<50代向け>自分に必要な老後資金と備えの収入増・資産運用

老後資金は、教育費・住宅費と並ぶ、人生3大支出の1つです。

そして、自分に必要な老後資金を考えるためには、人生の最終目標を決めて、その目標を達成するためのマネープランを考える必要があります。

2019年に、老後資金2,000万円が問題となりましたが、実際に必要な老後資金は1人1人異なるため、2,000万円では足りないかもしれませんし、十分なのかもしれません。

いずれにせよ、予想外の事態が起こったり、長寿化も進んでいるため、できるだけ預貯金を切り崩さずに生活できるような備えが必要です。

預貯金を切り崩さないためには、定期的な収入を得ることが必要で、その手段には大きく、働いて稼ぐ方法と資産運用で稼ぐ方法があります。

この記事では、50代の方を対象に老後資金のことを考えてみたいと思います。

1. 働いて稼ぐ=セカンド・キャリアを考える

長い間働いてきてやっと定年を迎えるのに、もっと働かないといけないのか。。と思う方もいるかもしれません。

ただ、実際には定年までの働き方と定年後の働き方には違いがあります

定年までは、家庭を支え、教育費や住宅ローンを払うなどある程度稼ぐ必要があります。

一方で、定年後はベースとなる年金があるため、足りない分だけを稼げば良いということになります。

また、働きたくないと考えている人の理由も様々だと思います。

  • 職場が遠く、通勤時間が長いことが苦痛
  • 拘束時間が長く、プライベートの時間が取れない
  • 人間関係が面倒
  • そもそも好きな仕事ではない

このように働きたくないと考えている理由を分析することで、定年後はそのマイナスを解消する仕事に就くことで、楽しいセカンド・キャリアにできる可能性があります。

この表は、セカンド・キャリアの考え方です。

著者制作

セカンド・キャリアを考える際に、これまでやってきたことと、これからやってみたいことを棚卸し、A〜Dの枠に思いつくままに書き込んでみましょう。

仕事に限らず、趣味や特技なども書き込んでみると良いと思います。

 

いかがでしょうか?

セカンド・大きく2つの次のように考えることができます。


(1)セカンド・キャリアで避けたい仕事

CとDに入った仕事は、できるだけ避けたいものです。

Dは「やりたくない上に、できそうもないこと」です。

そのため、検討対象から外して良いと考えます。

 

次に、Cは「やりたくはないが、できること」です。

これも、基本的に「やりたくないこと」ですので積極的に選択する仕事ではないと考えられます。

ただし、「やりたくない」には仕事そのものが嫌だという以外の、人間関係や通勤などが理由になっている可能性もあるため、改めて「本当にその仕事が嫌なのか?」を考えてみてもいいと思います。

長年仕事をして身に付けた「できること」なので、簡単に捨ててしまうのは少しもったいないと思います。

また、少し後ろ向きではありますが、やりたい仕事ができないときの保険として残しておきたい選択肢です。


(2)セカンド・キャリアで積極的にやりたい仕事

AとBの仕事に取り組むと、セカンド・キャリアが楽しくなります。

まず、Aは「やりたい上に、できること」ですので、迷わず取り組むべきだと思います。

先ほどお伝えした通り、定年後はフルタイムで働く必要性は少なくなります。

「労働時間や通勤時間を減らすことができれば続けたい」、などの条件があれば「今の職場に相談する」ことや「近隣の職場を探す」ことも考えられます。

いずれにせよ、定年後にどのように働きたいか、実際にその働き方ができるかを調べ、定年までに準備を進めることが重要です。

 

そして、実は一番チャレンジしたいのがBの「できるか分からないが、やりたいこと」です。

やりたいと思っているけど、次のような理由できない方は多いのではないでしょうか?

