【今からNISAを始める人必見】最大1,530万円の非課税枠活用法

こんにちは、私たちIFA法人バリューアドバイザーズは「安心と豊かさをお届けする」生涯の資産運用パートナーです。

みなさん、NISA口座はお持ちでしょうか。

お持ちでない方も、聞いたことがあるという人もいるのではないでしょうか。

実は、そのNISA、2024年から新NISA制度が始まります。

今回は、今年から非課税制度を最大限活かしきるにはどのようにNISAを活用すれば良いのか、積立NISAと一般NISAの違いも含めて解説します。

1. 一般NISAと積立NISAの違いとは

現在あるNISA制度は、ジュニアNISAを除いて一般NISAと積立NISAになります。

  年間の拠出可能額 非課税期間 新規投資 ロールオーバー
一般NISA 120万円 5年間 2023年まで 2024年以降はできない
積立NISA 40万円 20年間 2042年まで 不可

※ロールオーバーとは、翌年の非課税投資枠に移すこと

つまり、一般NISAの最大拠出枠は120万円×5年で600万円、積立NISAの最大拠出枠は40万円×20年で800万円となります。

そして、2024年からは、一般NISAに代わって、新NISA制度が始まります。

新制度が始まることになった背景は、国として人生100年時代にふさわしい家計の安定的な資産形成を支援していきたいということからです。

結果、NISA制度について、少額からの積立・分散投資をさらに促すために制度の見直しを行い、口座開設可能期間も延長することになりました。

具体的には、非課税期間が5年間の一般NISAは、より多くの国民に積立・分散投資による安定的な資産形成を促すために、積み立てを行っている場合は別枠の非課税投資が活用できる2階建ての制度に見直し、さらに口座開設可能期間を5年間延長することになりました。

投資対象商品については、1階部分(年間20万円)はつみたてNISAと同じで、2階部分(年間102万円)は現在の一般NISAから高レバレッジ投資信託など安定的な資産形成に不向きな一部の商品を除くことになっています。

また、非課税期間20年間の現在のつみたてNISAは、5年間延長となりました。

つまり、2024年から始まる新NISAの最大拠出枠は、122万円×5年で610万円になります

 

2. NISAの非課税枠を最大限すると1,530万円!?

NISA現在の制度でNISA口座を活用した場合、最大で800万円の非課税枠しかありませんでした。

今回の新制度を活用し、NISA口座をリレーのように活用していくことで、実は最大1,530万円分の非課税枠を利用することができます

最大限活用するためにはどうしたらよいのか、その方法を具体的に説明します。

1,530万円分の非課税枠を活用するためには、

Step1. 2023年までの一般NISA口座を開設

→2021年~2023年までの3年間で360万円が非課税枠

Step2. 一般NISAから自動で新NISAに移行

→年間122万円×5年間で610万円が非課税枠

Step3. 新NISAの5年間の拠出後、翌年の2029年からはつみたてNISA口座に切り替え

→年間40万円×14年間で560万円分が非課税枠

そうすることによって、一般NISA360万円+新NISA610万円+積み立てNISA560万円の計1,530万円分非課税枠を利用することができます。

NISAの最大のメリットは、NISA口座で購入した金融商品(株式や投資信託など)の配当金や譲渡益等が非課税になることです。

つまり、その非課税枠が多いということは、NISAで運用した金融商品から得た利益(配当金や譲渡益等)に税金がかからないということなので、節税効果が大きいということです。

 

3. 将来の備えではあるが注意すべき点

1,530万円も非課税枠が得られるのは嬉しいと思った方も多いかと思います。

ここで注意すべきは、 最後まで非課税枠を使いきるには3年+5年+14年で計22年間かかることです

また、NISAの非課税期間は拠出した年毎に異なります。

そのため積立NISAで最後に拠出した2042年の枠の非課税枠を使い切るにはさらに20年かかります。

非課税を全て活用するには41年もの期間がかかります。

運用は続けることが大事で、将来の備えとして長期運用できるのであればNISAのメリットを大きく受けられます。

また、全ての非課税枠を利用するとした場合の話なので、一定の期間でも十分メリットがある制度なので、活用することをおすすめします。

具体的に取り組んでみたい、自分にあった利用方法が知りたい・分からないという方は、一度ご相談ください。

生前の貢献で相続分が上乗せされる「寄与分」と「特別寄与料」とは?

高齢になった親の介護・看護を、子供やその配偶者が長年にわたって行う・・・現代の日本においては珍しくないことです。

そのように献身的に面倒を見てくれた子供やその配偶者に対して、なんらかの形で報いたいと思うのは自然な考えでしょう。

民法には、従来より寄与分という制度があります。

寄与分は、長年にわたって介護などを行った場合に、その程度に応じて多くの財産を相続することを認める制度です。

子供は親の相続における相続人であるため、寄与分の対象となります。

しかし、子供の配偶者は相続人にならないため、寄与分の対象にならないという問題がありました。

この問題を解決するために、2018年度の民法改正で特別寄与料という制度が創設されました。

この記事では、以前からある寄与分と、新設された特別寄与料の制度について見ていきます。

1. 寄与分とは

まずは、以前からある寄与分の制度から確認していきます。

1)寄与分の制度内容

寄与分は、民法で次のように定められています。

共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。

民法「第九百四条 2寄与分」より抜粋、筆者強調表示

要約すると、子供などの相続を受ける人が、親や祖父母などに対して、次のことを通して財産を維持・増加してくれた場合に、相続する財産を増やすことができます。

  • 親などが行う事業への労務の提供、または財産の給付
  • 親などの療養看護
  • その他の方法

例えば、次のようなケースです。

  • 父が事業をしていたケースで、その長男が見返りもなく手伝ってくれたおかげで、父は財産を増やすことができた
  • 年老いた母を、長女が無償で長年にわたって介護してくれたため、介護ヘルパーを雇う必要がなく財産を維持することができた

このような場合に、事業を手伝ってくれた長男や介護をしてくれた長女が、他の兄弟と同じ相続だったとした場合、不公平だと言えます。

その不公平を相続を増やすことによって補う制度が寄与分です。

ただし、寄与分は受けることのできる人が相続人に限られています。

子供の配偶者や孫は、相続人ではありません。

そのため、例えば子供の配偶者や孫が、長期間にわたって看護を行なっても、寄与分の恩恵を受けることはできません。

この点が問題として認識され、特別寄与料の制度ができました。

 

続けて、寄与分の評価方法と計算方法を確認します。


2)寄与分の評価方法

寄与分として提供しているものは、サービスや努力・時間などです。

物や金銭ではないため、その貢献を金銭価値に換算することはとても難しいと言えます。

そのため、寄与分の評価は相続人の間で協議することが原則です。

そして、協議によってまとまらない場合や、協議そのものが実施できない場合には、家庭裁判所の審判で寄与分を決定します。


3)寄与分がある相続分の計算

寄与分がある場合、先に遺産全体の金額から寄与分を控除します。

その後に、相続分を計算します。

寄与分が認められる場合の、相続分の計算方法を具体的に見てみます。

前提条件

  • 遺産の総額 : 2,000万円
  • 法定相続人 : 2名(長男と次男)
  • 法定相続分で分割する
      ※法定相続分とは、相続を行う際に法律で定められている取り分の割合

