人生の3大支出は、住宅費用・教育費用・老後の生活費だと言われています。
特に住宅購入のために、銀行などから借り入れを行っている人も多いと思います。
一方で、老後の生活費は借り入れを行うことができないため、なるべく若いうちに準備を始めることが望ましいと言えます。
この記事では、年代別の借入金額とその利用目的を見ていきます。
1. 借入金の残高
すべての年代を通した、平均の借入金額と借入金のある世帯の割合は次の通りです。
借入金のある 世帯の割合 |
借入金残高 (万円) |
住宅ローン残高 (万円) |
42% | 1,587 | 1,399 |
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2019年)」を元に、Route100編集部制作
おおよそ、10人に4人が借り入れを行っていて、その借入金の多くは住宅ローンであることが分かります。
次に、年代別の借入状況を見てみます。
年代 |
借入金のある 世帯の割合 |
借入金残高 (万円) |
住宅ローン残高 (万円) |
20代 | 42% | 1,567 | 1,600 |
30代 | 56% | 2,349 | 2,284 |
40代 | 65% | 1,690 | 1,638 |
50代 | 54% | 1,210 | 1,070 |
60代 | 34% | 1,492 | 920 |
70代 | 15% | 1,396 | 816 |
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2019年)」を元に、Route100編集部制作
借入金額は30代が最も多く、借入金のある世帯は40代でピークになっています。
また、20代から40代にかけては、いずれの世代でも借入金額と住宅ローン残高が近い金額になっています。
そのため、借入金の利用目的は、住宅購入費であることが考えられます。
50代以降になると、借入金のある世帯の割合・金額ともに下がっていきます。
しかし、住宅ローンが減っていく一方で、借入金残高は70代になってもある程度残っています。
次に、具体的にどういった利用目的で借入を行っているかを見ていきます。
2. 借入金の利用目的
同じ調査で、借入金の利用目的は次のようになっています。
住宅購入 資金 |
耐久消費財 の購入費 |
教育資金 | 日常の 生活費 |
投資資金 |
医療費 |
その他 |
67% | 24% | 11% | 10% | 5% | 3% | 10% |
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2019年)」を元に、Route100編集部制作
やはり、住宅購入資金が主な目的になっていますが、それ以外の目的での借入も比較的多くあることが分かります。
耐久消費財とは、自動車や家電・家具など長期間にわたって使用するものです。
車を購入する際にローンを組む人も多いと思いいますので、実感値に近いとも考えられます。
また、日常の生活費・投資資金として借り入れを行っている人も一部いるようですが、特に投資資金は余裕資金で行うことが望ましいため、利用目的として適切とは言えません。
次に、年代別の利用目的を見てみます。
年代 | 住宅購入 資金 |
耐久消費財の購入 | 教育資金 | 日常の 生活費 |
投資資金 |
医療費 | その他 |
20代 | 55% | 35% | 5% | 15% | 0% | 10% | 10% |
30代 | 78% | 21% | 5% | 7% | 3% | 2% | 3% |
40代 | 78% | 20% | 7% | 7% | 3% | 1% | 6% |
50代 | 67% | 26% | 22% | 10% | 6% | 3% | 8% |
60代 | 54% | 33% | 12% | 14% | 5% | 3% | 11% |
70代 | 45% | 21% | 3% | 19% | 11% | 9% | 23% |
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2019年)」を元に、Route100編集部制作
年代別に見ると、次のような特徴があります。
- 30代・40代は、住宅購入費用を目的にした借入が多く80%近くに上る
- 耐久消費財(車など)を目的にした借入は全年代を通して、比較的多い
- 教育資金を目的にした借入は50代でピークになる
- 50代以降になると日常の生活費を目的にした借入が増える
- 70代は日常の生活費に加え、投資資金・医療費・その他など様々な目的で借入を行っている
特に気になるポイントは、年代が上がるにつれて日常生活費を含め、借入を行う目的が多岐に広がっていることです。
お金の借り入れは、当然返す見込みがあるからこそ行うことができます。
そのため、20代・30代は長く働いて給与を得られる見込みがあるため、住宅ローンを借りやすいと言えます。
一方で、老後の生活資金や医療費は、住宅などの資産を担保にするなどがない限り基本的に借りることができません。
そのため、若いうちからなるべく老後に必要となるお金を準備する必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
住宅資金を目的に借入を行う人が多いことは、想像通りだったと思います。
一方で、高齢になったときに、世帯の割合としては少ないものも、日常生活費を含め様々な目的で借入を行っていることは少し驚きでもあります。
そのような状態にならないために、なるべく早い段階で資産形成を行っていく必要があります。
「資産形成を始めたいけど、何をしたらいいか分からない」、「定年までそれほど時間はないけど老後資金の相談がしたい」といった方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか?
相談料は無料ですので、実際に投資・資産運用を行うかどうかはアドバイスを聞いた上で判断しても良いと思います。
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※この記事は、一般的な社会環境を説明することを目的としています。
※投資信託の活用を含め、投資の実行を推奨するものではありません。
※実際の投資にはリスクを伴い、思わぬ損害を被る場合もあります。個別商品のリスクや手数料については、ご自身でご確認ください。