  • そのスキルを身に付ける時間がない
  • 今の仕事があるので経験するのが難しい
  • 家庭があるので、お金にならないことができない

もし、このような理由でやりたいことができないのであれば、定年までにできない理由をなくしていくことを考えてみても良いと思います。

それが、50代で考えるべきセカンド・キャリアの準備です。

例えば、以下のような定年後に新たなキャリアを見つけている事例があります。

  • 絵の得意な会社員が、LINEスタンプを販売してテレビで話題に
  • 手芸が得意な主婦が、作った作品をインスタグラムにアップしていたところ、要望を受けてハンドメイド作家に

収入を維持しようとすると、いきなりこういったことに舵を切るのは難しいと思います。

しかし、大きく稼ごうとしなければ、チャンスは色んなところに転がっています

自分では価値があると思っていないスキルでも、他の人からするとお金を払う価値があるものだというケースはあります。

今は、インターネットを通して、仕事をしたい人と仕事を依頼したい人を繋ぐサービスも一般的になりつつあります。

こういったサービスで、どのような仕事依頼があるかを調べてみても良いと思います。

サービス名 キャッチコピー
Lancers(ランサーズ) 日本初、国内最大級のクラウドソーシングサービス。「仕事を依頼したい人」と「仕事を受注したい人」が出会える、安心・安全のお仕事マーケットプレイス。
ストアカ 習いごとを探すならストアカ。教えると学ぶをつなぐ、日本最大級のスキルシェアサービス。
coconala(ココナラ) みんなの得意を売り買い。スキルのフリーマーケット。
ビザスク 業界業務の経験豊富な「その道のプロ」に、1時間からピンポイントに相談できる日本最大級のスポットコンサル。

次は、孔子の言葉です。

汝の愛するものを仕事に選べ、そうすれば生涯一日たりとも働かなくて済むであろう

好きなことを仕事にすれば、働いている意識すらなくなるということです。

もし、今の仕事がそうでないのであれば、セカンド・キャリアで実現することも考えてみましょう。

2. 個人型拠出年金 iDeCoで資産を増やす

iDeCoで老後資金を運用

ここまでは「働いて稼ぐ」考えをご紹介しました。

ここからは「資産運用で増やす」考えに触れてみたいと思います。

今さら資産運用をしても遅いのでは?

と思っている方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

50代からでは遅いと考える理由は、「定年まであまり時間がない」と考える体と思います。

しかし、現行制度では、iDeCoの受け取り開始年齢を70歳まで伸ばすことができます。

さらに、一括受け取りではなく分割受け取りを選択すれば、最長20年間資産運用を続けながら受給することが可能です。

そのため、70歳から受け取りを開始した場合は、最長90歳までiDeCoによる資産運用が可能です。

これが、50代から初めても遅くない理由です。

ただし、掛金を拠出できるのは60歳までなので、なるべく運用元本を大きくするためには早く始めることが重要です。

※2022年5月以降は、拠出可能年齢が65歳まで延長されます。今後も延長される可能性はあり、いずれにしても「遅くない」理由は大きくなっていると考えられます。

また、iDeCoに加入できるか、掛金の上限額がいくらかは、勤務先の企業や加入している年金制度によって変わってきます。

国民年金基金連合会が運営する公式サイトで、簡単に確認ができますので、ぜひ1度確認してみてください。

 

では、iDeCoを活用するメリットは何でしょうか?

もう少し詳しく解説します。


メリット① 投資した資金の分だけ所得控除を受けられる

まず、iDeCoに投資をした資金の分だけ、所得控除を受けることができます。

50代の平均年収は、20代・30代より高くなっているため、所得控除によるメリットは大きいと言えます。

以下の数字は、毎月2.3万円、年間27.6万円をiDeCoに拠出した場合に受けられる所得控除額です。(月2.3万円は、国民年金の第2号被保険者、つまり会社員や公務員が拠出可能な最大額です。)

国民年金基金連合会『かんたん税制優遇シミュレーション』にて試算
※ 住宅ローン控除の利用状況や、条件によって個人差があるため、簡易シミュレーションの値です

拠出額が同じでも、年収が高い人ほど享受できる税制優遇のメリットが大きくなる可能性があります。

そのため、収入とともに税負担が増えている50代では、よりiDeCoを使うメリットがあるとも言えます。


メリット② 資産運用で得られた利益が非課税になる

また、iDeCoの口座で得られた資産運用による利益は非課税になります。

通常、投資信託や株などの投資で得られた利益には、売却時に20.315%の税金が課されるます。

一方、iDeCoで運用した場合は非課税となるため次のような差が生じます。

毎月2.3万円を10年間、利回り3%で運用した場合の例

同じ金融商品であれば、どちらの口座で運用しても利回りは変わりません。

そのため、単純に課税額の分だけ受け取ることのできる金額が増えます

また、この図は10年後のシミュレーションですが、10年後に受け取らずに運用を続ければ、さらに非課税額は増えると考えられます。

 

