<30代・40代向け>自分に必要な老後資金と備えの収入増・資産運用

老後資金は、教育費・住宅費と並ぶ、人生3大支出の1つです。

そして、自分に必要な老後資金を考えるためには、人生の最終目標を決めて、その目標を達成するためのマネープランを考える必要があります。

2019年に、老後資金2,000万円が問題となりましたが、実際に必要な老後資金は1人1人異なるため、2,000万円では足りないかもしれませんし、十分なのかもしれません。

この記事では、30代・40代の方を対象に老後資金のことを考えてみたいと思います。

1. 30代・40代から老後の生活を考え、準備を始める

老後資金の基本的な考え方の記事では、平均的に必要な老後資金が1,600~2,000万円であることを試算してみました。

ただ、30代・40代の方は定年を迎えるまで、まだ約20年以上あります。

また、企業の定年と年金受給開始年齢(男性の厚生年金・報酬比例部分)は2025年には65歳に引き上げられます。

また、先ほどの定年65歳は義務化の話ですが、2021年には定年70歳が努力目標に設定されます。

このように、制度としての定年は徐々に引き上げられていくため、ある意味準備期間は長くなっていると言えます。

 

一方で、働き方の多様化に伴い、早期リタイアを考えている方もいると思います。

また、冒頭の老後資金の金額は、あくまで平均値から試算したものですので、退職後は世界各地を旅したい、家をリフォームしたいなどの大きな出費がある場合は、そういった1人1人の事情を考慮して老後資金の計画を行う必要があります。

今の年齢では、老後はまだまだ先のことだから考えられない方もいると思いますが、分からない中でも1度考えてみることが大切です。

夫婦や家族で話し合ってみることで、思わぬ意見が出てくることもありますし、「共通の将来の夢」が見つかるかもしれません。

また、それと同時にお金の問題も見えてきて、その夢に向けた準備に時間が必要であることも分かるかもしれません。

  • 仕事が好きだから、働ける限り都心でバリバリ働きたい
      → 長く働くため、まとまった資金は必要ないが老後の生活コストは高い
  • 早期リタイアして、のんびりと田舎暮らしがしたい
      → 老後の生活費は少なく済むが、移住のためのまとまった資金が必要
  • アメリカに海外移住したい
      → 永住ビザを含めた、移住に伴うまとまった資金が必要