① 通常の相続

まず、寄与分がない、通常の相続では次のようになります。

子供2人が相続人の場合、法定相続分は1/2ずつです。

そのため、2,000万円を半分ずつ分け合うため、それぞれ1,000万円を受け取ることになります。

相続人 相続金額 計算方法
長男 1,000万円 2,000万円の1/2
次男 1,000万円

 

② 寄与分がある相続

次に、同じ条件で長男に寄与分200万円が認められる場合を考えてみます。

寄与分がある場合は、最初に寄与分を遺産全体から控除します。

つまり、2,000万円から寄与分200万円を差し引いた、1,800万円が相続金額を計算するベースになります。

その結果、相続人と相続金額は次のようになります。

相続人 相続金額 計算方法
長男 1,100万円 900万円 + 寄与分200万円
次男 900万円 900万円

 

また、法定相続について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

本を読んで学ぶ 相続が発生したらまず確認!民法が定める相続人と相続分

次に、相続人以外も対象となる特別寄与料を見ていきます。

2. 特別寄与料とは

お金のリテラシーを身につける

先ほども触れましたが、特別寄与料は2018年の改正民法で定められました。(法務省「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案」)

どのような制度か、確認していきます。

1)特別寄与料の制度内容

同じく、まずは民法の定めを確認します。

被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下この条において「特別寄与料」という。)の支払を請求することができる。

民法「第千五十条 特別の寄与」より抜粋、筆者強調表示

基本的に、寄与分と同じですが、特別寄与料は対象が相続する人の親族とされています。

また、ここに記載されている親族は次の通りです。

次に掲げる者は、親族とする。

  1. 六親等内の血族
  2. 配偶者
  3. 三親等内の姻族

民法「第七百二十五条 親族の範囲」より抜粋、筆者加工

血族は、本人と血縁関係にある人のことです。

養子は生物学的には血縁関係にありませんが、血族に含まれます。

また、姻族とは配偶者の血族のことです。

先ほどの親族の範囲は、図で示すと次のようになります。(括弧付きの数字が血族で、丸付きの数字が姻族を示しています。)

親族の範囲と名称

出典:国税庁・タックスアンサー「No.1180 扶養控除

かなり広範な人が含まれていることが分かります。

子供の配偶者、例えば長男の妻が義父や義母の介護をするようなケースは、よくあるケースだと考えられます。

この場合に、長男の妻は寄与分の対象にはなりませんが、特別寄与料では対象になります。

「そういったつもりで介護をしているわけではない」というご意見もあると思いますが、実際に相続が発生した場合には問題になることも多いケースです。

そのため、貢献の公平性を保つために制度面での対応が行われたと考えられます。

次に、寄与分と同じように、特別寄与料の評価方法と計算方法を確認します。


2)特別寄与料の評価方法

特別寄与料は、寄与分と同様に、サービスや努力を提供しているため金銭価値に換算することは非常に困難です。

そのため、特別寄与料の評価は、同じく相続人の間での協議によって行います。

その協議が整わないときや協議そのものができない場合には、家庭裁判所の審判により寄与分を決定することとなります。


3)特別寄与料がある相続の計算

特別寄与料がある場合も、計算方法は寄与分と同じです。

先に、特別寄与料を遺産全体の金額から控除し、その後に相続分を計算します。

先ほどと同じ例で、実際に相続分の計算を行なってみます。

前提

  • 遺産の総額 : 2,000万円
  • 法定相続人 : 2名(長男と次男)
  • 法定相続分で分割する
  • 長男の妻に200万円の特別寄与料が認められる

先ほどと違うのは、長男の妻に特別の寄与が認められる点です。

寄与分と同じように、特別寄与料がある場合には、最初に相続財産全体から控除を行います。

そのため、1,800万円が相続分を採算するベースとなり、子供2人の相続金額はそれぞれ1/2ずつの900万円になります。

相続人 相続金額 計算方法
長男 900万円 1,800万円の1/2
次男 900万円
長男の配偶者 200万円 特別寄与料の200万円

最後に、寄与分と特別寄与料がどのような場合に認められるかを確認します。

3. 寄与分・特別寄与料が認定されるケース

そもそもの話として、民法では親族が助け合いをすることは義務とされています。

直系血族及び同居の親族は、互いに扶け合わなければならない。

民法「第七百三十条 親族間の扶け合い」より抜粋

夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。

民法「第七百五十二条 同居、協力及び扶助の義務」より抜粋

通常の介護や扶養を行うことは、特別なことではなく義務の範囲内です。

そのため、寄与分や特別寄与料が認められるのは、この通常の扶養義務を超えた特別な寄与の場合です。

 

それでは、どの程度の寄与であれば、寄与分と特別寄与料が認められるのでしょうか?

寄与には労務の提供や財産の給付、療養看護などのいくつかの方法が定められていました。

 

例えば、療養看護に関しては「要介護2程度以上」であることが認定の目安とされています。

要介護2とは、日常動作についても介助が必要となる状態で、通常の助け合いである家事の手伝いなどの範囲を超えているものと考えられます。

参考までに、要介護2とはどのような状態か確認してみます。

要介護状態とは、身体上又は精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、原則6か月以上にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態。

介護保険法「第一章・第七条 1, 3」、介護保険法施行規則より筆者抜粋・加工

状態区分「要介護2」の平均的な状態

  1. 見だしなみや居室の掃除などの身の回りの世話の全般に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とする。
  2. 立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作に何らかの支えを必要とする。
  3. 歩行や両足での立位保持などの移動の動作に何らかの支えを必要とする。
  4. 排泄や食事に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とすることがある。
  5. 問題行動や理解低下がみられることがある。

静岡市「要介護度別の状態区分 」より抜粋

また、特別の寄与として認められるためには、これらの事実を客観的に示すことができる資料を準備しておくことが重要です。

介護の状況を記録した日記や、支出した金額の領収書などを記録しておくことをおすすめします。

まとめ

この記事では、以前からあった寄与分と、2018年に新設された特別寄与料の制度について確認してきました。

以前は、相続人にしか寄与分が認められない問題がありました。

特別寄与料の制度ができたことで、子供の配偶者を含む親族などの介護努力が認められる可能性が出てきました。

ただし、寄与分や特別寄与料が認定されるためには、通常の扶養義務を超えた特別の貢献である必要があります。

相続や相続後の資産の運用について不安がある方は、ぜひ一度相続・贈与に対応しているIFAや税理士等の専門家にご相談ください。


 

年収700万円・1000万円では資産の利回り・値上がり期待が大きい

金融資産には、預貯金以外に株式や投資信託、債券などがあります。

これらの金融資産には、それぞれリスクや利回りの高さに違いがあります。

そして、全体としては預貯金のように、いつでも引き出すことが可能で、元金が安全であることを求める傾向にあります。

一方で、世帯年収が高くなると、利回りの良さや値上がりへの期待を求める傾向が強くなります。

この記事では、世帯年収による金融商品に求めることの違いを見ていきます。

1. 金融資産に対して重視すること

まず、金融資産に対して重視することの全体傾向を見てみます。

金融商品の重視点日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(各年度)を元にRoute100編集部制作

