証券投資はお金持ちがやるものでしょうか?
そんなことはありません。
老後資金2,000万円問題が話題になったように、多くの人は老後資金を作る必要があります。
むしろ、年収が高くない、あるいは金融資産が少ない人こそ、投資によって資産形成を行うことを考える必要があります。
実際、投資をしている人の年収や保有している金融資産額を見ると、年収や金融資産が少なくても投資を行なっている人は一定数います。
この記事では、証券投資を行なっている人の年収や金融資産額を見ていきます。
1. 証券投資実施者の年収
証券投資を実施している人の年収帯を、年代別に見てみます。
日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査について(2020年)」を元に、Route100編集部作成
このデータからは、主に次のことが分かります。
証券投資を行なっている人の傾向(年収)
- 全体的に投資を実施している人は年収が高い人が多い
- 20-30代では比較的年収が高い人が投資を行っている
→ 金融リテラシーが高い人ほど投資を行う傾向にあるので、意識が高い? - 年収300万円未満の層も、一定数の人が投資を行っている
→ 投資はお金がある人がやるものではなく、誰にとっても必要なものであること理解している人が一定数いる - 年代が上がるにつれて、年収が低い人の投資実施者割合が増える
→ 年収が低い人が老後に向けて、投資を始める人が増える傾向にある?
投資を実施していない人も含む、全体の年代別平均年収は次のようになっています。
国税庁「民間給与実態統計調査(令和元年分)」を元に、Route100編集部作成
例えば、25〜39歳の平均年収は400万円前後だと考えられます。
さらに、平均値は一部の高所得者によって引き上げられる傾向があるため、中央値(より実態に近い年収)はより低くなると考えられます。
一方で、証券投資実施者を見ると、年収500万円以上の人が39%を占めます。
このことから、証券投資を行なっている人は、比較的年収が高い人が多いと推測されます。
また、その他の傾向からは次のことが考察されます。
20-30代では比較的年収が高い人が投資を行っている
金融リテラシーが高い人ほど投資を行っている傾向が高いため、投資や資産形成に対する意識が高いと考えられる。
年収300万円未満の層も、一定数の人が投資を行っている
先ほど、年収が高い人が投資を行なっている傾向が強いと言いましたが、一方で年収が低い層でも投資を行なっている人がいることが分かります。
投資・資産形成の必要性を感じて、投資を行なっている人がある程度いると考えられます。
年代が上がるにつれて、年収が低い人の投資実施者割合が増える
こちらも考察ではありますが、年齢が上がっていくにつれて、年収が低い人が老後資金を確保するために、投資を始める人が増える傾向にあると考えられます。
また、平均貯金額については、こちらの記事で詳しく解説しています。
2. 証券投資実施者の保有金融資産額
次に、証券投資を行なっている人の金融資産保有額を見てみます。
日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査について(2020年)」を元に、Route100編集部作成
同様に、このデータから分かることは次のことです。
証券投資を行なっている人の傾向(金融資産額)
- 年代が上がるにつれて、保有資産額が増える
- 50代以降では、保有資産1,000万円以上の人が50%を超える
→ 老後資金2,000万円を目安に貯蓄をしていることが考えられる - 金融資産総額が100万円未満でも、投資を行う人たちが一定数いる
→ 投資は少額からでも始められる。その行動を取ってる人がいると考えられる。
年代が上がるほど貯蓄・投資を行うことができる期間も伸びるため、金融資産額が増えることは当然と言えるかもしれません。
一方、以下のことも考察されます。
50代以降では、保有資産1,000万円以上の人が50%を超える
年代が上がるほど老後の生活への意識が高くなり、貯蓄や投資を行う人が増えると考えられます。
金融資産総額が100万円未満でも、投資を行う人たちが一定数いる
投資は少額からでも始められるため、実際に投資・資産形成を行なっている人がいると考えられます。
また、老後資金の必要性はこちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
この記事では、証券投資を行なっている人の年収と金融資産の傾向から、年代別の投資・資産形成の行動を見てきました。
人生100年時代を向かえる今、老後資金の形成は多くの人にとって必要不可欠だと言えます。
そして、金融庁が「貯蓄から投資へ」をスローガンに制度設計を行なっていることからも、資産形成の手段として投資が考えられます。
実際に、「投資・資産形成を行いたい」「老後のための備えを始めたい」「いくら必要か、何をするべきか知りたい」といった方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。
相談料は無料です。
実際に投資を行うかどうかは、アドバイスを聞いてから考えてみても良いと思います。