このように、細かい計算は別にしても、「どうしたいか」によって、なんとなくお金の大きさや準備の大変さは見えてきます。

ただ、老後を迎えるまでにはまだ時間があるので、漠然とした不安から目標に変えていき、備えに行動を移していくことが大切です。

そして、試算を増やすためできることは「支出を減らす」か「収入を増やす」しかありません。

ここからは、それぞれの方法を見てみましょう。

2. 資金の備えを行う〜支出を減らす

インフレで物価上昇

いわゆる家計の見直しです。

「収入を増やす」ことは、簡単にはできないかもしれませんが、支出はムダがあれば比較的改善が行いやすいと言えます。

家計の見直しにも大小ありますが、ここでは比較き効果の大きい対策を取り上げたいと思います。

(1)固定費

まずは、固定費の見直しです。

固定費は毎月、または定期的に発生する必要であるため、1度見直しを行うことで中長期的に大きな効果があります。

① 住宅ローンの見直し

住宅ローンの金利は時期によって大きく変動します。

住宅ローンは金額が大きいため、高い金利で住宅ローンを組んでいる場合は、見直しにより支払総額が大幅に抑えられる可能性があります。

② 保険の見直し

CMなどでは、新しい保険が頻繁に紹介されています。

そのように、保険は医療の進化に伴い常に新しい商品が開発されています。

そのため、加入して放置するのではなく、定期的に見直しを行う必要があります。

例えば、昔は入院しないと治療できなかった病気が、最近では通院で治せるケースも増えてきています。

それに対して、加入している保険が「入院1日に付き保険金が支払われる」ようなものであった場合、単純に保険金を受けることができず掛け金が無駄になることもあります。

保険は、定期的に見直しを行うことをおすすめします。

③ 光熱費

電気やガスなどの公共費は、自由化が進んでいます。

光熱費は毎月一定額が必ず発生するため、長い目で見ると節約の効果が大きい費用です。

今はインターネットなど絵、使用状況を踏まえたシミュレーションも可能です。

ぜひ、1度試して見てください。

④ 通信費

通信費も、毎月発生するため大きな改善が考えられる費用です。

特に、大手の通信会社と契約している場合、通信会社を格安携帯に変えることで通信費を低く抑えられる可能性があります。

家族がいる場合には、家庭全体の見直しを行うことで割引の適用も考えられます。

電話番号やメールアドレス変更、契約年数の縛などのデメリットもありますが、メリットも大きいため検討してみることをおすすめします。


(2)変動費

変動費は、固定費に比べると得られる効果は限定的です。

また、日常消費である食費や生活費は、切り詰めることでストレスが溜まったり、長続きしないこともあるため、単純に減らすことは難しいかもしれません。

そのため、減らすのではなく、お得な制度や仕組みを活用することをおすすめします。

① ふるさと納税の活用

ふるさと納税は、自分の税金の納め先を特定の地域に指定できる制度です。

その結果、税金を納めた地域から、返礼品として特産品を受け取ることができます

返礼品には、その地域の特産の食品や調理器具などであることも多いため、ふるさと納税を利用することで食費や生活費を節約することができます。

② 株主優待の活用

株主優待は、特定の企業の株を購入することで株主になり、その特典として企業が提供するサービスをお得に利用することのできる仕組みです。

自分がよく利用するお店の株主になることで、食品を受け取ることができたり、割引で買い物・食事をしたりすることができます。

ただし、株主優待はすべての企業が実施しているわけではありません。また、優待内容も企業によって様々です。

また、株式投資には当然リスクが伴います。優待特典が受けられても、株価自体が下がって損をしてしまっては家計全体で見たときにマイナスになってしまう可能性があります。

株価と株主優待の両方を見て、購入を判断する必要があります。

3. 資金の備えを行う〜収入を増やす

お金の差

家計の見直しによって、余計な支出を減らすことは大切なことですが、支出を減らすことには限界があります。

そのため、収入自体を増やすことが資産形成の近道になるかもしれません。

収入を増やすには、労働所得によって世帯年収を増やす方法と、資産運用によって不労所得を増やす方法があります。


① 労働所得による世帯年収の増加

世帯年収を増やすには、個人の年収を増やす方法と働く人を増やす方法の2つがあります。

(1)年収アップ

30代・40代の方は、年収を増やすことを真っ先に考えるべきかもしれません。

年収アップの方法には次のようなことが考えられます。

  • 昇進や転職による基本年収の増加
  • 資格取得による手当ての増加
  • 副業による副収入の増加

いずれの方法であっても、年収アップの基本は自己投資による成長です。

自分の得意分野のスキルを伸ばす、人脈を広げる、仕事を効率化するなどにより、仕事から得られる収入を増やすことは、誰にとっても必要なことだと言えます。

ただし、資格貧乏にはならないように気を付けましょう。

本業に活かせる資格の取得を目指さなければ、年収アップには繋がりません。もちろん、年収アップだけが目的ではないと思いますが、資格の取得自体が目的になっては本末転倒です。

資格は取得する際の勉強や受験料の他、取得した資格の維持・更新にもコストがかかることがあります。資格取得のコストも意識しましょう。

(2)働く人を増やす(共働きする)

もう1つの労働収入を増やす方法が、単純に働く人を増やす方法です。

夫婦のどちらかが専業主婦・夫のご家庭では、子育てが落ち着いてきたタイミングで、共働きにすることで世帯収入を増やすことができます。

どちらかの扶養の範囲内で働くことで、世帯年収を増やすこともできます。

また、本格的に仕事を始めり復職した場合には、社会保険料を納めることになります。その場合は、定年後に受け取ることのできる厚生年金も増えるため、今に加え将来に渡って世帯年収を増やすことができます。


② 資産運用による不労所得の増加

もう1つの収入を増やす方法が、資産運用による不労所得の増加です。

2021年3月時点で、ゆうちょ銀行の普通預金の金利は0.001%です。

仮に30歳から普通預金で老後の貯蓄を始めたとします。毎月1万円の預金をした場合の、60歳時点での資産は360万円で、30年間で得られる利息は1万円未満です。

正直、これでは家計の助けにはなりません。

 

一方で、同じ毎月1万円の積み立てを3%で運用した場合、60歳時点で資産は約524万円です。

投資で得られた利益には約20%の税金がかかります。524万円は、課税後の数字です。

しかし、投資によって得られた利益の税金が非課税になるiDeCoを使って積み立てを行なった場合、資産額はさらに多い約580万円になります。

先ほどの預金と比べると、実に約220万円もの差が生じます

 

さらに、iDeCoは掛金自体も全額所得控除の対象になります。

例をあげると、年収500万円の会社員の場合は、年間24,000円、30年間では72万円の税制優遇を受けることができます。(国民年金基金連合会『かんたん税制優遇シミュレーション』にて試算。)

毎月1万円の積立投資の場合、年間の投資額は12万円です。

仮に、この投資額で24,000円の利益を得ようとした場合、年利は20%になります。20%はかなり高い利回りですので、年間12万円の投資額の場合は、よっぽどのことがない限り、所得控除のメリットを享受することができると考えられます。

iDeCoはほとんどの人にとってメリットのある制度であるため、まだ加入していない方はぜひ検討してみてください。

 

ただし、1点注意が必要です。

iDeCoは個人年金制度であるため、原則60歳になるまで引き出すことができません

そのため、生活費はもちろん、教育資金や住宅購入費など、60歳前に使う可能性のある資金を投資に使うことはやめましょう。

 

同じように、税制優遇のメリットがある制度にNISA・つみたてNISAがあります。こちらはいつでも中途解約が可能です。

iDeCoと違い所得控除のメリットはありませんが、運用利益が非課税な点は同じです。

制度をうまく活用することで、不労所得による収入を増やすことができます。

 

ポイントは労働所得・不労所得、どちらかだけで家計の収入を増やすのではなく、3つの観点で総合的・安定的に資産を増やしていくことを考えることが大切です。

まとめ

ご紹介してきた通り、30代・40代の方は、老後を迎えるまでに十分な準備期間があります。

  • 家計の見直しにより、中長期的に見て支出を大きく減らせる可能性がある
  • 仕事による労働収入を増やしていくことが可能
  • 長期の資産運用により、不労所得による資産形成の時間が十分にある

この時間を有効に活用し、自分の目標とする将来に備えましょう。

また、資産運用のやり方がわからない方、制度について知りたい方はお気軽にご相談ください。

※本ページに記載されている内容は2021年3月10日時点のものです
※記載内容に誤りがある場合、ご意見がある方はこちらからお問い合わせください

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