全体的な傾向として、「いつでも出し入れ可能」「元金が安全」であることが求められています。

これに該当するのは預貯金です。

それ以外には、次のようなことが重視されています。

  • 利益が得られる
    • 利回りの良さ
    • 値上がりが期待できる
    • 税金面で有利
  • 利便性がある
    • 自動引き落としが可能
    • インターネットで取引が可能

実際に保有している金融資産を見ると、この傾向が如実に現れています。

保有金融商品の変化

日本人は、全体的な傾向として資産が預貯金に非常に偏っています。

ただし、年収が高くなるにつれて投資・資産運用の傾向が強くなります。

このことは、こちらの記事で紹介していますので、合わせてどうぞ。

金融商品の保有率から「貯蓄から投資へ」の変化を考える

2. 世帯年収別の金融資産に対して重視すること

年収が高くなるにつれて、株式など投資性の高い金融資産の保有率が高くなります。

その傾向は、世帯年収別の金融資産に対して重視することからも分かります。

ここでは、それぞれの項目について世帯年収別の傾向を見ていきます。

1)いつでも出し入れ可能

まず、最も重視されている点は「いつでも出し入れ可能」で、全体としては50%近くの人が選択しています。

金融商品の重視点日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(各年度)を元にRoute100編集部制作

世帯年収別に比較をすると、年収が高くなるほど「いつでも出し入れできる」ことを重視する傾向は低くなることが分かります。

これは、ある程度の貯蓄があり、その上で預貯金と投資用の資産などに分けて管理していることが考えられます。

つまり、短期的に使うお金と、将来や老後に対する備えとして長期的に必要となるお金を分けて管理しているということです。

金融資産の保有目的は「将来や老後に対する備え」が最も多く、実際にそのための金融資産管理が年収が高い世帯ほどしっかりとできていることが考えられます。

金融資産を保有する目的は「将来や老後に対する備え」がNo.1

2)元金が安全

次に重視する人が多い「元金が安全」について見てみます。

金融商品の重視点日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(各年度)を元にRoute100編集部制作

元金が安全であることには、あまり世帯年収による違いは見られません。

むしろ、世帯年収が高くなるほど、元金の安全性を重視する人が若干増える傾向が見られます。

投資・資産運用には、一般的にリスクが伴うため、この元金の安全性と相反する面があります。

重視する点には利回りの良さもあるため、この2つの関係を見てみたいと思います。


3)元金の安全と利回りの良さ重視の関係

重視する点として、「元金が安全」であることと「利回りが良い」ことを世帯年収別に比較したのが次のグラフです。(元金が安全については、先ほどのグラフと同じです。)

金融商品の重視点日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(各年度)を元にRoute100編集部制作

「利回りが良い」ことに着目して見てみると、世帯年収が上がるつれて利回りの良さを重視していることが分かります。

その一方で、先ほども触れたように「元金が安全」であることは世帯年収が上がってもあまり変わらないか、やや高くなる傾向があります。

そのため、投資・資産運用を行う上での考え方として、少し矛盾があるように感じます。(ただし、このデータでは個々人の回答は分からないため、「元金の安全」と「利回りが良い」を選択している人が異なる可能性があります。)


4)利益を求める傾向

最後に利益を求める傾向について、見てみます。

金融商品の重視点日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(各年度)を元にRoute100編集部制作

先ほどの「利回りが良い」もそうでしたが、世帯年収が高くなるほど「値上がりへの期待」と「税金面で有利」を重視する傾向にあります。

値上がりへの期待とは、株や投資信託などの金融商品を指しています。

これらの金融商品では、企業の株価や投資信託の基準価格が上がることで、購入したときとの差額を利益として得ることができます。

また、税金面で有利とは、税制優遇のメリットを指しています。

少額投資非課税制度のNISAや、個人型拠出年金であるiDeCoの制度を使うと、一定の額までの投資によって得られた利益が非課税になります。

さらに、iDeCoでは拠出額や受け取り時の年金額が所得控除の対象となります。(NISAは所得控除の対象ではありません。)

そのため、これらの制度を活用することで、有利に資産運用を行うことができます。

NISAについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

投資初心者にNISAがおすすめな理由、種類と制度のポイントも解説

まとめ

この記事では、次のことを見てきました。

  • 全体としては、「元金が安全」で「いつでも引き出せる」預貯金を求める傾向がある
  • 世帯年収が高い層では、「金利の良さ」や「値上がりの期待」「税制面で有利」といった利益を重視する傾向がある
  • ただし、利益の良さを求める一方で「元金が安全」も同時に求める傾向がある

実際に投資を行う際には、自分が許容できるリスクと求めるリターンのバランスを考えて、金融商品の選択・ポートフォリオを考える必要があります。

「老後資金のために資産運用を行いたい」「将来のために投資をしたい」「まずはどういった商品があるかを知りたい」といった方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。

相談料は無料ですので、実際に始めるかどうかはアドバイスを受けてから考えてみても良いと思います。


 

私の人生100年時代!特集

Route100では、自分らしく人生100年時代を生きるために、ロールモデルになる方にインタビューを行っています。

インタビューでは、人生100年時代を生きるために必要な「投資・資産運用」のこと、「自分のコアとなるキャリア・働き方」のこと、それらを支える「心身を健康に保つ」こと、この3つの軸を中心にお話をお聞きしています。

ぜひ、「あなたらしい人生100年」を考える参考にしてみてください!

 


 

杉原杏璃さんバナー

Part1:投資・資産運用編①  〜お金に困らない人生を

Part2:投資・資産運用編② 〜始め方・学び方のヒント

Part3:仕事・キャリア編 〜点を繋いで線にするキャリアの作り方

Part4:仕事を支える健康編 〜心身を健康に保つヒント

 


 

前編:お金編  〜投資・資産運用のヒント

中編:キャリア編 〜働き方のヒント

後編:健康編 〜心身を健康に保つヒント

 


 

【Part4】杉原杏璃の人生100年時代〜仕事を支える心身の健康

私たちが生きる「人生100年時代」

日本では2017年に人生100年時代構想会議が発足され、政策に織り込まれるほど現実のことになっています。

そして、人生100年時代を自分らしく生きるためには、資産運用・働き方・健康の3つがとても大切です。

資産運用:理想のライフスタイルを実現するための資産
働き方:自分の夢・目標に向かって、やりたいことを実行する働き方
健康:活力を維持するための健康な身体と人間関係

まさに人生100年時代の生き方を体現している杉原杏璃さんに、自分らしい100年人生を歩むためのヒントをお聞きしました。今回は、杉原さんの今後のキャリアとその土台となる健康・人間関係についてお聞きします。

Part1:投資・資産運用編①  〜お金に困らない人生を

 ▼

Part2:投資・資産運用編② 〜始め方・学び方のヒント

 ▼

Part3:仕事・キャリア編 〜点を繋いで線にするキャリアの作り方

 ▼

Part4:仕事を支える健康編 〜心身を健康に保つヒント


 

1. 今まで蒔いてきた種を繋げて、全部を広げる

ー 前回の仕事・キャリアのお話で「線を繋いでいく」という考えがありました。今でも多くの役割をこなしていますが、今後やっていきたいことはありますか?

