NISAやiDeCoの利用拡大に伴い、投資信託を保有する人も増えているかも知れません。
また、制度利用のために複数口座を持っていることで、保有数が増えている人もいると思います。
では、一般的に投資信託はいくつ保有しているのでしょうか?
この記事では、投資信託の保有数と、保有している投資信託の種類を見ていきます。
1. 投資信託の保有本数
投資信託協会が行ったアンケートによると、投資信託を保有している数は多くの人が5本以内に収まっています。
1〜2本 | 3〜5本 | 6〜10本 | 11本以上 | 不明 |
48% | 32% | 10% | 4% | 6% |
投資信託協会「投資信託に関するアンケート調査報告書(2020年)」を元に、Route100編集部制作
表の通り、約半数の人が1〜2本を保有、5本以内の人が8割を占めます。
一方で、11本以上保有している人もいます。
投資信託は、1つの商品でも分散投資の効果が得られる金融商品です。
株式投資の場合、仮に1つの会社に集中的に投資を行っていた場合、資産を大きく損なってしまうリスクがあります。
つまり、その会社の業績が大きく低迷してしまったり、最悪のケースでは倒産してしまった場合、資産が大きく目減りしてしまいます。
一方で、投資信託の場合、そのようなリスクは株式投資に比べると低いと言えます。
それは、投資信託が多くの人からお金を集めて、大きな資金を株式など多くの資産に投資を行っているためです。
そのため、投資信託で資産を運用する場合、多くの投資信託に分配する必要性はそれほど高くないと言えます。
ただし、投資信託が分散投資を行っているとは言っても、例えば日経平均にインデックスした国内株式の投資信託であれば、日経平均が値下がりを続けている場合には、当然投資信託の成績も低迷します。
そのようなケースを想定して、株式と逆の動きをすることの多い債券の投資信託を同時に保有するなど、自分に合ったリスクコントロールは必要だとも言えます。
いずれにせよ、投資信託は基本的に長期運用に向いている商品です。
数が多すぎると管理ができなくなったり、運用負荷が大きくなる可能性があるため、リスク管理の範囲内で必要な数だけ保有することが必要です。
次に、どのような投資信託を保有しているのか、投資信託の種類ごとの保有率を見ていきます。
2. 投資信託の種類と保有率
同じアンケートで、投資信託保有者が保有している商品と保有率は次のようになっています。
投資信託の種類 |
保有率 |
国内株式 | 54% |
外国株式 | 44% |
分散型 | 26% |
国内債券 | 18% |
外国債券 | 18% |
J-REIT(国内の不動産) | 12% |
ETF(上場投資信託) | 10% |
REIT(外国の不動産) | 9% |
その他 | 1%未満 |
投資信託協会「投資信託に関するアンケート調査報告書(2020年)」を元に、Route100編集部制作
投資対象としては、株式・債権・不動産の順に人気があることが分かります。
また、全体傾向として外国よりも日本への投資がやや多い傾向にあります。
これは、ホームバイアスと呼ばれるもので、外国よりも自分の国に投資をする傾向のことを言います。
ただし、例えば株価について見てみると、長期比較をすると日本とアメリカは次のような違いがあります。
国 |
参考指標 |
株価 | 30年間の 増加率 |
|
1991年 | 2021年 | |||
日本 | 日経平均 | 約24,000円 | 約28,000円 | 117% |
アメリカ | S&P 500 | 約320ドル | 約3,800ドル | 1,188% |
この数字を見ると、ホームバイアスに捉われるべきでないことは明白です。
ただし、これはあくまでホームバイアスの話であって、日本より米国株が良いと言っているわけではありません。
もちろん、自国を応援するために日本へ投資をするという考えもありますが、投資を行う上では日本にこだわりすぎず、フラットに投資先を考えることが望ましいと言えます。
また、投資信託の種類を詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてお読みください。
まとめ
この記事では、投資信託の保有数は多くの人が5本以内であること、投資対象としては株式・債券・不動産の順に人気があることを見てきました。
日本で販売されている投資信託は、2021年6月9日時点で5,800を超える商品があります。
そのため、投資信託を選ぶことは容易ではありません。
実際に「投資信託を始めたいけど、どれがいいのか分からない」「NISAの口座を開いたけど投資が始められていない」「投資信託以外の商品についても知りたい」といった方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか?
相談料は無料ですので、実際に投資・資産運用を行うかどうかはアドバイスを聞いた上で判断しても良いと思います。
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※この記事は、一般的な投資信託の特性を説明することを目的としています。
※投資信託の活用を含め、投資の実行を推奨するものではありません。
※実際の投資にはリスクを伴い、思わぬ損害を被る場合もあります。個別商品のリスクや手数料については、ご自身でご確認ください。