NISAは、2014年にスタートした制度です。
当初は2023年12月末までの制度でしたが、2024年から新NISAへ制度が移行し、2028年12月末まで延長することが決まっています。
新NISAは、現行の制度よりやや複雑になっています。
そのことが原因となって、新NISAを継続利用しないと考えている人もいるようです。
この記事では、新NISAの概要と新NISAのデメリットを見ていきます。
1. 新NISAの概要
NISAは、投資で得られた利益に対する税金が免除される制度です。
NISAには、一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAの3つの制度があり、それぞれ次のように制度の変更が行われます。
- 一般NISAは、2014年に制度がスタート
→ 2024年に制度変更が行われ、2028年12月末まで延長 - ジュニアNISAは、2016年に制度がスタート
→ 利用者が少ないことから、2023年12月末をもって制度終了 - つみたてNISAは、2018年に制度がスタート
→ 制度変更はなく、期限のみが2042年12月末まで延長
この記事では、2024年に制度の変更が行われる一般NISAについて、制度の変更内容と現在NISAを利用している人の利用動向を見ていきます。
また、NISAのメリットや制度の詳細を知りたい方は、こちらの記事を合わせてお読みください。
現行のNISAと、新NISAの違いを図式化すると次のイメージになります。
金融庁「NISA特設ウェブサイト」を元に、Route100編集部作成
主な変更点は、次のとおりです。
- 現行のNISAは120万円の枠が設けられており、一律の枠として扱うことが可能
- 新NISAでは、1階と2階と表現される2つの枠に分割される
新NISAでは、まずつみたてNISAと同じ考え方の、1階の20万円の枠への投資が必要です。
1階への投資を行った上で、2階である現行NISAと同じ考え方の枠に投資を行うことができます。
ただし、1階である20万円の枠には次の制度もあります。
- 20万円の枠をすべて使い切らなくても、2階部分への投資を行うことができる
- 既にNISA口座で運用を行っている人、または投資経験がある場合は、1階への投資を行わずに、2階部分のみへの投資を行うことができる(実際の判断は証券会社ごとに行われます)
新NISAについては、より詳しくこちらの記事で解説しています。
このような制度変更を受けて、NISAを利用している人が新NISAを継続するかどうかを見て見ます。
2. 新NISAの利用意向とデメリットと感じている点
新NISAになっても、利用を続けようと考えている人は全体の82.4%です。
多くの人は継続利用しようと考えていますが、2割弱の人は利用をやめようと考えています。
その理由が、新NISAにおけるデメリットだと考えられます。
No | 新NISAを利用しない理由 | 割合 |
1 | 2階建ての制度が複雑だから | 41% |
2 | 1階部分の積立投資を使いたくないから | 30% |
3 | つみたてNISAに移行するため | 6% |
4 | その他 | 23% |
日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査について」を元に、Route100編集部作成
制度が複雑になること自体をデメリットに感じている人と、つみたてNISAにデメリットを感じている人が多いと言えます。
1)新NISAは制度が複雑
まず、制度が複雑になること自体を嫌って、NISAの利用をやめることについてですが、この理由でやめるのはもったいないと言えます。
NISAは投資によって得られた利益に、税金が掛からない制度です。
せっかくの非課税投資枠ですので、有効に活用することをおすすめします。
2)1階の積立投資を行いたくない
もう1つの、積立投資を行いたくないについては、一定の理屈があると考えられます。
NISAは1人1口座しか作ることができません。
そのため、一般NISAで投資を行っている人は、元々つみたてNISAを選択しなかった人だと考えられます。(一般NISAが先に制度スタートしているため、単純に乗り換えをしなかった人もいると考えられます)
つみたてNISAは、より長期投資に向いた制度であるため、投資対象商品が一定の基準を満たした投資信託などに限定されています。
そのため、NISAの投資枠を使って、株式などに積極投資したいと考えている人にとっては積立投資の枠にお金を使いたくないことが考えられます。
ただし、制度の説明で触れた通り、これまでNISAでの運用や投資の経験がある人は、1階部分を使わずに2階部分だけに投資ができる可能性があります。
そのため、こちらの理由の方も、もう1度NISAの利用継続を再考してみてはいかがでしょうか。
まとめ
この記事では、新NISAの制度概要とデメリットを見てきました。
たしかに、制度がやや難しくなることと、1階の積立投資部分にデメリットを感じる人もいるかもしれません。
ただし、そのことでNISAの非課税投資枠を使わないことはもったいないと言えます。
「今からNISA口座で資産運用を始めたい」「NISAのメリットを詳しく知りたい」「NISAを使った資産運用のアドバイスが欲しい」といった方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか?
相談料は無料ですので、実際にNISA口座を利用した投資を行うかどうかは、アドバイスを聞いた上で判断するのが良いと思います。
アドバイザー検索はこちらからどうぞ。
※この記事は、一般的なNISAの利用目的を解説することを目的としています。
※NISAの活用を含め、投資の実行を推奨するものではありません。
※実際の投資にはリスクを伴い、思わぬ損害を被る場合もあります。個別商品のリスクや手数料については、ご自身でご確認ください。