 

今考えているのは、投資は投資家としてだけではなく学校みたいなものを作ってみたい。

不動産ももっと拡げて、アパート一棟とかを運営しながらそこを投資好きのシェアハウスにして、共有スペースで投資の話ができるようにする。

そこで私は大家さんとして、お茶をすすりながらみんなが話している様子を見ている。

みたいな、これまで種まきしてきたことの延長線上で、全部広げて行きたいなとは思っています。

投資のシェアハウスを、サブスクみたいにしてもいいですし。

 

ー 学校というのはお金の学校ですか?

 

そうですね、特に女性はまだまだ投資をしていない方が多いので。

セミナーの講師も男性が多いと思いますが、同じ女性で教えてあげながら、一緒にやっていくスクールみたいなのが出来たら面白いなと。

 

ー やはり女性に拡げていきたいという想いが強い?

 

家庭のお財布も女性が握っているので。

女性の方が、お金に対して細かくて、マメな人が多いように思うので。

たくさんの女性に興味を持ってもらいたいと思います。

 

ー では、まずは大人の女性向けに。

 

大人の自立した方向けに。

必ずしもパートナーがいなければ生きていけない時代でもないし、結婚しなくてもいいし、離婚してもいい。

もう少し、人生気軽に選択ができるといいなと。今はどうしてもお金の問題で選択肢が限られているので。

 

ー 著書の中で、専業主婦でお金がないから、離婚ができないという人もいるという話をしています。

 

そうですね、そういった友達の話を聞いていると、パートナーと喧嘩している話や悪口が多くて、すごく楽しくなさそうで、だけど生活するには仕方がない。

それが、お金の問題が解決されて、もっと自由になったらいいなと思います。

 

ー シェアハウスはすでに計画中ですか?

 

今は、映画や絵本、写真集などでもクラウドファンディングで立ち上げている人がたくさんいますよね。

なので、資金面で困ったらクラウドファンディングで募集したりとかもあるなって。

できないことはないので(笑)

 

ー エネルギーが凄いですね(笑)前回お聞きした通りで、やろうと思ったら本当にすぐ動くんですね。

 

杉原杏璃の健康と活力資産

 

2. モチベーションは地元の友達と家族

 

ー そういったことを実現していく上で、健康な身体と人間関係が欠かせません。投資や事業でも少し触れましたが、他にも杉原さんのモチベーションの源泉や、刺激になっている人はいますか?

 

モチベーションは地元の友達と家族です。

地元の友達が「頑張ってね」とか、「田舎にいる主婦の私たちからすると、杏璃が私たちの代表みたいだから、その分やりたいこと叶えてね」っていつも言ってくれるので、それが原動力になっているし、頑張っているよっていうのを見せたいです。

あとは、家族も。

みんな一緒だと思いますが、幸福感って誰かに何かをしてあげたときの方が感じると思います。

お金が貯まったら、家族のために車を買ってあげようとか、家を買ってあげようとか。

子供ができたら、子供のためにが原動力になるのかもしれません。

 

ー 地元が大好きだというのは凄く伝わってきます。家族や地元の友達からもパワーをもらっているんですね。

 

癒しでもあり、パワーをもらえる場所

私の中では、いまだに地元が大きくて、すべてです。

なので海外旅行もめったに行かないですし、休みがあるとすぐ実家に帰ります(笑)

それくらい、海外には仕事以外では基本的に行かないですね。それくらい帰るのが好き。

 

ー 地元愛がスゴいですね(笑)日常では、どのように心の充電をしていますか?

 

愛犬家で、もう13年一緒にいます。

何をするにも、愛犬にご飯を食べさせなきゃいけないので、帰りたいとかが中心になっています。

それが癒し。

DVD見ながら犬と戯れるのがリセット

ほんとオンとオフが凄く激しいので、オフのときはスッピンでジャージで何もしない。

ほんと引かれるくらいの腐女子になるので(笑)

それくらい、切り替えはすごく上手いです。

 

ー ルーティーンがきちんとできているんですね。

 

適度にざっくり抜く、というのが大事かなと。

真面目すぎると、色んなことができないと思います。

なので、今回取材受けて事前に質問表を見てその細かさに大丈夫かなって不安になりました(笑)

こんな私で恨まれないかなと。こんなきっちりできないので(笑)

 

マネージャー)

本人に事前に取材資料を渡したときに、マネージャーさんこれはすごい財産ですよ、凄く細かく私のことを調べて下さっている資料なので、大事にしておいてくださいって言われました。

ハードディスクにバックアップ取ってます(笑)

 

杉原さん)

これだけのパワーで来られたら、これだけのパワーで返さなきゃと思って今日来ました(笑)

 

杉原杏璃の健康と活力資産

 

3. チャレンジする人生も楽しい!

ー グラビアの仕事は身体が資本だと思うのですが、健康・スタイル維持のために昔から続けていることや、始めたことはありますか?

 

お陰さまで、グラビアの仕事を10年以上させて頂いてきたので、自然と19時時以降は食べないとか、冬場は夜はほぼお鍋しか食べないとか、太らないための習慣が自然と身に付いたので、身体的には病気をしたことが1度もありません。

その面でも、この仕事をしていてよかったなと。

やはりどの仕事でも同じだと思いますが、メンタルを整えるのは難しいですね。

私は気が強い方だし、自分はやれる人間だと思っているので、そんな私がまさか精神的に病むなんて思いもしませんでしたし、そういった話はよく聞くので、精神をコントロールするのは難しいですよね。

基本的には、息抜きを見つけることかなと。

あとは、何でも話せる人たちを周りにたくさん作ることが大事だと気付きました。

私は、身近にぶつけられる人がいるので、それが大切だと思います。

 

ー 芸能界のセカンドキャリア支援に興味は?

 

元々、興味がありました。

グラビアの子はどんどん雑誌がなくなり、AKBみたいなアイドルに席巻されて、形見が狭いなぁと感じていました。

なので、やりたいという想いがあって頑張ってみたのですが、いかんせん芸能界の子はフワフワした自由な子が多くて(笑)

だから、一般企業に入れないんだなという子も多くて、芸人さん見ててもやっぱり特殊なんですよ(笑)

周りの人から言われて動く子が、なかなかいない。一般の人の方が素直に聞き入れてくれる。癖が強くて難しいんです。

そもそも、芸能界という人生の選択をしている時点で自由人で、一生自分の好きなように生きていく人たちなのかもしれません。

 

ー ありがとうございます。様々な分野で活躍する杉原さんの、強さ・しなやかさの秘密が少し分かったような気がします。最後に、人生100年時代を自分らしく生きるためには、国や会社に頼りすぎず自分の意志で歩んでいくことが必要だと考えています。杉原さんのように自分で道を切り開ける人を応援する、メッセージをお願いします!

