NISA口座で資産運用をする人のうち、投資を経験したことがない人の割合が増えています。
NISAは少額投資非課税制度のことで、一定の条件の中で投資で得られた利益に税金が掛からない制度です。
NISAには、一般NISAとつみたてNISAの2つがあります。
この2つの口座数を合わせると、1,041万件になっています。(2020年9月末時点)
投資未経験者の利用が増えていることから、これまで資産運用をしていなかった人にも徐々に浸透してきていると考えられます。
NISAは多くの人にとってメリットがある制度ですので、まだ利用していない人はぜひ知っておきましょう。
1. 一般NISA・つみたてNISAともに、投資未経験者の割合が増加
20歳以上の人が利用できるNISAには、「一般NISA」と「つみたてNISA」があります。
未成年者向けにはジュニアNISAがありますが、利用者が少ないことから2023年に廃止される予定です。
一般NISA・つみたてNISAともに、投資未経験者へ広がっていると考えられ、特につみたてNISAは投資未経験者の割合が多い構成になっています。
日本証券業協会「NISA及びジュニアNISA口座開設・利用状況調査結果について(2020年9月30日時点)」より
一般NISAは2014年にスタートした制度で、開始当初は投資経験者の利用が多く、投資未経験者の割合は15.6%でした。
それが、2020年9月末時点では、42.2%の割合まで増加しています。
また、つみたてNISAは2018年にスタートした制度で、こちらは開始から投資未経験者の割合が多く、59.0%を占めていました。
そこから、さらに投資未経験者割合が増え、2020年9月末時点では78.9%となっています。
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※投資未経験者の数字に関する注意点
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日本証券業協会のデータでは、投資未経験者を次のように定義されています。
一般NISAの「投資未経験者」は、報告のあった証券会社において2013年4月1日以降に証券総合口座を開設した者をさす
つみたてNISAの「投資未経験者」は、報告のあった証券会社において2017年10月1日以降に証券総合口座を開設した者をさす
この定義では、例えば証券会社Aに口座を持って投資をしていた人が、証券会社Bで一般NISA、またはつみたてNISAの口座を開設した場合も、投資未経験者としてカウントされてしまいます。
そのため、投資未経験者の割合は正確な数字と言うより、「全体的な傾向として投資未経験者が増えている」程度に捉えるのが良いと思います。
2. つみたてNISAは、より投資初心者に向いた制度
では、一般NISAとつみたてNISAは何が違うでしょうか?
一般NISA・つみたてNISAは、どちらも一定の額までの投資で得られた利益に税金が掛からない制度です。
制度の大きな違いは「非課税になる期間」と「年間の投資上限額」、そして「投資対象となる金融商品」の3つです。
金融庁「NISA特設ウェブサイト」を元にRoute100編集部制作
つみたてNISAは、少額から長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度になっています。
データがないため、正確なことは分かりませんが、以下の点がつみたてNISAの投資未経験者割合が多い理由だと考えられます。
- 投資上限額が少ないため、始める際の心理的ハードルが低い(実際には最低金額の定めはないため、どちらも少額から始められます)
- 長期・積立・分散投資に向いた商品に限定されているため、安心感がある
- 単純に、一般NISAの加入が遅れた人たちの参入が多い(一般NISAとつみたてNISAは、口座を作れるのはどちらか1つです)
いずれにしても、一般NISA・つみたてNISAともに税金の優遇がある制度です。
まだ投資を初めていない方、投資はしているけれどNISA制度を利用していない方は、活用を考えてみてください。
また、NISAについての詳細を知りたい方は、こちらの記事も合わせてどうぞ。
まとめ
この記事では以下のことを紹介してきました。
- 一般NISA・つみたてNISAともに投資未経験者の割合が増えている
- 特に、つみたてNISAは投資み経験者の割合が78.9%と多い
- つみたてNISAは、より長期・積立・分散投資に向いている制度
また、NISAは税制優遇のメリットがある制度ですが、通常の投資と同じで「どの金融商品を購入するか」「何年間運用するか」などを検討する必要があります。
そのため、どのように投資・資産形成を行なったら良いか分からない場合は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。