株式取引はすべての年代を通してインターネット取引が主流に

現在では株式取引はインターネット証券で行う感覚が、通常になってきていると思います。

実際に、若い世代だけではなく、60歳以上も含めた全年代でインターネット取引が最も多くなっています。

また、インターネット取引以外では、証券会社や銀行の窓口や電話で取引を行うことが一般的ですが、満足度は決して高くない結果になっています。

この記事では、株式取引をどのように行なっているかを年代別に見るとともに、対面取引に対する声を見ていきたいと思います。

1. 株式取引の方法

まずは、年代別に株式投資の取引をどのように行なっているかを見てみます。

年代別の株式取引方法日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査について(2020年)」を元に、Route100編集部作成

このアンケートから分かることは、次の通りです。

  1. すべての年代で、インターネット取引が主流
  2. 若い世代は、スマートフォンによる取引が半数
  3. 年代が上がるほど、対面取引の割合が増える

1)全世代で、インターネット取引が主流

若い年代でインターネット取引が主流であることは想像通りだと思います。

ただ、若年代に留まらず、60歳以上でも既にインターネット取引が主流になっています。

  • 20-30代:85%
  • 40代:84%
  • 50代:77%
  • 60歳以上:71%

ネット証券と対面証券の口座数の推移を見ると、ネット証券の口座数が非常に伸びています。

ネット証券と対面証券の口座数推移 各社公表の数字を元に、Route100編集部作成

2020年には、ネット証券の代表であるSBI証券の口座数が、対面証券トップの野村證券の口座数を初めて上回りました。

また、同様にネット証券2位の楽天証券も、対面証券2位の大和証券の口座数を上回っています。

取引頻度の違いもあると思いますが、先ほどのアンケート結果を見ると、口座数以上にインターネット取引が進んでいると考えられます。

また、野村證券や大和証券はネット証券との対比で、対面証券と呼ばれることが多いですが、実際にはインターネット専用口座も設けています。

そのため、そういった口座も含めてインターネット取引を行なっていると回答している人が多いと考えられます。

ネット証券の広がり、証券会社などの外務員数の推移はこちらの記事でも詳しく解説しています。

証券会社の登録外務員数の推移 証券会社とIFA:金融商品仲介業の登録外務員数の関係を考える

2)20-30代はスマートフォン取引が半数

20-30代の株式取引は、85%がインターネットでしたが、さらにスマートフォンでの取引が50%を占めます。

スマートフォンでの取引は、40代では約半分の27%、60歳以上では5%まで下がるため、これは大きな流れの変化だと考えられます。

今は、ブラウザを使ったインターネット取引はもちろん、多くの証券会社が無償のアプリを提供していますので、そういったツールを使って「いつでも・どこでも取引ができる」環境が整っています。

60歳以上もインターネット取引が主流だが、対面証券も一定量残っている


3)年代が上がるほど対面取引が増える

20-30代では対面取引は5%ですが、年代が上がるにつれてその割合が増え、60歳以上では22%になります。

まだ、インターネットでの取引に慣れていない人や、対面証券へのメリットを感じて対面取引を行う人も一定数いると考えられます。

また、このアンケート自体がインターネットを使った調査であるため、そのバイアスによってインターネット取引が強く出ている可能性があるため、実際にはもっと対面証券を行なっている人が多いかもしれません。

では、対面証券を利用している人は、その対応にどの程度満足しているのでしょうか?

同じアンケートの結果を見ていきたいと思います。

2. 対面証券や銀行の対応満足度

まず、インターネット取引と対面証券の大きな違いは、自分で金融商品や銘柄の情報収集・選定をして取引を行うかどうかです。

証券会社の店頭窓口で取引を行う場合、外務員資格を持つ営業担当と会話をして取引を行うことになります。

そのため、営業担当から商品に関する情報を提供してもらったり、自分に合った商品を提案してもらうことができます。

一方で、店頭取引では人件費が掛かるため、一般的には手数料が高くなります。

自己投資との違いや、証券会社と銀行の違いはこちらの記事で詳しく解説しています。

貯蓄と家計 自己投資の資産運用はリスクコントロールが要、他の投資方法との違いは?
アドバイザーのポートフォリオ分析 銀行と証券会社で資産運用は何が違う?他の投資方法との違いも比較

 

では、証券会社や銀行の、店頭での対応満足度を見てます。

対面証券の対応満足度日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査について(2020年)」を元に、Route100編集部作成

アンケート項目では、購入前の提案や説明に関する質問が3つ、アフターフォローについての質問が1つあります。

回答結果から、全体的に満足度が高いとは言えない状況であることが分かります。

  • 購入前の提案・説明については、60%前後の満足度と決して高いとは言えない
  • 特にアフターフォローは、満足度が39%と課題があると考えられる

このアンケートでは、提案・説明を受けた後に実際に購入したかどうかまでは追い掛けていません。

しかし、購入前の提案・説明は40%前後の人は少なくとも満足はしていない状態であるため、十分であるとは言えない状況にあります。

特にアフターフォローは、60%の人が満足していないため課題が大きいかもしれません。

考えられる理由として、証券会社は取引・契約を獲得することが目的になることが多い点と、転勤や部署変更などによって担当者が変更になることが多いため、十分にアフターフォローができる体制になっていないことがあります。

この点が改善できる存在として、金融機関に所属していないIFA:独立系金融アドバイザーがあります。

IFAと証券会社や自己投資との違いは、こちらの記事でも解説していますので、今の資産運用以外の方法を知りたい方はぜひお読みください。

IFA独立系金融アドバイザーからの提案 資産運用の中立的なアドバイスがもらえるIFAとは?他の投資方法との違いも解説

まとめ

いかがでしたでしょうか?

インターネット取引が主流になるつれて、運用方法も自己投資が多くなってきていると思います。

自己投資は、自分で金融商品の特徴や投資に関する制度、個別銘柄について勉強・情報収集を行った上で、自分で判断を行う必要があります。

今はインターネット上に膨大な情報がありますが、その情報は玉石混合でもあります。

自己投資を行なっているものの運用に不安がある人や、対面証券に十分に満足していない方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。

相談料は無料ですので、様々なアドバイザーの意見を聞いた上で、実際に投資を行うかどうか、どのように投資を行うかを考える方法も1つの手段です。

ぜひ、自分に合った投資のスタイルを見つけてください。


 

※本ページに記載されている内容は2021年5月10日時点のものです
※記載内容に誤りがある場合、ご意見がある方はこちらからお問い合わせください

アドバイザーを探す

この記事の執筆者

SNSでシェアする

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Pocket