また、iDeCoでは、資産運用期間中にどの資産に投資をするかという、資産配分を変更することができます。

これをスイッチングと言い、このスイッチングの際の売却利益も非課税になります。

次の図は、通常の課税口座でスイッチングを行なった場合に発生する税金です。

課税口座でのスイッチング時の課税イメージ

このように、通常口座ではスイッチングによって資産が減ってしまいます。

一方で、iDeCo口座では、課税を気にせずスイッチングを行うことができる点も大きなメリットだと考えられます。

 

3. 50代からの資産運用で工夫すべきこと

家を守る

ここまで見てきたように、50代からでもiDeCoを使って資産運用を行うメリットは十分にあります。

むしろ、iDeCoを活用しないのはもったいないと思います。

1つ注意する点があるとすると、やはり期間の問題から運用額に限界があることです。

これを補うための対策を考えてみましょう。


(1)夫婦ともにiDeCoを利用する

iDeCoは個人型拠出年金ですので、夫婦ともに加入することができます。

そうすることで、運用額・拠出額を大きくすることができます。

現行制度では、第三号被保険者である専業主婦・夫もiDeCoの加入することができます。

掛金の上限額も、会社員と同じ23,000円ですので、夫婦でそれぞれiDeCoを利用することも検討してみましょう。

ただし、配偶者の扶養である場合は、所得控除による税制優遇のメリットは受けられません。


(2)つみたてNISAを組み合わせる

また、iDeCoだけではなく、同じく資産運用による利益が課税対象外となる、NISA・つみたてNISAの活用も組み合わせた運用も考えられます。

特につみたてNISAは、長期・積立・分散投資を目的とした制度です。

つみたてNISAは、年間40万円まで投資が可能で、最長20年間非課税で資産運用を行うことができます。

iDeCoや企業型確定拠出年金制度に加えて、つみたてNISAも活用することで、税制優遇を受けながら投資を行うことができるため、これら制度は積極的に活用したいものです。


(3)50代からの運用で気をつけること

ここまで、iDeCo、NISAを利用した資産運用をご紹介してきました。

最後に、50代からの資産運用で気をつけたいことをお伝えします。

資産運用を考えたときに、やはり運用期間が短いことはリスクでもあります

運用期間が長い場合は、市場の下落があった場合でもその後のリカバリーが可能です。

一方で、運用期間が短い場合、大きな市場下落があった際のリカバリーが難しくなります。

そういった事態への対策として、以下のような考えを持つ必要があります。

① 受け取り時期に余裕を持つ

例えば、iDeCoなどの年金を一括受け取りしようとしていた直前に、リーマンショックのようなことが起こってしまった場合、元本割れした状態で受け取ってしまう可能性があります。

そのため、元本割れしている場合には受け取り時期を延期することで、リカバリー期間を設ける必要があります。

また、そのように受け取り時期を延期しても生活費に困らないように、使う予定のある資金については、預貯金や国債などの安全資産で保有しておく備えが大切です。

② リスクを抑えた運用をする

先ほどもお伝えしたように、運用期間が短い場合はリカバリーが難しくなります。

定年まで30年・40年の期間がある世代と比べると、大きなリスクを取ることが難しいのは事実です。

ハイリスク・ハイリターンを狙わず、リスクを抑えた堅実な運用を心掛ける意識が必要です。

リスクを取った運用が必要な場合は、資産を分けて余裕資金で挑戦するようにしましょう。

まとめ

この記事では、50代からの老後への備えとして以下のことをお伝えしてきました。

  • 定年後にもある程度働いて稼ぐ、セカンド・キャリアを考える
  • iDeCoや、つみたてNISAを活用した資産運用で備える
  • 50代からの資産運用は、余裕を持った運用を心掛ける

このようなことに気を付けて、定年後を自分らしく楽しく過ごすことができる備えを今から行なっていきましょう。

老後資金や資産運用について不安がある方や、具体的にどうしたらいいか分からない方は、お気軽にご相談ください。

※本ページに記載されている内容は2021年3月11日時点のものです
※記載内容に誤りがある場合、ご意見がある方はこちらからお問い合わせください

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