投資信託を使って資産運用を行っている人は多いと思います。
しかし、投資信託の仕組みや商品特性については、意外と知らない人も多いことがアンケート結果から分かっています。
これから、投資信託を購入する人はもちろん、すでに投資信託を保有している人も復習がてら参考にしてみてください。
この記事では、投資信託の特徴と、どの程度認識しているかを見ていきます。
1. 投資信託の特徴と認識率
投資信託協会は、投資信託の特徴について知っていることをアンケートによって調査しています。
その結果を見ると、次のようになっています。
投資信託の特徴で知っていること |
認識率 |
元本の保証はない | 50% |
リスクとリターンは表裏一体 | 41% |
海外への投資には為替リスクがある | 35% |
銀行などでも購入できる | 31% |
過去の実績は将来のリターンを保証するものではない | 31% |
国内籍と外国籍の投資信託がある | 25% |
投資信託は、運用会社が運用している | 24% |
NISAやiDeCoで購入できる | 24% |
購入手数料以外に、運用管理費がかかる | 21% |
投資信託の評価を行う会社がある | 12% |
基準価額は新聞や投資信託協会のホームページで確認することができる | 11% |
MRFは投資信託である | 11% |
投資家の資産は分別管理される | 9% |
すべて知らない | 34% |
投資信託協会「投資信託に関するアンケート調査報告書(2020年)」を元に、Route100編集部制作
少し難しい内容や、知らなくても投資を行う上でそれほど影響のないこともあります。
一方で、投資信託を行う上で必ず知っておくべき内容も多く含まれています。
投資は自己責任ですので、投資信託に限らず購入をするときには、その仕組みや商品の特徴を知る必要があります。
設問にもいくつか含まれていますが、投資信託は次のような仕組みになっています。
投資信託は、大きく3つの会社によって運営されています。
直接的に私たちが取引を行うのは、銀行や証券会社などの販売会社です。
一方で、実際の資産運用は販売会社ではなく、信託銀行によって行われます。
また、信託銀行が勝手な運用をしないように、運用の指示は委託会社から行われます。
このように、3社に役割が分担されていることによって、投資信託は目論見書に記載されている投資方針に従って運用が行われます。
また、証券会社が倒産したら投資したお金がなくなるのでは?と思っている人もいるかもしれませんが、そのようなことはありません。
投資家のお金は分別管理と言って、証券会社のお金とは完全に分けて管理されます。
そのため、証券会社が倒産したとしても投資家のお金は守られます。
より詳細に、投資信託のことを知りたい人は、こちらの記事も合わせてどうぞ。
次に、実際に投資をしている人は、これらの知識を保有しているのか見てみます。
2. 投資信託保有者の認識率
同じアンケートで、実際に投資信託を保有している人と、投資を行ったことがない人の認識率も分かっています。
投資信託の特徴で知っていること |
保有者 | 投資未経験者 |
元本の保証はない | 73% | 34% |
リスクとリターンは表裏一体 | 65% | 27% |
海外への投資には為替リスクがある | 61% | 19% |
銀行などでも購入できる | 55% | 17% |
国内籍と外国籍の投資信託がある | 57% | 15% |
過去の実績は将来のリターンを保証するものではない | 50% | 10% |
投資信託は、運用会社が運用している | 51% | 11% |
NISAやiDeCoで購入できる | 48% | 13% |
購入手数料以外に、運用管理費がかかる | 47% | 8% |
投資信託の評価を行う会社がある | 28% | 4% |
基準価額は新聞や投資信託協会のホームページで確認することができる | 27% | 3% |
MRFは投資信託である | 25% | 3% |
投資家の資産は分別管理される | 22% | 3% |
すべて知らない | 6% | 52% |
投資信託協会「投資信託に関するアンケート調査報告書(2020年)」を元に、Route100編集部制作
実際に投資信託を保有している人と、そうでない人で認識率に差があることは当然です。
たしかに、投資信託を保有している人は、ある程度知識があると言えます。
ただし、本来であれば100%知っておくべき項目もいくつかあります。
3. 投資信託を購入する際に注意すべきこと
投資信託を購入する際に、注意するべき点はいくつかありますが、必ず認識するべきことは次の2つです。
- 投資信託は元本保証がなく、リスクがある
- 投資信託を保有している期間、手数料がかかる
投資信託は、株式投資などに比べると比較的リスクが抑えられた金融商品だと言えます。
しかし、投資であることに変わりはありません。
そのため、まず次の元本保証・リスクについて認識せずに投資を行っている人の割合は多いと言えます。
- 元本の保証はない(24%の人が認識していない)
- リスクとリターンは表裏一体(35%の人が認識していない)
- 過去の実績は将来のリターンを保証するものではない(50%の人が認識していない)
これは、投資信託に限らず、株式投資でも言えることです。
過去10年間株価が伸び続けている企業だったとしても、今後も伸び続ける保証はありません。
元本保証のある金融商品は、銀行預金や債券など一部に限られています。
一方で、元本保証のある金融商品は資産運用には向かないため、注意が必要です。
また、投資信託は、株式投資と違って、保有している期間にずっと手数料がかかり続けます。
これを信託報酬と言いますが、信託報酬を考えた上で投資信託商品を選択する必要があります。
- 購入手数料以外に、運用管理費がかかる(53%の人は知らずに投資信託を保有している)
信託報酬を低く運営するのためには、ETFに投資をするという選択肢もあります。
投資信託への投資を行う場合は、商品特性を理解した上で行うようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
アンケート結果からは、投資信託を保有している人でも、意外と投資信託の仕組みや特徴を知らないことがわかりました。
また、日本で販売されている投資信託は、2021年6月12日時点で5,800を超える商品があります。
そのため、投資信託の商品特性を知っていたとしても、実際に投資信託を選ぶことは容易ではありません。
「投資信託を基本から教えて欲しい」「おすすめの投資信託を知りたい」「今持っている投資信託をこのまま保有するのが良いか?」といった方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか?
相談料は無料ですので、実際に投資・資産運用を行うかどうかはアドバイスを聞いた上で判断しても良いと思います。
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※この記事は、一般的な投資信託の特性を説明することを目的としています。
※投資信託の活用を含め、投資の実行を推奨するものではありません。
※実際の投資にはリスクを伴い、思わぬ損害を被る場合もあります。個別商品のリスクや手数料については、ご自身でご確認ください。