投資信託を運用できる口座の種類|20代・30代はNISAとiDeCoを積極活用

投資信託は、少額から分散投資が行える金融商品です。

もしかしたら、投資はお金を持っている人がやるもの、年配の人がやるものというイメージがあるかもしれません。

実際に年収が高い人ほど、投資信託を保有している割合は多くなりますが、一方で年収が低くても投資信託を保有している人は一定割合存在します。

また、投資信託を保有している割合は、年代を問わずほとんど一定です。

この記事では、投資信託の保有率を、世帯年収・年代別に見ていきたいと思います。

1. 投資信託が運用できる口座の種類

そもそも、投資信託を運用する口座とはどういうことでしょうか?

「口座に違いなんてあるの?」と思う人もいるかもしれません。

大まかに分類すると、口座には3つの種類があります。

口座の
種類

課税
有無
引き出し
制限
特徴
通常口座 あり なし 銀行や証券会社で開設できる通常の口座、投資信託の分配金や値上がり益などの利益に対して約20%の税金が発生します。
NISA口座 なし なし 投資信託で得られた利益に対して税金が発生しない口座です。さらに、口座には一般NISAとつみたてNISA、20歳未満の人が加入可能なジュニアNISAの3種類があり、開設できる口座は1つのみで、1年間に投資可能な金額には上限があります。
年金口座 なし あり 確定拠出年金と言われる、自分で資産運用を行う口座です。企業型DCと、個人型のiDeCoの2つの種類があり、いずれも投資で得られた利益に税金が掛からないとともに、所得控除のメリットがあります。ただし、あくまで年金であるため、60歳になるまで原則受け取ることができません。

通常口座は投資上限額がなく、取り扱っている商品も最も多いことが特徴です。

ただし、投資で得られた利益に対して約20%の税金が掛かります。

一方で、NISAと年金口座で投資信託を保有している場合、分配金や値上がり利益に対して税金が発生しません

これは、資産形成・資産運用を行う上でとて大きなメリットだと言えます。

ただし、どちらも投資できる金額と期間に制限があるため、一定の金額や期間を超えて取引を行う場合には通常口座で運用を行う必要があります。

また、年金口座は原則60歳になるまで引き出すことができないため、日常的な生活費はもちろん、教育資金や住宅購入費用など使う予定のあるお金は投資しないようにする必要があります。

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では、実際に投資信託をどの口座で運用しているかを見ていきます。

2. 投資信託の保有は通常口座とNISA口座

投資信託協会が行ったアンケートによると、投資信託を保有している口座は通常口座とNISA口座が多くなっています。

通常口座 NISA つみたてNISA iDeCo 企業型DC
65% 40% 24% 14% 10%

投資信託協会「投資信託に関するアンケート調査報告書(2020年)」を元に、Route100編集部制作
※複数選択可能、通常口座には特定口座と一般口座の両方を含みます

NISAやiDeCoの口座は、1つしか保有することができません。

一方で、通常口座は複数持つことができるため、通常口座が最も保有率が高いことは当然だとも言えます。

ただし、NISA・iDeCoともに基本的には誰でも保有することができるため、通常口座を持っている人であれば、どちらの口座も持っておくべきだとも言えます。

※企業型DC・iDeCoには開設条件があります

  • 加入できる年齢は20歳から60歳まで(2022年5月以降は、65歳まで加入可能)
  • 企業型DCは、企業が制度を導入している場合のみ加入可能
  • iDeCoは、農業者年金への加入者、企業型DC加入者以外は加入可能(ただし、企業型DC加入者でも規約で認められている場合には加入可能で、2022年10月には規制が緩和される予定)

企業型DCとiDeCoの違いは、こちらの記事で詳しく解説しています。

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また、口座の利用状況は年代によって大きく異なります。

3. 20代・30代はNISAやiDeCoを積極活用

全体的には、通常口座・NISA口座が多い傾向にあり、その傾向は全年代を通して変わりません。

しかし、20代・30代ではNISAの中でもつみたてNISAの活用が多く、また年金口座であるiDeCo・企業型DCの活用も多いことが分かります。

年代
通常口座 NISA つみたてNISA iDeCo 企業型DC
20代 48% 33% 48% 19% 16%
30代 55% 34% 40% 22% 16%
40代 61% 36% 30% 22% 13%
50代 66% 38% 19% 17% 11%
60代 74% 50% 12% 3% 4%
70代 79% 47% 8% 1% 1%

投資信託協会「投資信託に関するアンケート調査報告書(2020年)」を元に、Route100編集部制作

つみたてNISAは、長期投資に向いた制度であるため、若い世代ほど利用率が高いことは当然のことだと言えます。

また、このアンケート結果から、20代・30代で資産形成の意識が高いことがうかがい知れます。

日本証券業協会が行ったアンケートでも、同様の傾向が見られるため、若年世代の老後への備えは一定の傾向だと考えることができます。

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まとめ

この記事では、投資信託を運用することができる口座の種類と、口座の利用率を見てきました。

全体としては、通常口座とNISA口座の利用が多い傾向にありますが、若い世代ではつみたてNISAや年金口座の利用が多いことも分かりました。

実際に「資産形成を始めたい」「NISAやiDeCoの活用方法を教えて欲しい」「投資信託以外の商品についても知りたい」といった方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか?

相談料は無料ですので、実際に投資・資産運用を行うかどうかはアドバイスを聞いた上で判断しても良いと思います。

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※この記事は、一般的な投資信託の特性を説明することを目的としています。
※投資信託の活用を含め、投資の実行を推奨するものではありません。
※実際の投資にはリスクを伴い、思わぬ損害を被る場合もあります。個別商品のリスクや手数料については、ご自身でご確認ください。


 

※本ページに記載されている内容は2021年6月9日時点のものです
※記載内容に誤りがある場合、ご意見がある方はこちらからお問い合わせください

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