 

やったらやった分だけ夢は広がるし、経験値は広がります。

家の中に閉じこもったり、お金を眠らせているだけでは、楽しみも少ないので、ちょっとチャレンジしてみる人生も楽しいと思います。

投資じゃなくても、何かをきっかけに習い事とか、こんな世の中にガラッと変わったからこそ、生活スタイルなどを変えてみても、何かが変わるんじゃないかなと思います。

人生1回しかないので、実はそんなに守るものってあるのかなって。

とにかく、何か1つチャレンジしてみたらいいんじゃないかなと思います。

杉原杏璃の健康と活力資産

 


杉原杏璃の人生100年時代!夢を広げる投資と線を繋げる働き方

 

Part1:投資・資産運用編①  〜お金に困らない人生を

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Part2:投資・資産運用編② 〜始め方・学び方のヒント

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Part3:仕事・キャリア編 〜点を繋いで線にするキャリアの作り方

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Part4:仕事を支える健康編 〜心身を健康に保つヒント


プロフィール/敬称略

杉原 杏璃
(すぎはら あんり)

1982年生まれ、広島県出身。17歳で芸能界デビュー。グラビアを卒業後、2005年から続けている株式投資経験を綴った「株は夢をかなえる道具~女子のための株式投資入門~」(祥伝社)を2019年に出版すると増刷を重ねロングセラーに。その後も「不動産投資は自分らしく生きる道具」(祥伝社)を出版し、投資系のイベントやセミナー・講演など、様々な地域で出演中。

また、2014年に立ち上げたソフト補正下着のブランドの商品が大手通販専門チャンネルで7年にわたり現在もヒット中。更に多くの女性に喜んで頂ける商品を!と商品の開発にも取り組み活躍の幅を広げている。


金融資産を保有する目的は「将来や老後に対する備え」がNo.1

金融資産を保有する目的は何でしょうか?

多くの人が「将来や老後の生活費」や「将来の不測の事態への備え」を理由に上げています。

また、年収が高い世帯ほど、これらの備えへの意識が高い傾向が見られます。

個人や家庭によって状況が違いますので、各家庭に応じた備えができていれば問題ないと言えます。

ただ、一般的な傾向を知ることで、自分の状況を客観的に考えられると思います。

ぜひ参考にしてみてください。

1. 世帯年収別の金融商品保有額

まず、当然のことかもしれませんが、金融資産の保有額は世帯年収によって違いがあります。

世帯年収別の保有金融資産額日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(平成30年度)を元にRoute100編集部制作

年収が高くなるほど、保有する金融資産のレンジが高い層が増えることが分かります。

年収が1,000万円以上になると、金融資産保有額が500万円以上、1,000万円以上の層が顕著に増えてきます。

ただ、年収1,000万円未満の世帯では、60%以上が保有額500万円未満であることが分かります。

また、年収が高い世帯ほど、株式投資を中心に投資や資産運用を行う人が多い傾向にあることが分かっています。

年収が高い世帯ほど投資・資産運用を行っている傾向が強い

では、どういった目的で金融資産を保有しているのでしょうか?

2. 金融資産を保有する目的の全体傾向

まず、全体の傾向を見ると、「将来や老後の生活費」や「将来の不測の事態への備え」をああげる人が多くなっています。

金融資産の保有目的日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(平成30年度)を元にRoute100編集部制作

2019年に金融庁「市場ワーキング・グループ」の報告をきっかけに、老後資金2,000万円問題が話題となり、メディアでも頻繁に取り上げられました。

また、日本は世界でも最も少子高齢化が進んでいる社会です。

そのため、老後資金2,000万円の問題に限らず、「年金制度が破綻するのではないか?」「若い世代は年金がもらえない?」といった不安が根強くありますので、そういったことを背景に金融資産を保有している人が多いと考えられます。

また、実際には年金制度が破綻する可能性は低いと考えられます。

年金制度について詳しく知りたい方は、こちらの記事を合わせてお読みください。

年金制度は破綻しない?年金の種類と個人の備えを考える!

また、将来や老後といった長期的な備えの目的の次に、教育資金やレジャー費用といった、短中期的な目的が理由として上げられています。

3. 世帯年収別の保有目的

次に、世帯年収別では保有目的にどのような違いがあるかを見ていきます。

1)将来や老後の備え

まずは、最も多く理由として上げられている「将来や老後の生活費」について見てみます。

世帯年収別の金融資産保有目的日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(平成30年度)を元にRoute100編集部制作

全体的な傾向として、「将来や老後の生活費」が高いことが分かります。

ただ、年収が高い層ほど「将来や老後の生活費」を目的としている人が多い傾向にあることが分かります。

 

同様に、「将来の不測の事態への備え」についても見てみます。

世帯年収別の金融資産保有目的日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(平成30年度)を元にRoute100編集部制作

こちらは、世帯年収と一定の相関関係は見られませんが、次のことが推測されます。

  • 世帯年収700万円未満では、世帯年収の増加に伴って不測の事態に備える傾向が高くなる
  • 世帯年収700万円以上になると、下がる傾向にある

このデータからだけでは分かりませんが、年収が一定額を超えると漠然とした不安が弱くなるか、または保険などにより備えができているのかもしれません。


2)教育資金やレジャー費用

次に、教育資金やレジャー費用といった、短中期的に必要な目的について見てみます。

世帯年収別の金融資産保有目的日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(平成30年度)を元にRoute100編集部制作

教育資金については、以下のことが言えます。

  • 全体としては、世帯年収が高くなるほど教育資金を目的とする傾向が強くなる
  • ただし、100万円未満と1,000万円以上では傾向が異なる

同じようにこのデータだけでは分かりませんが、1,000万円以上では教育資金として確保する必要性が低くなり、一方で100万円未満では教育資金の確保が欠かせないのかもしれません。

 

最後にレジャー費用についてです。

世帯年収別の金融資産保有目的日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(平成30年度)を元にRoute100編集部制作

レジャー費用は、年収300万円〜700万円の中間層で高くなっています。

年収700万円を超える高年収層では、あえてレジャー費用として確保する必要性が低くなると考えられます。

まとめ

この記事では、次のことを見てきました。

  • 年収が高い世帯ほど、保有する金融資産が多い
  • 金融資産を保有する目的は「将来や老後の備え」のためが多い
  • 世帯年収が高くなるほど「将来や老後の備え」の意識が高くなる
  • 教育資金やレジャー費用を目的とするのは、比較的中間層が多い

実際に「老後資金のための、資産運用を行いたい」「教育資金の備えを行いたい」といった方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。

相談料は無料ですので、実際に始めるかどうかはアドバイスを受けてから考えてみても良いと思います。


 

相続が発生してから遺産分割が行われるまでの流れを把握しよう

あなたが亡くなってから、あなたの遺産は相続人に対してどう分割されるのでしょうか?

あなたが生前に遺言を書いていれば、遺言の通りに分割される?

実は、必ずしもそういうわけではありません。

相続が発生してから、相続財産がどのように分割されていくのか、分割の方法にはどのような種類があるのかを確認していきましょう。

1. 相続が発生してからの流れ

相続が発生すると、あなたの財産は、法的にはどういった状態になるでしょうか?

