NISAの口座数は2020年12月末時点で、約1,523万件となっています。
NISAは2014年にスタートした制度で、投資で得られた利益に税金がかからない制度です。
20歳以上の人が加入できるNISAには、最長5年間投資が可能な一般NISAと最長20年間投資が可能なつみたてNISAの2つの制度があります。
この記事では、2020年12月時点での各口座の口座数と、その推移を見ていきます。
1. 一般NISA・つみたてNISAの口座数
金融庁が行った調査によると、2020年12月末時点のNISA口座数は次のようになっています。
口座の種類 |
口座 |
買い付け額 |
|||
数 | 割合 | 額 | 割合 | ||
NISA全体 | 1,523万 | - | 21兆 7,075億円 | - | |
一般NISA | 1,221万 | 80% | 20兆 9,461億円 | 96% | |
つみたてNISA | 302万 | 20% | 7,614億円 | 4% |
金融庁「NISA・ジュニアNISA利用状況調査」を元に、Route100編集部作成
口座数ベースでは、一般NISAの方が多いものの、つみたてNISAも20%程度の開設があります。
一方で、買い付け額ベースでは、圧倒的に一般NISAが占めている状態です。
これには、一般NISAとつみたてNISAの制度がスタートした時期の違いや、1年間に投資可能な金額の違いなどが影響しています。
口座数や買い付け金額の違いに影響する、大きな制度の違いは次のようなものです。
- 一般NISAが2014年にスタートしたのに対して、つみたてNISAが始まったのは2018年
- 一般NISAとつみたてNISAは、どちらか1つしか口座を開設することができない
- 一般NISAは年間120万円まで投資が可能だが、つみたてNISAは年間40万円が上限(ただし、投資可能な期間は一般NISA最長5年に対し、つみたてNISAは20年間と期間が長い)
このような違いが、口座数と買い付け金額の違いに表れています。
また、2つの制度には他にも違いがあるため、詳しく知りたい方はこちらの記事もチェックしてみてください。
次に、年代別の口座数の違いを見ていきます。
2. 年代別のNISA口座数(2020年12月末時点)
口座開設状況を見ると、年代によって大きな違いがあることが分かります。
年代 |
合計 口座数 |
一般NISA |
つみたてNISA |
|||
口座数 | 割合 | 口座数 | 割合 | |||
全体 | 1,523万 | 1,221万 | 80% | 302万 | 20% | |
20代 | 102万 | 47万 | 46% | 55万 | 54% | |
30代 | 208万 | 126万 | 61% | 82万 | 39% | |
40代 | 262万 | 186万 | 71% | 76万 | 29% | |
50代 | 264万 | 212万 | 80% | 52万 | 20% | |
60代 | 284万 | 258万 | 91% | 26万 | 9% | |
70代 | 272万 | 262万 | 96% | 10万 | 4% | |
80代以上 | 132万 | 130万 | 98% | 2万 | 2% |
金融庁「NISA・ジュニアNISA利用状況調査」を元に、Route100編集部作成
まず、人口構成の違いもあるため、一概には言えませんが、NISA口座の活用は40代から70代が多くなっています。
そして、口座の開設状況については、年代によって明確な傾向があります。
- 若年世代ほど、NISA口座に占めるつみたてNISA口座の割合が高く、長期投資を志向している人が多いと考えられる
- 年代が上がるにつれて、つみたてNISAの利用割合が減り、60代以降ではほとんどが一般NISAの口座を選択している
60代になると、仕事をやめて年金で生活をする世帯も増えてきます。
そして、世帯の構成によっても状況は変わってきますが、平均的な夫婦2人世帯は年金だけでは毎月の支出がカバーできないことが分かっています。
また、寿命が長くなっているとはいえ、やはりある程度はそれまでに蓄えた資産を使うフェーズに入ってくるため、投資においても長期投資ではなく、比較的短期的な投資の傾向があると考えられます。
一方で、若い世代は老後に向けて資産を築いていく必要があり、かつある程度時間的な余裕があります。
そのため、20年・30年単位で資産形成・資産運用考えていく必要があります。
まとめ
この記事では、NISA口座の活用状況を見てきました。
全体としては、一般NISAの活用が多い状況ですが、若い世代では長期投資を見据えて、つみたてNISAの活用割合も多くなっています。
年代と合わせて投資の目的を意識して、一般NISAとつみたてNISAの使い分けを含めた資産運用を考える必要があります。
「資産運用を考えているがNISAを使った方が良いか?」「つみたてNISAとiDeCoどちらで運用した方が良いか?」「NISA口座を開設したけど、投資を始められていない」といった方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。
相談料は無料ですので、不安を解消してから資産運用を始めましょう。
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※この記事では、一般的なNISAの利用状況を説明することを目的としています。
※NISAや年金・投資の活用を含め、投資の実行を推奨するものではありません。
※実際の投資にはリスクを伴い、思わぬ損害を被る場合もあります。個別商品のリスクや手数料については、ご自身でご確認ください。