NISA口座数の増加に伴い、累計買い付け額も着実に増えています。
2020年9月末時点で、累計買い付け額は14兆円を超えました。
なかなか「貯蓄から投資へ」が進まなかった日本でも、ようやく資産形成・資産運用が広まりつつあるのかもしれません。
NISAは多くの人にとってメリットがある制度ですので、まだ利用していない人はぜひ学んでみましょう。
1. 一般NISAの累計買い付け額推移
NISAには「一般NISA」と、より長期積立投資に向いた「つみたてNISA」があります。
一般NISAは2014年に制度がスタートし、2020年には累計買い付け額が14兆円を超えました。
日本証券業協会「NISA及びジュニアNISA口座開設・利用状況調査結果について(2020年9月30日時点)」より
1年ごとの買い付け額の推移を見ると、毎年2兆円前後の買い付けがあることが分かります。
一方で、一般NISAの口座数は2014年の513万口座に対して、2020年9月末には1,041万口座と約2倍に増えています。
このことから、口座は増えているものの、実際に活用している人は限定的か、または投資額が少ない可能性があります。
また、一般NISAは制度開始から5年以上が経過し、2019年からはロールオーバーも活用できる状態になっています。
次の表はロールオーバーされた金額と、5年前の買い付け額を比べたものです。
年 | 5年前の買い付け額 | ロールオーバー受入額 | ロールオーバー比率 |
2019年 | 18,258 | 3,292 | 18.0% |
2020年 | 21,649 | 3,960 | 18.3% |
※金額の単位は億円
2020年は9月末時点の数字であるため、もう少し増えるかもしれませんが、概ね20%、つまり5人に1人がロールオーバーしていると考えられます。
ロールオーバーには長期投資のメリットがありますが、思ったより利用している人は少ないと言えます。
ロールオーバーの制度を知りたい方は、こちらの記事も合わせてどうぞ。
また、NISAの口座数推移はこちらの記事にまとめています。
2. つみたてNISAの累計買い付け額推移
次に、つみたてNISAの買い付け額推移についても見てみます。
つみたてNISAは2018年にスタートした制度で、3年間で3,000億円を超える買い付け額になっています。
日本証券業協会「NISA及びジュニアNISA口座開設・利用状況調査結果について(2020年9月30日時点)」より
一般NISAは、初年度2014年の買い付け額が約1.8兆円でした。
そのため、一般NISAと比べると、つみたてNISAは取引金額がかなり少ないと言えます。
これには、次の3つの理由があると考えられます。
- つみたてNISAは、一般NISAと比べて1年間の投資上限額が少ない(一般NISAの120万円に対して、つみたてNISAは40万円)
- つみたてNISAは若年層の割合が多いため、投資資金が少ない
- つみたてNISAは投資未経験者の割合が多いため、相対的に投資意欲が低い
※若年層、投資未経験者の講座が増えていることはこちらの記事で紹介しています。合わせてどうぞ。
一般NISAをやっていなかった人が多いため、同様に相対的に投資意欲が低い(一般NISAとつみたてNISAは、どちらか1つのみ利用可能であることから。ただし、条件を満たしている場合は切り替えが可能。)
また、一般NISAは運用期間が5年間であるため、既にロールオーバーが発生していますが、つみたてNISAは20年間運用が可能です。
そのため、ロールオーバーはまだ発生していません。
まとめ
この記事では以下のことを紹介してきました。
- 一般NISA・つみたてNISAともに買い付け額が増加している
- つみたてNISAの買い付け額は、一般NISAに比べて少ない
一般NISA・つみたてNISAは、どちらも税金の優遇を受けられる制度です。
まだ投資を初めていない方、投資はしているけれどNISA制度を利用していない方は、ぜひ活用を考えてみてください。
また、NISAは税制優遇のメリットがある制度ですが、通常の投資と同じで「どの金融商品を購入するか」「何年間運用するか」などを検討する必要があります。
そのため、どのように投資・資産形成を行なったら良いか分からない場合や、一般NISAとつみたてNISAどちらを選んだ方がいいか分からない方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。