民法には、相続が発生したときには、まず、相続人全員の共有になると定められています。

相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する

民法「第八百九十八条 共同相続の効力」より抜粋、筆者強調表示

その後、その共有状態を解消して、相続人がそれぞれの財産が誰に帰属するかを決めていくのが、遺産分割です。

遺産分割は、遺言などで分割を禁止されている場合以外には、いつでも行うことができます。

共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。

民法「第九百七条 遺産の分割の協議又は審判等」より抜粋、筆者強調表示

ここで、疑問を持つ方もいるかもしれません。

亡くなった人(被相続人)が生前に作成する「遺言」と、相続発生後に相続人が行う「遺産分割」は、どちらが優先されるのでしょうか?

結論は、遺言は優先されるが絶対的な存在ではないと言えます。

遺言がない場合と、遺言がある場合それぞれの遺産分割の流れを見てみましょう。


1)遺言がない場合

遺言がない場合には、先ほどの民法の定めの通り、相続人全員の協議により自由に分割することができます。

つまり、話し合いで決めるということです。

もし、相続人の間で協議がまとまらない場合には、家庭裁判所に申し立てて、家庭裁判所の調停または審判により分割することとなります。

遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる。(以下、略)

民法「第九百七条 遺産の分割の協議又は審判等2」より抜粋、筆者強調表示・一部省略

「調停」と「審判」という言葉を使いましたが、聞き慣れないと思いますので補足します。

「調停」とは、家庭裁判所において、調停委員2名(弁護士など)が中心となり、相続人から意見を聞くなどして協議し分割方法を決めていく手続きです。

それに対して、「審判」とは、上記の調停で協議がまとまらなかった場合に、家庭裁判所の調停が不成立となり、家庭裁判所の裁判官が分割協議の結論を出すことをいいます。

このとき、相続人等は審判に不服がある場合には、審判書の受領後から2週間以内に高等裁判所に不服申し立てをすることができます。


2)遺言がある場合

遺言がある場合には、遺言に定める相続分の指定や、遺贈(遺言によって行う相続人以外への贈与)に従って分割を行います。

被相続人は、遺言で遺産の分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、又は相続開始の時から五年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。

民法「第九百八条 遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止」より抜粋、筆者強調表示

しかし、相続人全員で協議を行うことで、遺言による指定と異なる遺産分割をすることもできます。

つまり、生前に被相続人が遺言を遺していたとしても、相続人がその遺言の内容に納得できない場合には、相続人全員で協議をして自由に分割することができます

この章では、遺産分割の流れと、遺言の関係性をみてきました。

生前に被相続人が遺した遺言があったとしても、相続人全員による協議によれば自由に分割することができるという点がポイントです。

次に具体的な遺産分割の方法について確認していきましょう。

2. 遺産分割の方法

働き方の自由化

遺産分割の方法には、「現物分割」「換価分割」「代償分割」「代物分割」「共有分割」という5つの種類があります。

言葉だけでは、なかなか理解できないのでそれぞれを確認していきます。

1)現物分割

現物分割とは、相続財産を現物で分割する方法で、最も原則的な分割方法です。

例えば、相続財産である預金は長男に、不動産は次男に・・・といったように分割する方法です。

比較的イメージがしやすい分割方法かと思います。


2)換価分割

換価分割とは、相続財産を売却して、その売却代金(換価代金と言います)で分割する方法です。

例えば、相続財産である不動産を売却するなどして換価し、その換価代金を分割して相続するという方法です。

メリットは、換価により現金化するため、分割が行いやすい点です。

デメリットには、以下のものがあります。

  1. 換価財産を売却するために、手間と時間がかかる

  2. 相続人が換価代金で納税することを見込んでいる場合には、遅くとも、相続税の申告期限(相続発生から10ヶ月以内まで)には売却しなければならないため、時間がなく、場合によっては安く買いたたかれるなど不利な価格での売却となる可能性がある

  3. 換価財産を売却することになるので、売却益について譲渡所得税が発生し、換価代金を受け取る相続人全員が譲渡所得税を申告・納税しなければならない

3.の譲渡所得税については、特例の適用関係によって税負担が不公平になる可能性があるため、慎重に検討する必要があります。

例えば、居住用不動産(取得価額5,000万円)を売却価額1億円で換価(売却)した上で、換価代金である1億円を「同居の長男」と「遠方に住む次男」に5,000万円ずつ(1/2ずつ)分割するというケースを考えてみましょう。

もともと被相続人が5,000万円で取得した居住用不動産を1億円で売却したことになりますので、譲渡所得は5,000万円です。(売却価額1億円 – 取得価額5,000万円)

この譲渡所得が、長男と次男に1/2ずつ帰属しますので、それぞれの譲渡所得は2,500万円になります。

同居していた長男は、自分が住んでいた居住用不動産を譲渡することになるため、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」を適用することができます。(国税庁・タックスアンサー「No.3302 マイホームを売ったときの特例」より)

譲渡所得2,500万円から特別控除額3,000万円を控除するため、譲渡所得税は0円となります。

それに対して、遠方に住んでいる次男は、自らの住んでいる居住用不動産の譲渡には該当しないため、上記の3,000万円の特例を適用できません

譲渡所得2,500万円に対して20%(5年以上所有していた場合は所得税15%、住民税5%)の譲渡所得税が課税されるため、500万円を納税する必要があります。

一見、公平性が高いように見える換価分割ですが、このような落とし穴もありますので、慎重に検討することをお勧めします。


3)代償分割

代償分割とは、特定の相続人が自分の相続分を超えて相続財産を取得する場合に、代わりに自分の有する金銭等を他の相続人に支払う分割方法です。

例えば、相続財産が不動産1億円のみ、相続人が長男・次男の2名であったケースで考えてみましょう。

法定相続分は1/2ずつですので、長男・次男はそれぞれ5,000万円ずつ相続することができます。

このときに、長男が不動産1億円を単独で相続し、次男に対しては長男がもともと所有していた現金5,000万円を代わりに支払う分割方法を「代償分割」と言います。

なお、代償分割をする場合には、遺産分割協議書に「代償分割をした旨」を明確に記載することが必要です。

「代償分割をした旨」を記載していない場合には、相続人の間で贈与が行われたとみなされてしまい、贈与税が課税されてしまう可能性があるためです。


4)代物分割

代物分割とは、特定の相続人が自分の相続分を超えて相続財産を取得する場合に、代わりに自分の有する金銭等以外の財産(不動産など)を他の相続人に支払う分割方法です。

代償分割との違いは、他の相続人に支払う財産が「金銭等」か「金銭等以外の財産」であるかです。

代物分割の場合には、金銭等以外の財産の交付者は、その財産を時価で譲渡したものとみなされるため、譲渡所得税が課税されることとなります。

なお、代償分割と同様、代物分割の場合にも、遺産分割協議書に「代物分割をした旨」を明確に記載しなければ、相続人の間で贈与が行われたとみなされ、贈与税が課税されてしまいますので、注意が必要です。


