コロナ渦の中、アメリカでは年金口座の資産残高が増加

「コロナ禍の中で401kおよびIRAミリオネアの数が過去最高を記録」
“The number of 401(k) and IRA millionaires reach record high amid pandemic”

2020年11月13日付のアメリカ・Yahoo Finance!に、このような記事が掲載されていました。

これはどういうことでしょうか?

コロナによって世界中が混乱している中、なぜミリオネア(100万ドル以上の資産を保有する人)が増えているのでしょうか?

理由は株価の大幅な回復・伸長です。

この記事では、アメリカで起こっていることを元に資産運用のヒントを掴んでみたいと思います。

アメリカに限らず、コロナの影響により一時期世界的に株価が大きく下落しましたが、その後大幅に回復しました。

日本でも、2021年2月には約30年振りに日経平均株価は30,000円の大台を突破しました。

1. 金融制度がミリオネアの増加を後押し

こちらの「日本で貯蓄が進まない理由」の記事で、アメリカとイギリスの金融制度を解説しました。

年金制度と年金手帳 日本で「貯蓄から投資へ」が進まない理由② 制度設計が遅れている

実は、先ほどのアメリカの記事のタイトルに出てくる「410k」と「IRA」という単語、この記事で説明したのはまさにこの2つの制度でした。

コロナ禍の中で401kおよびIRAミリオネアの数が過去最高を記録

401kは企業型確定拠出年金(DC)のことで、日本版401kのモデルとなった制度です。

また、IRAは個人型確定拠出年金(DC)のことです。iDeCoと同様の制度だと考えてください。(正確には、日本のiDeCoはイギリスの制度をモデルにしています。)

 

アメリカは、この401kとIRAの2つの金融制度が、国民の投資・資産運用を推し進めました。

そして、まさにこれらの口座でミリオネアの人数が過去最高を記録したと報じています。

冒頭でも触れましたが、ミリオネアは保有資産が100万米ドル以上、日本円に換算するとおよそ1億円以上の資産を保有する人のことを指します。

もう少し詳しく、記事の中身を解説します。

2. コロナ渦の7-9月期に、ミリオネア口座数が過去最高に

計画的な貯蓄を

この記事では、アメリカ・フィデリティ証券の3,000万以上の口座を分析した結果、次のことが分かったとしています。

  • 401(k)ミリオネアの数が、4-6月期の224,000口座から262,000口座へ17%増加した。
  • 同様にIRAミリオネアの数も、4-6月期の204,000口座から234,000口座へと15%増加した。
  • 401(k)、IRAともにミリオネの口座数は過去最高の数値である。

また、コロナによる悪影響を受ける実態経済と市場環境との乖離について、次のように言及しています。

  • ミリオネア口座数の増加が見られた7-9月期は、アメリカでは1,400万人が失業申請を出していた時期である。
  • 同じ時期に、S&P500指数は8.1%増加している。
  • 仕事を失って収入が減少している中でも、資産が増えていれば、不安も少しは和らぐのではないか。

この記事が書いている通り、自分が働いて稼ぐ労働収入以外に、お金に働いてもらう、つまり不労所得という収入の軸を持っておくことの重要さを認識することができます。

3. IRA・401k口座全体で平均残高が増加

また、ミリオネが増えているだけでなく、IRA口座全体の平均残高も増加しているとも述べています。

  • IRA口座全体の平均残高は、4-6月期から6%増加(117,700ドル、日本円で約1,235万円*)、1年前と比べても7%の増加
  • 401(k)口座全体の平均残高は、4-6月期から5%増加(109,600ドル、日本円で約1,150万円 *)、1年前と比較すると4%の増加

* いずれも、1ドル=105円で計算

市場全体が伸長しているため当然のことだとも言えますが、一部の人だけが儲かっているわけではなく、多くの人の資産が増えていることが分かります。

 

また、この記事では、口座を持っている投資家の行動について、次のようなFidelity Investments役員のコメントを紹介しています

  • 10人中9人の投資家が、誰も経験したことのないような環境においても、401(k)・IRA口座への拠出割合を変えていない
  • 多くの組織と社員がコロナによる試練を受けている中、口座残高の全体平均が上昇していること、多くの人が貯蓄を継続していることに勇気づけられる

4. 市場に居続けることが大切

ユーロと円、ドルの為替

さらに、この調査では投資行動について次のように述べています。

  • ベビーブーム世代の38%が、年齢の割に株式への投資比率が高く、結果的に直近の相場上昇の恩恵を受けている(アメリカのベビーブームは1946~64年頃に生まれた、55〜75歳辺りの世代)
  • 一方で、同程度である1/3の人は、コロナが拡大する中で保守的な投資配分に変更している。
  • 12人に1人は、株式への投資比率が100%である。
  • 所得の高い人ほど、株式への投資比率が高い傾向がある。

この記事では、ファイナンシャル・アドバイザー、資産管理会社であるFort Pit Capital Groupのファイナンシャル・アドバイザーのコメントも掲載されています。

ミリオネアは、所得の高い人ほど達成しやすい目標ではあるが、所得がそれほど多くない人が達成できないわけではない。

投資の拠出額を多くし、市場が下落しているときにも投資を継続することで、自分の老後だけでなく、子供や孫世代に引き継ぐ十分な資金を用意することができる。

これから資産形成を行っていく私たちにとって、とても参考になる言葉ですね。

このコメントでは「stay invested(投資を継続する)」という表現が使われています。

投資の世界では、同じように「stay in the market(市場に居続ける)」とよく言います。

どちらも同じことを言っていますが、市場が暴落しているときには多くの人がパニック売りする投資行動を取りがちです。

そうではなく、市場に居続けることで、資産を増やせる可能性が高まります。

まとめ

ここまで、アメリカの記事を参考に次のことをお伝えしてきました。

  • コロナ渦の中、ミリオネアの口座数が過去最高になっている
  • 一部の人が儲かっているのではなく、口座全体の平均残高が増加している
  • 市場に居続ける、つまり投資を続けることが資産形成に繋がる

いかがでしたでしょうか?

また、「実際に資産形成を始めたい」「投資を始めたいけど、やり方が分からない」「コロナを受けてどうしていけばいいかを知りたい」といった方は、ぜひ1度お気軽にご相談ください。


 

※本ページに記載されている内容は2021年3月13日時点のものです
※記載内容に誤りがある場合、ご意見がある方はこちらからお問い合わせください

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