【30代〜50代の住宅ローン保有者向け】3ステップのバランスシートで家計を把握!

家計の純資産額がいくらか、把握しているでしょうか?

会社の財務状況を把握する会計資料の1つに、バランスシート(貸借対照表)があります。

バランスシートは、資産と負債を整理して純粋な資産がいくらあるかを把握するもので、そのまま家計にも使うことができます。

負債がまったくない人は、持っている資産がそのまま純資産になるのでバランスシートを使う意味はほとんどありません。

一方で、住宅ローンや車のローンを持っている人は、定期的にバランシートを更新して家計の状況を把握し、問題がある場合は借入や資産運用の見直しを行うことをおすすめします。

この記事では、バランシートの考え方について見ていきます。

1. 負債(借入)の状況

まず、年代別に借入金の有無と負債の残高を見ると、次のようになっています。

年代
借入金のある
世帯の割合
借入金残高
(万円)
住宅ローン残高
(万円)
20代 42% 1,567 1,600
30代 56% 2,349 2,284
40代 65% 1,690 1,638
50代 54% 1,210 1,070
60代 34% 1,492 920
70代 15% 1,396 816

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2019年)」を元に、Route100編集部制作

30代から50代にかけては、全体の50%以上が借入を行なっており、そのほとんどが住宅ローンであることが分かります。

家とローンのバランス 平均の借入金額と利用目的は?老後の生活資金を早めに準備

住居の状況を見てみると、30代で購入していることが多いことが分かります。

年代
持ち家の割合
(自身で購入)
持ち家の割合
(相続など)
同居・賃貸など
20代 4% 4% 92%
30代 50% 4% 45%
40代 65% 5% 30%
50代 64% 11% 25%
60代 61% 22% 15%
70代 66% 21% 10%

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2019年)」を元に、Route100編集部制作

平均の初婚年齢は男性が31.1歳、女性が29.4歳ですので、結婚や子供の誕生などをきっかけに住宅の購入する人が多いと考えられます。(厚生労働省「人口動態調査」より)

また、住宅の購入は40代までがほとんどであり、50代以降は親などからの相続・贈与によって持ち家に移行する人も増えてきます。

最終的に、持ち家以外を住居とする人は全体の1-2割まで減ります。

20代の借入金の状況と持ち家比率に乖離が見られますが、30代から50代にかけては大体6割ほどの人が家を購入し、それと同時に借入を行なっていると考えられます。

そのため、主にバランスシートで資産の状況を管理するべき人は、30代から50代で住宅ローンがある人だと言えます。

ただし、この条件に当てはまらない人でも、借入がある人はぜひバランスシートを使って純資産額を把握してみましょう。

次に、具体的にバランスシートの作り方を見ていきます。

2. 家計のバランスシートの作り方

冒頭でも触れましたが、バランスシートとは貸借対照表のことで、企業の財務状況を把握するための会計資料として使われています。

例えば、上場している企業に提出が義務付けられている有価証券報告書には、バランスシートが必ず記載されています。

企業の財務状況を把握するには、バランスシートの他に損益計算書(PL)やキャッシュフロー計算書があり、このような情報や事業状況を総合して財務の健全性を確認します。

一方で、家計の財務状況は家計が赤字でない限り、バランスシートがあれば概ね把握することができます

仮に家計が赤字である場合は、損益計算書の家庭版とも言える家計簿などを元に、黒字になるように支出を抑えるなどの対策を行う必要があります。

では、実際に家計のバランスシートをどのように作るかを見ていきます。

先ほどもお伝えした通り、バランスシートが必要となるのは基本的に負債・借入があるケースです。

そのため、ここでも住宅ローンや車のローンがあるケースを考えてみます。

資産 負債
流動資産
 現預金   300
 有価証券  
  国債     50
  株式   100
  投資信託 200
固定資産
 自宅    2,300
 自動車     50
総資産額  3,000
住宅ローン 2,500
車のローン  100
教育ローン    50

総負債額  2,650
純資産
(資産の合計 - 負債の合計)
純資産額     350

企業の場合は、会計法に則って正しく仕訳を行う必要がありますが、家計のバランスシートは自分で把握することが目的ですので、難しく考える必要はありません。

家計のバランスシートは、3つのステップで作ることができます。

家計のバランスシートの作り方

  1. 自分が保有している資産を洗い出し、表の左側に記入する
    ※ただし、この際に金額は購入価額ではなく必ず時価で記入する
  2. 自分が保有している負債を洗い出し、表の右上に記入する
  3. 右下の純資産額を計算する(1. 資産額の合計 - 2. 負債額の合計)

流動資産は、証券会社のインターネット口座などで、簡単に時価を確認することができます。

一方で、固定資産の時価を把握することは、少し難しいかもしれませんが、今は簡単に査定ができるWebサービスなどもあるため、大まかで良いので確認してみることをおすすめします。

そして、バランスシートができたら、確認するポイントは3つです。

家計のバランスシートの確認ポイント

  1. 純資産額がプラスになっているか
  2. 純資産額が1年前より増えているか
  3. 総資産額に対する純資産額の割合が、20%以上になっているか

まず、1つ目の通り純資産額がプラスであることが最も重要です。

純資産額がマイナスということは、保有している資産をすべて売却したとしても借金が残ることを意味しています。

そのため、純資産額がマイナスの場合は早急に家計の見直しを行い、まずプラスにする必要があります。

2つ目は、純資産額が1年前より増えている、つまり貯蓄や投資によって資産が増えているかのチェックです。

私たちは、将来に向けて年金や資産運用によって老後資金を作る必要があります。

そのため、必要となる老後資金額の目標を作り、その目標に向けて毎年純資産額が増えているかチェックすることが望ましいと言えます。

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最後の3つ目は、総資産額に対して純資産額の割合が20%を超えていることです。

この20%という数字はあくまで目安で、この割合が高いことに越したことはありません。

仮に借入がまったくない場合は、この数字が100%となり、これが借入がない場合はバランスシートの作成が必要ないと言った理由です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

貸借対照表と言われると、なんだか難しく感じてしまうかもしれませんが、バランスシートを作ることは意外と簡単です。

また、バランスシートは1年に1回でも良いので、定期定期に更新していくことが望ましいと言えます。

純資産額が増えていけば楽しくなると思いますし、ローンの組み直しなど定期的に家計の改善を考えるきっかけにもなります。

もし「家計を見直したいけど、どこを改善すれば良いか分からない」「資産は多少あるけど、純資産額が増えない」「資産を増やすためのアドバイスが欲しい」といった方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか?

相談料は無料ですので、投資・資産運用を行うかどうかはアドバイスを聞いた上で判断しても良いと思います。

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※この記事は、一般的な社会環境や家計の考え方を説明することを目的としています。
※投資の活用を含め、投資の実行を推奨するものではありません。
※実際の投資にはリスクを伴い、思わぬ損害を被る場合もあります。個別商品のリスクや手数料については、ご自身でご確認ください。


 

※本ページに記載されている内容は2021年6月23日時点のものです
※記載内容に誤りがある場合、ご意見がある方はこちらからお問い合わせください

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