5)共有分割

共有分割とは、一つの相続財産を共有して相続する方法です。

例えば、相続財産が不動産のみである場合に、長男・次男ともにその不動産の持分を1/2ずつ相続するといったケースです。

共有分割を選択した場合、次のようなリスクがあります。

  1. 共有分割では、財産を共有することになるため、相続人のうちの1人の意思で財産を処分することができない

  2. 共有で相続した相続人に、さらに相続が発生した場合、どんどん持分が分散していってしまう可能性がある。

  3. 財産を実際に誰が使用するのかといった点で、問題になる可能性がある。例えば、不動産であった場合、実際には誰が住むのかといった点で問題が発生しやすい。

この章では、遺産分割の方法を確認してきました。

遺産分割の際に発生する問題は、相続財産にすぐ換金可能な財産が少なく、相続財産の流動性が低いという点に端を発している場合が多いです。

例えば、相続財産のうち不動産が占める割合が非常に高いため、共有分割で相続することとなり、将来、使用方法などを決める際に相続人の間で揉めてしまう・・・といったケースです。

生前の相続対策を行う際には、財産構成を整えておくということが必要です。


3.遺産分割協議書の書き方

最後に、遺産分割協議書の書き方を確認していきましょう。

特に書式は定められていませんが、法務省が提示している記載例をご紹介します。

(出典:法務省001207255.pdf (moj.go.jp)

なお、遺産分割協議書は全員の合意を持って成り立つため、相続人全員の実印を押印することが求められます。

まとめ

この記事では、遺産分割する際の流れ、分割の方法、実際の遺産分割協議書のサンプルを確認してきました。

遺産分割の場面で、相続人の間でトラブルを起こさないためには、財産構成の見直しを含めた生前の相続対策が重要です。

相続や、相続後の資産の運用について不安がある方や相談したい方は、ぜひ一度相続・贈与に対応しているIFAや税理士等の専門家にご相談ください。


 

世帯年収700万円・1000万円で株式投資・投資信託の保有が増加

記事のタイトルの通り、年収が高いほど投資・資産運用を行っている割合が多いことを示すデータがあります。

正確には、年収が高いほど株式や投資信託などの金融商品を保有している割合が多く、かつ金融商品の保有額も多い傾向にあります。

実際にどのような傾向があるかを見てみましょう。

1. 保有金融商品の全体傾向

まず、全体の傾向を見ると、日本は預貯金に資産が偏っている状態です。

保有金融商品の変化日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(各年度)を元にRoute100編集部制作

2003年に金融庁は「貯蓄から投資へ」をスローガンに掲げて、投資・資産運用の浸透を図ってきました。

2003年から2013年にかけては証券税制の優遇があり、終了後の2014年には一般NISAによる税制優遇が始まり、2018年にはつみたてNISAの制度がスタートしました。

ただ、このグラフからは、投資が進んでいるとは言えない状況にあります。

2018年の調査では、株式・投資信託・債券のいずれかを保有している人の割合は約18%となっています。

つまり、5人に1人程度しか投資・資産運用を行っていないことになります。

金融商品の保有率については、こちらの記事で詳しく触れています。

金融商品の保有率から「貯蓄から投資へ」の変化を考える

2. 世帯年収別の保有率

次に、世帯年収別にどんな金融商品を保有しているか割合を見てみます。

1)預貯金の保有率

まずは、預貯金を見てみます。

預貯金の保有率日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(各年度)を元にRoute100編集部制作

預貯金は近い将来も含めた、最低限の備えと言えます。

そのため、当たり前のことかもしれませんが、預貯金はほとんどの人が保有していることが分かります。

  • 世帯年収が500万円を超えると、どの年収帯でも95%以上の人が預貯金を保有している
  • 世帯年収500万円未満では、年収と保有率に若干の相関関係が見られる
  • 世帯年収100万円未満でも、預貯金保有率は80%を超える

多少の傾向は見られますが、預貯金はどの年収帯でも保有率が高いことが分かります。


2)株式の保有率

では、次に株式の保有率を見てみます。

世帯年収別の株式保有率日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(各年度)を元にRoute100編集部制作

株式は全体平均では12.6%の保有率でしたが、世帯年収によって大きく状況が異なることが分かります。

  • 世帯年収が上がるにつれて、株式の保有率は高くなる傾向がある
  • 世帯年収が1,000万円を超えると、株式保有率は20%以上になり、年収2,000万円以上では40%以上の人が保有している

年収が高い人は、株式による投資・資産運用を行う傾向が強いことが分かります。

一方で、年収100万円〜500万円の世帯でも、10%前後の人が株式を保有していることも見てとれます。


3)投資信託の保有率

3つ目は投資信託です。

世帯年収別の投資信託保有率日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(各年度)を元にRoute100編集部制作

投資信託の平均保有率は9.2%と、株式と比べて3.4ポイント少ない状況です。

  • 投資信託も世帯年収が高いほど、保有率が高くなる傾向にある
  • ただし、株式に比べると世帯年収との相関は弱くなる

年収300〜700万円では、株式と投資信託の保有率はあまり変わらないことも分かります。


4)債券の保有率

最後に債券を見てみます。

世帯年収別の債券保有率日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(各年度)を元にRoute100編集部制作

債券は平均保有率が2.6%と、元々低い状態です。

世帯年収別の保有率を見ても、若干の傾向は見られますが、全体的に保有率が低いと言えます。

これは、国債の金利が低いため、どの年収帯の人にとってもあまり魅力的でないことが理由として考えられます。

このアンケートが取られた、2018年の日本国債の年利は0.05%です。

多少年利が良いとはいえ、ほとんど銀行預金と変わらない状態です。

より国債について知りたい方は、こちらの記事も合わせてどうぞ。

債券投資は堅実な投資の手段!国債などの種類と金利の違い

3. 世帯年収別の金融商品保有額

では、保有額にはどのような違いがあるでしょうか。

世帯年収別の保有金融資産額日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」(各年度)を元にRoute100編集部制作

これも当たり前のことかもしれませんが、世帯年収が高いほど金融商品の保有額も多い傾向があります。

単純に余裕があるからとも言えますが、世帯年収が高いほど投資・資産運用の意識が高いとも考えられます。

一般的に、金融リテラシーの高さと、年収、保有資産には相関があるというデータもあります。

興味のある方は、こちらの記事も合わせてどうぞ。

金融リテラシーはなぜ必要?投資の失敗を防ぐための知識を身に付ける

まとめ

この記事では、次のことを見てきました。

  • 日本は預貯金比率が非常に高く、ほとんどの人が保有している
  • 世帯年収が高いほど、株式の保有率が顕著に高くなる
  • 世帯年収が高いほど、金融商品の保有額も高くなる

「資産運用は必要だと思っているけど、やり方が分からない」「投資を始めたいけど不安」といった方も多いと思います。

そういった方は、1度アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。

相談料は無料ですので、実際に始めるかどうかはアドバイスを受けてから考えてみても良いと思います。


 

遺言の種類「公正証書遺言」は安全・確実な方法

公正証書遺言は、安全かつ確実に遺言を残す方法です。

遺言の種類には、他に「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」と、緊急事態における遺言として「特別方式の遺言」があります。

このうち、公正証書遺言は公証役場において公証人が作成し、証人が内容を確認して作成する確実性の高い遺言です。

具体的にどういったものかを見ていきましょう。

1. 公正証書遺言とは何か?

