投資信託は、基本的に長期投資に向いた商品です。
そのため、最初の商品選択がとても重要になってきます。
一方で、日本で販売されている投資信託の数は5,800を超えます。
これだけの商品の中から、どういった観点で投資信託を選んだら良いでしょうか?
多くの人が重視しているポイントを見ながら、確認してみましょう。
1. 投資信託で重視するポイント
個人投資家へのアンケート調査から、投資信託を購入する際に重視するポイントは次のようになっています。
No | 投資信託購入時に重視するポイント ※複数選択 |
割合 |
1 | 安定性やリスクの低さ | 58% |
2 | 成長性や収益性の高さ | 48% |
3 | 購入・販売手数料の安さ | 34% |
4 | 分配金の頻度や実績 | 30% |
5 | 信託報酬の安さ | 28% |
6 | 商品のわかりやすさ | 26% |
7 | 純資産額の大きさ | 16% |
8 | 評価会社による評価 | 10% |
9 | 環境貢献などの社会的責任への配慮 | 4% |
日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査について」を元に、Route100編集部作成
投資ですので、やはりリスクの低さや収益性を意識している人が多いことが分かります。
また、投資信託は資産運用を委託することになるため、信託報酬という手数料が発生します。
例えば、株式投資の場合、発生する手数料は株を売買するときに発生する手数料だけです。
株を保有している期間に手数料が発生することはありません。
そのため、株式投資をするときに気にするべきコストは、売買の頻度と売買金額によって変化する売買手数料です。
一方で、投資信託の場合は売買手数料に加えて、信託報酬の手数料を考える必要があります。
そして、特に長期投資を行う場合、保有中にずっと掛かり続ける信託報酬が低いことは、とても重要な要素です。
投資信託の仕組みや手数料については、こちらの記事で詳しく解説しています。
また、手数料を低く抑えるには、上場投資信託であるETFを検討してみるのが良いと思います。
ETFは投資信託の1つで、名前の通り証券取引所に上場している投資信託です。
一般的に、通常の投資信託よりも手数料が低い特徴があります。
ETFのメリット・デメリットを知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。
また、重視点としてはそれほど大きくはありませんが、一部の人は「評価会社による評価」や「社会的責任への配慮」をあげています。
投資信託は数が多いこともあり、様々なサイトや雑誌などでもランキングが発表されています。
もちろん、こういった情報を参考にすることは有益ですが、ランキング上位だからといった理由だけで購入するのは危険です。
ランキングだけで判断してしまっては、思い掛けずリスクの高い商品を購入してしまう可能性があります。
投資は自己責任ですので、商品のことを理解した上で行うようにしましょう。
また、商品特性を考えていくと、何に投資をしているのかという点も重要になってきます。
投資の対象としては、株式や公社債・不動産といった商品はもちろん、同じ株式でも日本・アメリカ・発展途上国といったように、国や地域の違いもあります。
「社会的責任への配慮」とは、例えばSDG's債のように、SDG'sに関連する事業に投資先を限定するような商品もあります。
応援している企業の株を購入するように、自分の興味のある分野へ投資を行うことによって、資産運用を行いながら特定の業界や分野をサポートしていくことができると、なお良いと考えられます。
2. 年齢によって重視点は変化
また、先ほどの投資信託で重視するポイントは、年代によって考え方に差があります。
No | 投資信託購入時に重視するポイント ※複数選択 |
20-30代 | 70代以上 | 差 |
1 | 安定性やリスクの低さ | 53% | 64% | ▲11% |
2 | 成長性や収益性の高さ | 59% | 43% | 16% |
3 | 購入・販売手数料の安さ | 44% | 25% | 19% |
4 | 分配金の頻度や実績 | 21% | 39% | ▲18% |
5 | 信託報酬の安さ | 43% | 12% | 31% |
6 | 商品のわかりやすさ | 25% | 27% | ▲2% |
7 | 純資産額の大きさ | 18% | 13% | 5% |
8 | 評価会社による評価 | 11% | 11% | - |
9 | 環境貢献といった社会的責任への配慮 | 4% | 4% | - |
日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査について」を元に、Route100編集部作成
若い世代では、手数料を抑えながら積極的に投資を行なっていく考え方が読み取れます。
一方で、年代が上がると、なるべくリスクを抑えて資産運用を行い、定期的にお金を受け取る傾向にあります。
この傾向は、投資に対する考え方としても理に適っていると考えられます。
投資は若い世代ほど、積極的に行うことができます。
その理由は、仮に損失が出てしまった場合でも、定年までの期間が長いため、老後に向けた資産形成のリカバリーが可能だからです。
仮に、定年間際や退職金でリスクの高い投資を行って、資産の多くを失ってしまった場合、取り戻すことは非常に困難です。
そのため、若いうちは積極投資を行って資産を増やし、年齢が上がってからは築き上げた資産をリスクを抑えながら運用し、徐々に受け取っていくという考え方は有効だと考えられます。
ただし、年齢に関係なく自分が受け入れることが可能なリスクの範囲内で投資を行うことは、投資を行う上での大原則とも言えます。
リスク許容度とリターンのバランスを取った投資を心掛けましょう。
まとめ
この記事では、投資信託を選ぶ際に重視するポイントと、年代による違いを見てきました。
年代による投資への考え方の違いがはっきりと現れている、面白いデータだと思います。
投資信託を選ぶ際の参考にして頂けたら幸いです。
また、そうは言っても投資信託は5,800を超える数の商品があります。
「具体的にどの投資信託が良いのか教えて欲しい」「自分に合った商品のアドバイスが欲しい」「投資信託以外の商品も含めて相談したい」といった方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか?
相談料は無料ですので、実際に投資を行うかどうかはアドバイスを聞いた上で判断するのが良いと思います。
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※この記事は、一般的な投資信託の特性を説明することを目的としています。
※投資信託の活用を含め、投資の実行を推奨するものではありません。
※実際の投資にはリスクを伴い、思わぬ損害を被る場合もあります。個別商品のリスクや手数料については、ご自身でご確認ください。