iDeCoとつみたてNISAを比較!投資可能期間と引き出し制限

iDeCoとつみたてNISAは、税制優遇のメリットがある制度という点では同じですが、制度の目的が違うことをお伝えしました。

その目的の違いから、制度の内容にも違いがあります。

その中で、iDeCoとつみたてNISAの大きな違いは次の3点です。

  • 所得控除のあるiDeCoの方が、税制優遇のメリットが大きい
  • 若い人ほど、iDeCoで資産運用できる期間が長い
  • つみたてNISAはいつでも引き出せるが、iDeCoは原則60歳まで引き出せない

この記事では、iDeCoとつみたてNISAの投資可能な期間、引き出しの制限について詳しく見ていきたいと思います。

また、iDeCoとつみたてNISAの基本的な概要を知りたい方は、こちらの記事も合わせてどうぞ。

長期投資の考え

iDeCoとつみたてNISAを比較!制度の概要とメリット・デメリット

1. つみたてNISAとiDeCoで、購入・資産運用が可能な期間

つみたてNISAとiDeCoは、それぞれ投資可能な期間、資産運用が可能な期間が異なります。

  購入可能な期間 資産運用が可能な期間
1)つみたてNISA 最大20年間
※2042年まで購入可能
各年、購入から最大20年間
2)iDeCo 65歳まで
※2022年5月までは60歳まで
最長90歳まで
※70歳で受給開始、20年分割受け取りの場合

1)つみたてNISA

まず、つみたてNISAで投資信託を購入可能な期間は20年間です。

つみたてNISAは2018年にスタート、制度の期限は当初2037年までとされていました。

つまり、制度開始と同時につみたてNISAを利用し始めた人以外は、実質20年間購入することはできない状態になっていました。

例えば、2000年に利用開始した場合は、購入可能な期間が17年と短くなってしまいます。

そのため、利用開始が遅れた人の中には、メリットが小さくなったため、利用開始に踏み出せなかった人もいるのではないでしょうか。

 

しかし、上の表にも記載している通り、この記事を執筆している2021年3月時点では、2042年まで投資信託の購入が可能なように制度が改正されています。(金融庁「令和2年度税制改正について」より)

つまり、今つみたてNISAを始めれば、20年間購入できるメリットを最大限活かすことができます。

 

また、つみたてNISAは購入した年から最長20年間資産運用を行うことができます。

つまり、次のようになります。

  • 2022年に購入した投資信託 → 最長2042年まで運用可能
  • 2042年に購入した投資信託 → 最長2062年まで運用可能

先ほどお伝えした2042年は、購入可能期限です。

購入した年に関わらず、運用は最長で20年間行うことができます。

 

2)iDeCo

一方で、年金制度であるiDeCoの投資可能期間は、年数ではなく年齢です。

こちらも、制度開始当初は期限が60歳まででしたが、2022年5月以降は65歳まで投資が可能になります。(厚生労働省「確定拠出年金制度が改正されます」より)

iDeCoは、若いうちに始めるほど、購入期間・運用期間ともに長くなります。

投資・資産運用の王道に「長期投資」の考え方があります。

長期投資を行うことで、資産を大きく増やせる可能性があるためです。

30歳で始めれば35年間、40歳で始めれば25年間購入することができるため、多少リスクを取りつつ、高いリターンを狙ったポートフォリオも組みやすくなります。

長期投資のメリットについて、もっと知りたい方はこちらの記事もどうぞ。

ポートフォリオを考える 投資の基本!投機とは違う、失敗しないための資産形成術

また、iDeCoは受け取り開始年齢と受け取り方法を選ぶことができます。

  • 受け取り開始年齢は、60歳から75歳の間で選択が可能 ※
  • 受け取り方法、一括と分割のどちらかを選択可能(分割の場合は、5年・10年・15年・20年から選択)

※2022年4月までは60歳から70歳まで(厚生労働省「確定拠出年金制度が改正されます」より)

iDeCoでは、年金として受け取るまで資産運用を行うことができます。

そのため、受け取り開始年齢を75歳、20年分割受け取りを選択した場合、最長で95歳まで運用を行うことができます。(受け取り開始年齢以降は、徐々に運用額が減少していきます。)

 

このように、つみたてNISA・iDeCoともに人生100年時代に合わせて、期間が延長されてきており、この流れは今後も続くと考えられます。

iDeCoは引き出し年齢の制限に注意

年金制度と年金手帳

ここまで、それぞれの制度のメリットをご紹介してきましたが、最後に制度を利用する上で知っておかなければならない注意点をお伝えします。

それは引き出し年齢の制限です。

つみたてNISA なし
iDeCo 原則60歳まで引き出しができない

この表の通り、つみたてNISAは投資した資産をいつでも引き出しが可能です。

注意が必要なのは、iDeCoです。

先ほどもお伝えした通り、iDeCoは年金制度の1つです。

そのため、60歳になるまでは原則解約することができません

このことから、60歳になる前に使う可能性のある資金を運用する場合は、つみたてNISAを選択するべきです。

 

先ほど、若い世代はiDeCoを使うことで長期運用ができるとお伝えしましたが、若い世代には結婚・出産・子供の教育・住宅費など多くのイベントが控えています。

そのため、若い世代がiDeCoに多くの資金を投資することは現実的には難しいかもしれません。

ただ、資産運用の王道は「長期・つみたて」です。

人生100年時代を生き抜くためには、少額でもコツコツ積み上げていくことが大切です。

iDeCoの掛金は5,000円からですので、まずは月5000円から積み立てを始め、余裕が出てきたら増やしていくやり方もあります。

引き出し制限があることを、他のことに使ってしまう可能性を減らして資産運用ができるメリットと、捉えてみても良いと思います。

まとめ

ここまで、3回にわたってiDeCoとつみたてNISAの制度の概要、それぞれのメリット・デメリットを比較してきました。

いかがでしたでしょうか?

iDeCoは年金制度の1つであるため、色々と制約があり難しいと感じるかもしれません。

しかし、メリットが大きいのも事実です。

資産運用の目的は人それぞれですので、どのように運用していくかは人それぞれです。

iDeCoやつみたてNISAをうまく活用して、それぞれに合った目的の資金を運用してみてはいかがでしょうか?

iDeCoとつみたてNISAを比較!税制優遇や加入条件・投資可能額の違い

また、「より詳しく知りたい」「実際にどうしたらいいかを知りたい」「始めたいけどやり方が分からない」といった方は、ぜひ1度お気軽にご相談ください。


 

※本ページに記載されている内容は2021年3月12日時点のものです
※記載内容に誤りがある場合、ご意見がある方はこちらからお問い合わせください

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