投資信託は、多くの人からお金を集めて、まとまった資金をファンドが運営する金融商品です。
一般的には、株式投資などより少額で始めることができ、かつリスクを抑えた資産運用ができます。
一方で、預貯金や債券に比べると利回りが高いケースが多いため、特に投資初心者が利用しやすい金融商品になっています。
では、実際に投資信託を行っている人は、どのような点にメリットを感じているのでしょうか?
この記事では、投資信託を保有している人・過去に保有していた人のアンケート結果を見ていきます。
1. 投資信託のメリット
投資信託協会では、現在投資信託を保有している人、過去に保有していたことがある人にアンケートを行っています。
このアンケートによると、投資信託を保有するメリットは、多い順に次のようになっています。
投資信託に魅力を感じる点 |
保有率 |
少額でも分散投資ができる | 24.3% |
専門知識や時間がなくても投資ができる | 12.9% |
比較的高い利回りが期待できる | 9.4% |
積立投資ができる | 8.4% |
定期的に分配金が受け取れる | 7.4% |
少額でも投資の面白味がある | 5.9% |
種類が豊富で目的応じたものが選べる | 3.7% |
分配金が自動的に再投資される商品がある | 2.7% |
手数料が比較的低い | 2.6% |
購入手続きが簡単である | 2.3% |
外国への投資が手軽にできる | 1.9% |
購入後の運用に関する情報が多い | 0.9% |
その他 | 0.2% |
分からない・特にない | 17.6% |
投資信託協会「投資信託に関するアンケート調査報告書(2020年)」を元に、Route100編集部制作
投資を行っていない人が考える、投資を行わない理由には次のようなものがあります。
日本証券業協会「証券投資に関する全国調査(平成平成30年度)」を元に、Route100編集部制作
投資を行わない理由には、大きく「投資の知識がなくて踏み込めない」「損失を回避したい」行動があると思われます。
そして、投資信託には、その投資を行わない理由をカバーする性質があるため、その点をメリットに感じている人が多いと考えられます。
1)投資信託の仕組み
投資信託は、多くの人から集めた資金をもとに、ファンド・マネージャーが投資を行う仕組みになっています。
例えば、株式投資を行う場合、多くの会社に投資を行うにはまとまった資金が必要になります。
一方で、投資信託は一般的に1万円から投資を行うことができます。
個人が投資する金額は少なくても、投資信託全体では大きな資金、分散投資を行うことができるため、結果的に少額でも分散投資の効果を受けることができます。
また、例えば個別に株式投資を行う場合、日本経済の状況や企業の財務状況などの調査を行うなどした上で、自分でタイミングを判断して実際に売買を行う必要があります。
一方で、投資信託の場合は、そういった銘柄の選定や売買はファンド・マネージャーが行ってくれます。
投資信託には、海外の不動産や株式などを投資対象としている商品もあるため、興味があるけど個人での取引は難しい商品にも投資を行いやすい特徴があります。
ただし、投資信託は元本保証はなく、商品によってはリスクの高いものもあります。
投資信託であっても、商品を理解し選択することはとても重要です。
次に、投資信託の年代によるメリットの違いを見ていきます。
2. 30代と70代で異なる投資信託のメリット
同じアンケートで、投資信託に感じるメリットが、年代別に発表されています。
30代と70代のアンケート結果を見ると、主に次のような違いが見られます。
分類 | 投資信託に魅力を感じる点 | 30代 | 70代 |
若い世代が魅力に感じるポイント | 少額でも分散投資ができる | 33.1% | 14.7% |
積立投資ができる | 12.4% | 4.7% | |
同様に魅力を感じるポイント | 専門知識や時間がなくても投資ができる | 13.7% | 12.3% |
高齢世代が魅力に感じるポイント | 比較的高い利回りが期待できる | 6.3% | 10.7% |
定期的に分配金が受け取れる | 2.7% | 14.1% | |
その他 | 分からない・特にない | 10.7% | 25.8% |
投資信託協会「投資信託に関するアンケート調査報告書(2020年)」を元に、Route100編集部制作
両方の年代で共通していることは、「専門知識や時間がなくても投資ができる」点です。
投資信託の仕組みの通り、投資信託はある程度運用を任せることができるため、この点は世代を問わず感じるメリットだと考えられます。
一方で、年代による大きな違いもあります。
1)30代が考える投資信託のメリット
30代は、少額で分散投資ができることと、積立投資ができることにメリットを感じていることが大きな特徴です。
一方で、70代と比較すると分配金は重視していないことが分かります。
30代は、老後までにある程度の時間があるため、目先の利益ではなく長期にわたって資産を築いていくことを目的にしている人が多いと考えられます。
2)70代が考える投資信託のメリット
70代では、利回りの高さや分配金を重視していることが分かります。
70代になると、資産を増やすことよりも、資産を活用することになってくるため、意識の違いがあると考えられます。
また、なんとなく投資信託を保有している人が多いことも特徴だと言えます。
ただし、先ほどもお伝えした通り、投資信託はあくまで金融商品であるため、商品の特徴を理解した上で投資を行う必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
少額でも分散投資ができることや、金融に関する知識がなくても投資ができることにメリットを感じている人が多い、年代による考え方の違いも見てきました。
ぜひ、ご自身の投資目的や状況に合わせて、投資商品を考えてみてください。
また、2021年6月14日時点で日本で販売されている投資信託は5,800を超えます。
そのため、投資信託を選ぶこと自体が難しいと考える人もいるかもしれません。
実際に「投資信託を始めたい」「どの投資信託が良いか知りたい」「資産運用の相談がしたい」といった方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか?
相談料は無料ですので、実際に投資・資産運用を行うかどうかはアドバイスを聞いた上で判断しても良いと思います。
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※この記事は、一般的な投資信託の特性を説明することを目的としています。
※投資信託の活用を含め、投資の実行を推奨するものではありません。
※実際の投資にはリスクを伴い、思わぬ損害を被る場合もあります。個別商品のリスクや手数料については、ご自身でご確認ください。