まずは、「公正証書遺言」が、民法上にどう規定されているかを確認していきましょう。

また、遺言について基本から知りたい方はこちらの記事も合わせてどうぞ。

孫に財産を引き継ぐ 思いを正しく遺言に残して、スムーズな相続を

1)公正証書遺言とは

民法上、「公正証書遺言」の手続きについては、下記の通り規定されています。

公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 証人二人以上の立会いがあること。

二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。

三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。

四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。

五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。

民法「第九百六十九条 公正証書遺言」より抜粋、筆者強調表示

民法の規定は上記の通りですが、少々複雑ですので、下記に整理してみます。

  1. 遺言にあたり、2人以上の証人が立ち会います。

  2. 遺言者が、遺言の趣旨を公証人に口頭で伝達します。
    なお、遺言者が口がきけない者(喋ることができない者)である場合には、手話を解する者による通訳等や自書によって公証人に伝達することも可能です。

    また、遺言者が入院中であるといった場合など、公証役場に出向くことが困難である場合には、公証人に出張してもらうことも可能です。

  3. 公証人が、遺言者の口頭の伝達内容を筆記します。
    それを、遺言者と証人に読み聞かせ、または、閲覧させます。

    遺言者、または、証人が耳の聞こえない者である場合には、手話を解する者による通訳等によることも可能です。

  4. 遺言者・証人が、筆記が正確であることを確認した後、各自署名押印をします。
    その際、遺言者は実印を押印します。(証人は、認印でも差し支えありません。)

  5. 公証人が、この証書は上記の方法に従って作ったものである旨を記して署名・押印します。

これで「公正証書遺言」の完成です。

遺言者が口述し、それに基づいて公証人が遺言書を筆記する点が、「自筆証書遺言」や「秘密証書遺言」と異なる特徴です。


2)公正証書遺言のイメージ

公正証書遺言のイメージを以下に示します。

本来、証人は2名以上が必要ですが、紙幅の都合上で1名分しか記載していない点についてはご注意ください。

また、下記のうち「行書体」の部分は自書(手書き)することが必要です。

出典:「法務省によるひな形」を筆者が一部加工

 


3)証人について

上記の中で「証人」という言葉が出てきましたが、民法においては、下記に該当する者は「証人になれない者」であるとして定められています。

次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。
一 未成年者
二 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
三 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人

民法「第九百七十四条 証人及び立会人の欠格事由」より抜粋

上記の通り、親族などでは証人になることができませんので、証人2名以上を立てるのに苦労するケースも多くあります。

そういった場合には、証人を弁護士に依頼することも可能です。

費用は発生してしまいますが、弁護士は職務上厳格な守秘義務を負っていますので、内容については秘密を守ることが可能となります。


4)手続きに必要な書類

公正証書遺言の手続には、下記の書類が必要となります。

  1. 遺言者本人の本人確認資料(印鑑登録証明書又は運転免許証、住基カード等顔写真入りの公的機関の発行した証明書のいずれか一つ。)
  2. 遺言者と相続人との続柄が分かる戸籍謄本
  3. 財産を相続人以外の人に遺贈する場合には、その人の住民票(法人の場合には資格証明書)
  4. 財産の中に不動産がある場合には、その登記事項証明書(登記簿謄本)と、固定資産評価証明書又は固定資産税・都市計画税納税通知書中の課税明細書
  5. 証人予定者の名前住所生年月日及び職業をメモしたもの

出典:日本公証人連合会「公証事務・遺言

公証役場で相談する際には、あらかじめ上記の資料を準備してから行くことをお勧めします。

ここまで、公正証書遺言の法的な要件を確認してきました。

次に、公正証書遺言のメリット・デメリットを見てみましょう。

 

2. 公正証書遺言のメリット

メリットとデメリット

公正証書遺言のメリットは、大きく2つです。

  1. 保管が確実で安全
  2. 検認手続きが不要

1)保管が確実で安全

公正証書遺言によった場合には、公証人の面前で口述をした後に、公証人が筆記をすることにより作成しますので、遺言の存在は明確化されますし、形式面で問題が起こることは基本的にはありません。

その後、公正証書遺言の原本が公証役場に保管されることになるため、保管が確実であり、紛失・変造のリスクがありません

それに対して、自筆で作成する自筆証書遺言は、自宅で保管した場合には紛失のリスクがありますし、遺言を見つけた相続人が破棄・変造をしてしまう可能性があります。

また、自己作成であるため、形式的な要件を満たさないこととなるリスクがあります。

この点から、公正証書遺言は確実性が高く、安全な遺言の方式であるといえます。

また、自筆証書遺言について知りたい方はこちらの記事も合わせてどうぞ。

計画的な貯蓄を 遺言の種類「自筆証書遺言」は手軽だが注意が必要

2)検認手続きが不要

公正証書遺言によった場合には、「家庭裁判所の検認」という手続きが不要となります。

家庭裁判所の検認とは、遺言者が亡くなった後に、家庭裁判所において出席した相続人の立ち会いのもと、裁判官が遺言を開封する手続きです。

検認の手続きには「約1か月~2か月程度」の期間を要し、相続人は家庭裁判所に実際に赴く必要があることから、相続人にとっては大きな負担となってしまいます。

検認の手続きは、遺言の偽造・変造を防ぐために義務付けられている制度ですので、遺言の偽造・変造のリスクのない公正証書遺言の場合には不要とされています。

対して、「法務局保管制度を活用しない自筆証書遺言」や「秘密証書遺言」の方式によった場合には、家庭裁判所の検認の手続きを行うことが求められます。

 

では、公正証書遺言のデメリットは何でしょうか?

3. 公正証書遺言のデメリット

安全かつ正確な公正証書遺言ですが、手続きの煩雑さと、証人から秘密が漏れる可能性があることがデメリットです。

1)手続きが煩雑で費用がかかる

前述の通り、公正証書遺言の手続きは非常に煩雑です。

また、公正証書遺言は、財産の価額に応じて、公証人手数料令に定められた公証人手数料が発生します。

公証人手数料の金額は、以下の通りです。

出典:日本公証人連合会「公証事務・遺言

例えば、公正証書遺言に記載している財産の価額が5,000万円であれば、公証人手数料は43,000円となります。


2)証人から秘密が漏れる可能性

公正証書遺言を作成する際には証人2名を立てる必要がありますので、証人から遺言の内容が漏れてしまう可能性があります。

もし、この点が不安であった場合には、証人を弁護士に依頼することで遺言の秘密が漏洩してしまうリスクを低減させることができると考えられます。

まとめ

この記事では、遺言者の思いを相続人に遺すための方法である遺言の1つ「公正証書遺言」について取り上げてきました。

公正証書遺言は、公証役場において公証人が作成し、証人が内容を確認して作成するため、確実性の高い遺言です。

労力と費用は掛かりますが、確実性の高い遺言を作成したい場合には「公正証書遺言」をお勧めします。

また、遺言は相続対策の有力な一つの手段ですが、できればそれだけではなく、生前に相続についてしっかりと検討をして、生前贈与などを含めた相続対策を行うことで、相続人へスムーズに資産を移転することが望ましいと思います。

相続や、相続後の資産の運用について不安がある方や相談したい方は、ぜひ一度相続・贈与に対応しているIFAや税理士等の専門家にご相談ください。


 

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