NISAは、投資で得られた利益に税金が掛からなくなる制度です。
NISAには一般NISAとつみたてNISAがあり、2つを合わせると1,500万を超える口座が作られています。
NISA口座を利用して投資を行う目的は、年代によって考え方の違いがありますが、全年代を通して「老後の生活資金づくり」が中心になっています。
具体的に、年代によってどのような違いがあるかを見てみましょう。
1. NISAの利用目的
個人投資家へのアンケート調査から、全年代を通したNISAの利用目的は次のようになっています。
No | NISAの利用目的 | 割合 |
1 | 老後の生活資金のため | 53.0% |
2 | 生活費の足し | 22.5% |
3 | 旅行やレジャー資金のため | 16.7% |
4 | 子供や孫に残す資金のため | 8.9% |
5 | 自身や家族の介護費用のため | 8.4% |
6 | 子供や孫の教育資金のため | 8.2% |
7 | 自動車や家電などの購入資金のため | 5.9% |
8 | 退職金を運用するため | 5.6% |
9 | 住宅購入の資金にするため | 4.0% |
10 | 自分の教育資金のため | 3.4% |
11 | 自分の結婚資金のため | 1.8% |
12 | 特に目的は考えていない | 23.0% |
日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査について」を元に、Route100編集部作成
人生の3大支出は、住宅資金・教育資金・老後資金です。
これらは家庭によって当然大きく差がありますが、いずれも一般的に数千万円が必要だと言われています。
そして、この中で唯一ローンとして銀行などからお金を借りることができないのが、老後資金です。
日本には皆年金制度があるため、年金によって一定の生活は保障されています。
ですが、旅行に行ったり趣味を楽しむためには、ある程度自分で老後資金を作っておく必要があります。
そのため、多くの人が老後資金のために投資を行っています。
ただし、老後に必要な資金は人によって違ってきますので、いくら必要になるかを1度考えてみるのが良いでしょう。
また、生活費の足しにするために投資を行っている人も一定数いるようですが、投資には少なからずリスクが伴います。
一方で、リスクとリターンには相関関係があるため、極端にリスクを恐れてもうまく資産形成ができません。
自分が望むリターンと、許容できるリスクのバランスを取った投資を心掛ける必要があります。
次に、年代別にNISA活用の目的を見ていきます。
2. 年代別のNISA利用目的
冒頭でもお伝えした通り、NISAで投資を行う目的は年代によって違いが見られます。
No | NISAの利用目的 | 20-30代 | 50代 | 65〜69歳 |
1 | 老後の生活資金のため | 45% | 62% | 53% |
2 | 生活費の足し | 26% | 22% | 23% |
3 | 旅行やレジャー資金のため | 17% | 16% | 19% |
4 | 子供や孫に残す資金のため | 10% | 8% | 9% |
5 | 自身や家族の介護費用のため | 8% | 7% | 10% |
6 | 子供や孫の教育資金のため | 21% | 7% | 2% |
7 | 自動車や家電などの購入資金のため | 9% | 6% | 3% |
8 | 退職金を運用するため | 6% | 3% | 8% |
9 | 住宅購入の資金にするため | 14% | 2% | 1% |
10 | 自分の教育資金のため | 11% | 2% | 1% |
11 | 自分の結婚資金のため | 8% | 1% | 0% |
12 | 特に目的は考えていない | 15% | 21% | 30% |
日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査について」を元に、Route100編集部作成
すべての年代で、老後の生活資金が高いことには変わりはありませんが、世代によって明らかに傾向が異なる目的があります。
1)20代・30代のNISA利用目的
まず、若い世代は近い将来必要になる資金を目的にNISAを活用していることが分かります。
具体的には、教育資金や住宅購入資金をはじめ、自己投資や結婚資金を目的に投資を行っています。
また、まだ定年までの期間が長いためか、老後の生活資金を目的にしている人は、他の年代に比べるとやや少ない傾向にあります。
2)50代のNISA利用目的
50代では、全体的に特定の用途を目的にした人の割合が減り、老後の生活資金を目的にしたNISA利用が多くなります。
50代になると、子供が独立する人も増えてくるため、教育資金が必要な人が減り、住宅購入や結婚も少なくなってくるため、20代・30代とは傾向が変わってくると考えられます。
また、50代に入ると定年への実感が意識されるようになるため、老後の生活資金を目的にした利用が増えてくると思われます。
3)60代後半のNISA利用目的
60代後半では、特定の目的のためのNISA利用は、より少なくなります。
特徴は、退職金の運用目的や、特に目的がなく運用している人が多いことです。
また、60代後半になっても老後の生活資金のために、投資を行っている人が半数以上いることも注目するべき点です。
年金も受け取り開始年齢を遅らせて、長期運用することで毎月の受給額を増やすことができます。
なるべく、長期間投資を継続することの必要性を感じている人が多いと考えられます。
まとめ
この記事では、NISAの利用目的を年代別に見てきました。
年代によって違いはありますが、すべての年代で老後の生活資金を目的にNISAを利用している人が多いことが分かりました。
老後資金は計画的に作っていくものです。
「NISA口座で資産運用を始めたい」「いくら老後資金が必要か相談したい」「老後資金づくりに向いた商品を知りたい」といった方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか?
相談料は無料ですので、実際にNISA口座を利用した投資を行うかどうかは、アドバイスを聞いた上で判断するのが良いと思います。
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※この記事は、一般的なNISAの利用目的を説明することを目的としています。
※NISAの活用を含め、投資の実行を推奨するものではありません。
※実際の投資にはリスクを伴い、思わぬ損害を被る場合もあります。個別商品のリスクや手数料については、ご自身でご確認ください。