IFAの現状〜認知度とともに預かり資産残高が増加中

2019年4月24日に開催された「市場ワーキング・グループ」において、IFAの育成・普及を推進する必要があるという見解が示されました。

IFAとはIndependent Financial Advisorの略で、独立系金融アドバイザーのことです。

金融庁は「顧客本位の業務運営」への取り組みを強化していますが、これまでの金融機関にはまだ改善が必要だと考えているようで、特定の金融機関に所属していないIFAへの期待があると考えられます。

一方で、IFAはまだ認知度が低く、業者によって対応範囲が異なることも指摘されています。

この記事では、この市場ワーキング・グループの内容をお伝えします。

 

1. IFAとはどういった存在か?

まずは、IFAとはどういった存在かを簡単に取り上げます。

※図はRoute100編集部による補足

IFAは、証券会社が取り扱う金融商品をお客様に仲介を行います。

証券会社と委託契約を結んで取り引きを行なっていますが、証券会社からは独立した存在なので、指示を受けるようなことはありません。

また、お客様の状態に応じて、ライフプランや資産計画の策定などの、お金に関連する総合的なアドバイスを行います。

また、金融商品仲介業の資格を持っていますので、アドバイスだけではなく、実際にお客様の金融商品売買の実行支援・継続的なフォローも実施します。

 

2. IFAに関する調査結果

本を読んで学ぶ

この市場ワーキング・グループでは、預かり資産残高が大きいIFA10社に対して、調査を行なっています。

調査対象は10社とそれほど多くはありませんが、10社の間にも大きな違いがあることが分かっています。

  • 1人あたりの手数料収入、預り資産残高、顧客数、所属外務員の人数などに大きな違いがある
  • 本店を関東に置くIFA業者が半数以上を占めるが、東海・北陸・近畿・中国の各地域にも預り資産の大きな業者が存在している
  • 10社中6社は複数の証券会社と契約している

3. IFAの預かり資産残高が大きく増加している

この市場ワーキング・グループでは、IFAの預かり資産残高やその内訳についても調査を行なっています。

IFAの預り資産残高の合計をみると、平成28年・2016年3月末時点では1,778億円、平成30年・2018年3末時点では3,364億円です。

2年間で2倍近くに増えています。

金融庁「市場ワーキング・グループ(第22回)」より抜粋

これは、そのままIFAに相談する人が増えていることを意味しています。

また、右のグラフは預かり資産をどのような金融商品で保有しているかの割合を表しています。

これを見ても分かる通り、取り扱う商品はIFAによって様々です。

投資信託のみのIFAもいれば、ラップや外国株式を取り扱うIFA、株式の取り扱いが多いIFAもいます。

そのため、自分に合ったIFAを見つけることも必要だと考えられます。

また、IFAの収入の内訳を見ると、金融商品仲介による収入が86.5%と大半を占め、保険代理による収入は9.6%になっています。(平成29年度)

このことから、IFAは保険も扱うが、投資・資産運用を中心とした存在であるとも言えそうです。

4. 年代別の預り資産の内訳と保有期間

次に、先ほどの預かり資産の内訳を見てみます。

左のグラフは、年代別に預かり資産の内訳を示したものです。

金融庁「市場ワーキング・グループ(第22回)」より抜粋

全体として、投資信託の保有比率が高いことが特徴と言えるかもしれません。

また、50代までは投資信託・債券が5割以上を占める一方で、60代以降で株式の割合が増え、4分の1以上を占めていることは少し意外な結果とも言えます。

 

また、右のグラフは預かり資産のうち、投資信託の平均保有期間を表したものです。

平成29年度における、IFA10社の中央値は5.7年となっています。

同じ市場ワーキング・グループの調査によると、投資信託の平均保有期間は、主要銀行が4.1年、地域銀行3.5年、大手証券で3.0年となっています。(金融庁「市場ワーキング・グループ(第25回)」)

このことから、主な銀行や証券会社に比べると、IFAは投資信託の保有期間が長いと言えます。

一方で、先ほどのグラフを見ると、保有期間が2年未満のIFAもあれば、10年を超えるIFAもあります。

IFAによっても、保有期間には大きな差があると言えそうです。

5. 顧客数の推移と年齢構成

IFAに相談している人の年齢はどうなっているでしょうか?

口座ベースで顧客数の変化を見ると、各年代ともに増えていることが分かります。

金融庁「市場ワーキング・グループ(第22回)」より抜粋

2018年時点での割合を見ると、次のようになっています。

年代 構成比
30代 24.3%
40代 23.5%
50代 19.5%
60代以上 32.4%

意外と、30代・40代も多いと思った方もいるのではないでしょうか。

 

また、右のグラフはIFA別に見た顧客の年齢構成比です。

60代以降の顧客が半数以上のIFAもいますが、40代までの顧客が3/4を占めるIFAもいます。

年齢構成比も、IFAによって様々だと言えそうです。

6.所属外務員の状況

ここまで、IFAの預かり資産残高と顧客数が増えていることを見てきました。

それに伴い、IFAに所属している外務員の人数も増えています。

金融庁「市場ワーキング・グループ(第22回)」より抜粋

10社の外務員の合計人数は、平成27年・2015年3月末の198人でしたが、平成30年・2018年12月末には365人にまで増加しています。

 

また、IFAは比較的新しい職業とも言えますが、証券外務員の資格が必要なことから証券会社出身の人が最も多く、65%に登ります。

保険や金融商品を取り扱うため、証券外務員以外では、保険や銀行出身者が多くなっています。

まとめ

この記事では、2019年4月24日に行われた金融審議会「市場ワーキング・グループ」にて取り上げられたIFAの現状分析を紹介しました。

業界としてはまだ発展途上にあると言えるため、今後大きく変化していく可能性があります。

ただ、それぞれのIFAが顧客本位の業務運営を行なっていくことで、お客様からの業界全体の信頼度が向上し、日本のみなさんのお金の問題を解決していくことができるのではないかと思います。

今後の、IFAのさらなる認知拡大に期待したいと思います。

※本ページに記載されている内容は2021年3月8日時点のものです
※記載内容に誤りがある場合、ご意見がある方はこちらからお問い合わせください

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