたてNISAは期間延長のみですが、一般NISAは制度の内容も変更になります。
2. 新NISA制度の変更点
新NISAにおける変更点は、投資枠が1階部分と2階部分に分けられたことです。
金融庁「NISA特設ウェブサイト」を元に、Route100編集部作成
現行の一般NISAは、年間120万円の投資枠に対して、株式や投資信託の中から好きな商品に投資を行うことができました。
それが、新NISAでは次のように変更になります。
- まず「1階」と表現される、20万円のつみたてNISAと同じ考え方の枠への投資が必要(20万円すべてを使い切る必要はありません)
- 1階への投資を行なっていることを条件に、「2階」部分に最大102万円の年が可能 *例外あり
- その結果、現行制度より2万円多い、年間122万円までの投資が可能
「2階」部分への投資は、原則「1階」部分への投資を行うことが条件になっていますが、例外があります。
すでに「一般NISAへの投資を行っている人」や「NISA以外で株式投資などを行なっている人」は2階部分だけへの投資を行うことができます。
ただし、その場合でも2階部分の枠は102万円で固定されていますので、投資枠を最大限活用したい場合は両方の枠へ投資を行った方が良いと言えます。
変更点をまとめると、次のようになります。
変更点 | 現行NISA | 新NISA |
投資可能期間 | 2014年〜2023年末 | 2024年〜2028年末 |
1年間の投資上限額 | 120万円 | 122万円 ・1階部分:20万円 ・2階部分:102万円 |
投資対象商品 | 上場株式・投資信託など | 1階部分:つみたてNISA同様に、長期分散投資に向いた一定の基準を満たした投資信託 2階部分:上場株式・投資信託など(変更なし) |
5年経過後の移行 | 売却、または課税口座へ移行 | 1階部分:売却、または課税口座かつみたてNISAへ移行 2階部分:売却、または課税口座へ移行(変更なし) |
実際に資産運用を行なっていくと、税金の大きさに気づく人も多いと思います。
そのため、NISAを活用することは資産運用の基本です。
そして、多くのアドバイザーがNISAの活用を推奨していることからも、その有用性を窺い知ることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
日本は世界でも最も長寿化・少子高齢化が進んでいる国です。
そのため、国としては人生100年時代を見据えて、自助努力による老後資金の形成を押し進めたい考えがあります。
そのため、できるだけ多くの人に長期投資を行ってもらいたい考えがあり、2020年の税制改正でNISA制度の期間延長と内容変更が行われています。
まだNISA口座をお持ちでない方、または口座はあるけど資産運用を実施していない方は、今さらと思わずに改めてNISAの活用を考えてみましょう。
「NISA口座の作り方が分からない」「どの商品が良いか分からない」「NISA口座での資産運用を相談したい」といった方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか?
相談料は無料ですので、実際に口座を作るか、投資を行うかはアドバイスを聞いた上で考えてみることをおすすめします。