NISA口座は1人・1口座のみ作成することができます。
そのため、どこに口座を開設するかは運用にも関わってきます。
そこで参考になるのが、個人投資家が証券会社に口座を開設しているケースが多いというアンケート結果です。
この記事では、個人投資家のNISA口座開設先と、証券会社と銀行の違いを見ていきます。
1. 個人投資家のNISA開設状況
まずは、個人投資家の一般NISA・つみたてNISAの口座を開設している人の割合を見ていきます。
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※アンケートの見方に対する注意点
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アンケートの対象者・アンケート方法は次のようになっています。
- アンケートの対象者である個人投資家の定義は、株式・投資信託・公社債のいずれかを保有している人
- アンケートはインターネットによる調査
そのため、すべての年代においてインターネットへの知識が比較的豊かであり、その結果アンケート結果に偏りがある可能性があります。
具体的には、銀行や対面証券よりもネット証券の口座が多くなる傾向などが考えられます。
まず、日本全体で開設されているNISAの口座数は2020年12月末時点で、約1,500万口座です。(金融庁「NISA口座の利用状況調査(2020年12月末時点・速報値)」より。)
20歳以上の人口は約1億500万人ですので、口座開設率は約14%です。(人口は総務省統計局「人口推計・2020年12月報」より)
一方で、個人投資家のNISA口座開設状況は次のようになっています。
NISA口座の開設状況 | 口座の種類 | 割合 |
口座を開設している | NISA | 57.5% |
つみたてNISA | 15.3% | |
小計 | 72.8% | |
口座を開設する予定 | NISA | 8.2% |
つみたてNISA | 14.3% | |
小計 | 22.5% | |
合計 | 95.3% |
日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査について」を元に、Route100編集部作成
全体のNISA口座開設率14%に対し、個人投資家の開設率は約73%と非常に高いと言えます。
個人投資家がNISA口座にメリットを感じていることが、明確に数字に現れています。
NISAは、投資で得られた利益が非課税になる制度です。
通常は、売買益や分配金に対して約20%の税金が課せられるため、投資を行う人の多くが活用するべき制度だと言えます。
NISAについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
次に、口座開設数の多い個人投資家が、どこに口座を開設しているかを見てみます。
2. NISA口座の開設先
個人投資家のNISA口座開設先は、次のようになっています。
NISA口座の開設先 | 開設済み | 開設予定 | 合計 |
証券会社 | 70.3% | 6.4% | 76.7% |
銀行・信用金庫・信用組合など | 16.7% | 1.6% | 18.3% |
郵便局 | 1.3% | 0.2% | 1.5% |
決めていない | - | 3.7% | 3.7% |
日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査について」を元に、Route100編集部作成
4人に3人以上が、証券会社に口座を開設している、または開設する予定と答えています。
また、証券会社以外でも銀行などが多くを占めており、郵便局での開設は極一部です。
この結果は年代によって多少の違いは見られますが、全年代を通してほとんど同じ傾向となっています。
では、口座開設数の多い証券会社と銀行にはどのような違いがあるでしょうか。
3. 証券会社と銀行のNISA口座の違い
証券会社と銀行のNISA口座の大きな違いは、投資可能な商品の種類と数です。
例えば、証券会社の口座では株式投資を行うことができますが、銀行の口座では株式投資は行えません。
それぞれの口座で取り扱うことのできる商品は、大きく次のとおりです。
金融商品 | 銀行・郵便局 | 証券会社 |
投資信託 | ◯ | ◯ |
上場株式 | × | ◯ |
ETF:上場投資信託 | × | ◯ |
REIT:不動産の投資信託 | × | ◯ |
また、取り扱っている投資信託の商品数も、以下のような違いがあります。
- 証券会社:数百本〜数千本(ネット証券口座数最大のSBI証券:2,649本)
- 対面証券:数十本〜数百本(対面証券口座数2位の大和証券:539本)
- 銀行:数十本〜数百本(銀行業の時価総額最大の三菱UFJ銀行:498本)
いずれの業種においても、地方銀行など規模が小さくなるほど、取り扱っている投資信託の商品数は減少にあります。
取り扱っている商品が多くなることで、自分に合った商品を選択することができる可能性が高くなります。
選択肢が多くて選べないという方もいるかもしれませんが、最近はアドバイス型のロボアドバイザーのサービスを無料提供している証券会社も増えてきています。
そのため、投資信託の取り扱い数も含め、株式投資やETF・REITを使って資産運用を行いたい人は、証券会社への口座開設を検討することをおすすめします。
また、既に銀行にNISA口座を開いている方も、年に1度金融機関を変更することができるため、必要に応じて変更を考えてみてください。
また、ETFは投資信託の1つですが、一般的な投資信託よりも信託報酬の手数料が低い傾向にあります。
ETFについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
この記事では、個人投資家のNISA口座開設率が高いこと、証券口座の利用数が多いことを見てきました。
ただ、実際には多くの金融機関がり、商品にも多くの種類があります。
そのため、以下のような方も多いと思います。
- どの証券会社にNISA口座を作るべきか?
- NISA口座を開設しているが、どの金融商品で運用するべきか分からない
- 運用している金融商品を見直したい
そういった方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。
相談料は無料ですので、実際にNISA口座を利用した投資を行うかどうか、運用資産の見直しを行うかどうかは、アドバイスを聞いた上で判断してみるのが良いと思います。
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※この記事は、一般的なNISAの利用状況を説明することを目的としています。
※NISAの活用を含め、投資の実行を推奨するものではありません。
※実際の投資にはリスクを伴い、思わぬ損害を被る場合もあります。個別商品のリスクや手数料については、ご自身でご確認ください。