分散投資でリスクを抑えた運用は安定的に資産を最大化する鍵

投資・資産運用をするときに、「分散投資」という考えをよく目にすると思います。

実際、分散投資は資産運用を行うときの基本的な考え方です。

ただ、まだ投資を始めていない、または始めたばかりの人の中には、運用で本当に資産が増えるのか、そういった感覚が持てていない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、分散投資でリスクを抑えた運用を行うメリットを考えてみたいと思います。

1. 上下のブレを少なくすることのメリット

分散投資の逆の行動は、集中投資です。

例えば、資産の多くを1つまたは少数の企業・株式などに投資をするような行動を指します。

集中投資はリスクが高いため、大きく資産を失う可能性があり、また資産運用を行う精神的負担が高くなります。

集中投資のリスクについては、こちらの記事をご覧ください。

ポートフォリオを考える リスクの高い集中投資から分散投資の必要性を考える

集中投資ではなく、多くの資産に分散投資することで、リスクとリターンの「上下のブレ」を抑えることができます。

この「上下のブレ」を抑えることには、2つのメリットがあります。

  1. リスクを一定の範囲に抑えやすい
  2. 資産を増やしやすい

どういうことか、それぞれ解説します。

2. リスクを一定の範囲に抑えやすい

リスク許容度をご存知でしょうか?

リスク許容度とは、簡単に言うと、どのくらいの下落まで精神的に耐えられるかの度合いです。

リスク許容度は、投資の経験や保有している資産額、個人が持っている性格などによって変わってきます。

一般的には、投資経験が長い人ほど、保有資産額が多い人ほど、リスク許容度は高いです。

ただ、誰であっても自分のリスク許容度を超えるほど資産価値が下落してしまうと、投資を続けることがストレスになります。

そのなると、次のような状態になります。

  • 後々上がることが期待される資産であっても、持っていることがストレスで売却してしまう
  • お金のことが心配で、本業が手につかなくなる
  • 夜眠れなくなる

例えば、2008年に起こったリーマンショックのときには、新興国株式は約6割も下落しました。

1,000万円の資産を新興国株式で持っていた場合、価値が400万円になっているわけですから、多くの人は平常心を保つことは難しかったのではないかと思います。

その一方で、実は新興国株式は翌年の2009年には約8割まで回復します。

つまり、パニック売りをせずに保有し続けていれば、大きく資産を損なうことはなかったということです。

そして、パニック売りを起こさないためには、分散投資でリスクを一定の範囲内に抑えることです。

新興国株式だけでなく、地域・通貨・金融商品の種類を分散することで、心の平静を保ちやすくなります。

資産運用で最も重要なことは「投資を続けること」「マーケットに居続けること」です。

分散投資で「上下のブレ」を少なくすることで、リスク許容度の範囲内で、長く投資を続けられる可能性が高くなります。

3. 資産が増えやすい

お金を育てる

リスクが高いということは、上がるときは大きく上がるが、下がるときも大きく下がるということです。

実は、このようなリスクが高い資産を持っていると、資産は増えにくいです。

具体的な例を元に、考えてみましょう。

次のような、2つの資産があるとします。

  • リスクの高い資産A:50%の上昇と40%の下落を繰り返す
  • リスクの低い資産B:10%の上昇と5%の下落を繰り返す

100万円を元手に、資産Aと資産Bをそれぞれ10年間運用した場合、どちらの資産の方が増えるでしょうか?

平均のリターン(年利)は、資産Aが5%で、資産Bは3%です。

そのため、資産Aの方が増えるような気がするかもしれませんが、実際に10年後に資産が増えているのはリスクの低い資産Bです。

実際に、それぞれの資産で運用した場合の資産の推移をシミュレーションしてみます。

リスクの高い資産Aのシミュレーション

リスクの高い資産で運用した場合、不安定なだけでなく、長期的に見ると資産は目減りしてしまいます。

※手数料・税金等は計算に含めず、小数点第1位を四捨五入して表示(以降の表についても同じ)

リスクの低い資産Bのシミュレーション

逆に、リスクの低い資産で運用した場合、ゆっくりですが安定して資産が増えていきます

資産Aの方が増えそうだと思った方も、ここまでの差がつくとは思わなかったのではないでしょうか?

注目して欲しいのは、最後大きく下がった10年目だけでなく、9年目時点を比較しても資産Bの方が資産残高が高い点です。

実際には、このような規則的な動きをする資産はありません。

しかし、大きな上下を繰り返すリスクの高い商品で運用した場合、一見大きく資産が増えるように思えても、実際には資産が大きく目減りしてしまうことが分かります。

 

さらに、リスクの高い資産Aの利回りをもっと高くしてシミュレーションしてみます。(マイナスは変えずに、プラスだけ高くします。)

平均リターンは15%まで高くなっていますが、それでもリスクの低い資産Bには勝てません。(ただし、9年目時点ではこちらが高くなっています。)

このシミュレーションでお伝えしたいことは、投資においては、値上がり幅を大きくするよりも、値下がり幅を小さく抑えることが重要だということです。

既にお分かりかもしれませんが、平均利回りが同じ場合、値下がりが少ない方が最終的なリターンは大きくなります。

つまり、最終的に資産が最大になるのは、毎年安定したプラスのリターンが出る商品です。

リスクの低い資産Bと同じ3%の平均リターンだったとしても、値下がりがない方が資産は増えます。

しかし、現代においては現実に値下がりのリスクがなく、一定のリターンが得られる金融商品は存在しません。(過去には、元本が保証されている銀行預金の金利が5%を超える時代もありました。)

現代を生きる私たちは、運用によって資産を増やしていくには、どうしてもある程度のリスクを取る必要があります。

リスクがある以上、利回りがマイナスになることを回避することは難しいです。

ですが、一時的にマイナスになることを怖れて投資を諦めるのではなく、分散投資によりリスクを抑えた長期的な資産運用を行うことが必要だと考えられます。

まとめ

この記事では、次のことをお伝えしてきました。

  • 集中投資を行うと、リターンも大きくなるがリスクも大きくなる
  • 分散投資で、リスクとリターンの「上下のブレ」を抑える
  • 分散投資を行うことでリスクを一定の範囲に収める
  • リスクが低い方が長期的なリターンは大きくなる

自分のリスク許容度に合った運用を行うことで、精神的にも安定した資産運用ができるようになります。

ぜひ、自分に合った資産運用のスタイルを見つけてみてください。

また、「実際に資産形成を始めたい」「投資を始めたいけど、やり方が分からない」「どうやって分散投資をしたらいいか知りたい」といった方は、ぜひ1度お気軽にご相談ください。


 

※本ページに記載されている内容は2021年3月15日時点のものです
※記載内容に誤りがある場合、ご意見がある方はこちらからお問い合わせください

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