2019年に老後資金2,000万円問題が、メディアなどで頻繁に取り上げられました。
この2,000万円は、高齢夫婦のみの無職世帯の収支実態をもとに推計した数値です。
一方で、日本は生涯未婚率も高くなってきているため、単身世帯がどのような状態になっているか気になる方もいるかと思います。
この記事では、単身世帯の収支の状況を見ていきます。
※この記事で使用している数字は総務省が行っている「2019年全国家計構造調査」で発表されたものです
※調査は単身世帯を軸にしているため、離婚した人や配偶者を亡くした人も含まれます(つまり生涯単身者に限定した情報ではありません)
1. 単身男性の収支
まず、65歳以上で無職単身男性の収支を見ていきます。
男性の月間収支は次のようになっており、家計は黒字になっています。
収入 | 163,492円 |
支出 | 162,603円 |
収支 | +889円 |
また、収入の内訳は年金が約15万円と92%を占めています。
大学を卒業した人の初任給は平均22万6,000円です。(厚生労働省「令和2年度 賃金構造基本統計調査」)
定年した高齢者の収入は、大学を卒業したばかりの人に比べて6万円以上も少ない状況です。
この事実だけでも、年金だけでは老後の生活にゆとりが持てないことは想像ができます。
そして、具体的な支出の内訳は、次のようになっています。
支出 | 割合 | 金額 |
食費(外食費含む) | 28% | 40,569 |
娯楽費用 | 14% | 19,496 |
交通・通信費 | 12% | 17,489 |
住居費用 | 9% | 13,045 |
水道・光熱費 | 8% | 11,755 |
医療費 | 7% | 9,605 |
交際費 | 6% | 9,031 |
家事用品 | 3% | 4,587 |
服や靴 | 2% | 2,437 |
その他 | 11% | 15,339 |
非消費支出(税金など) | 19,249 | |
合計 | 162,603 |
総務省「2019年全国家計構造調査」を元に、Route100編集部制作
娯楽費用などには一定の金額を使っていますが、服や靴などにはほとんど費用を使っていないことが分かります。
これは、男性に限ったことではありませんが、65歳時点では寿命までに平均でも15年以上の期間があります。
そのため、老後の生活を楽しむためには、自分が望む生活を考えた上で、現役時代から計画的に資産を作っておくことが重要です。
次に、単身女性の収支を見ていきます。
2. 単身女性の収支
女性の月間収支は次のようになっています。
収入 | 141,646円 |
支出 | 149,146円 |
収支 | ▲7,500円 |
女性の月間修正は赤字になっています。
そのため、貯金などの金融資産を取り崩しながら生活をしていることになります。
同じように、女性の支出を見ると次のようになっています。
支出 | 割合 | 金額 |
食費(外食費含む) | 25% | 40,073 |
娯楽費用 | 12% | 16,451 |
交通・通信費 | 8% | 11,811 |
住居費用 | 12% | 16,310 |
水道・光熱費 | 9% | 12,233 |
医療費 | 6% | 8,577 |
交際費 | 7% | 10,124 |
家事用品 | 4% | 5,343 |
服や靴 | 4% | 5,343 |
その他 | 10% | 14,342 |
非消費支出(税金など) | 8,538 | |
合計 | 149,146 |
総務省「2019年全国家計構造調査」を元に、Route100編集部制作
赤字になっているとはいえ、年間9万円ほどの金額であるため、そこまで大きな蓄えがなくても生活自体に大きく困ることはないと考えられます。
ただし、女性は男性に比べて寿命が約6歳長く、約87歳になっています。
そして、女性は医療や介護が必要となる期間が、平均でも12年以上あることが分かっています。
そのため、若いうちからお金だけではなく、健康面のケアも重視する必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
思っていたよりも、年金だけで老後の生活を行うのは厳しいと感じた人もいるかもしれません。
本文でもお伝えしている通り、老後の生活を楽しむためには、早めに資産の準備を行うことが大切です。
「老後資金の準備を始めたい」「資産運用を行いたいけど、何から始めたら良いか分からない」「老後資金がいくら必要か相談したい」といった方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか?
相談料は無料ですので、実際に投資・資産運用を行うかどうかはアドバイスを聞いた上で判断しても良いと思います。
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※この記事は、一般的な社会状況を説明することを目的としています。
※投資の実行を推奨するものではありません。
※実際の投資にはリスクを伴い、思わぬ損害を被る場合もあります。個別商品のリスクや手数料については、ご自身でご確認ください。