手数料を払ってまでIFAに資産運用の相談をする理由は何か?

みなさんは、株式市場のコロナ・ショックにどのように対応されましたか?

実は、一時的にはコロナ・ショックはリーマンショックを上回るインパクトだという記事があります。

2020年4月3日の日本経済新聞に掲載された記事で、この記事では2020年3月の投資信託からの資金流出額が世界全体で5136億ドル(約55兆円)で、この金額はリーマンショックを上回るとされています。

日本では、2月28日に全国一斉休校が始まり、4月7日は緊急事態宣言が発令されました。

このコロナへの不安が高まる状況の中、2020年2月末頃から日本の株式市場にも大きな影響が現れました。

ところが、先ほどの日本経済新聞の同じ4月3日に、「大手IFAが提携する証券口座への3月の資金流入額が2019年の月間平均から倍増した」という記事も掲載されています。

これはどういうことでしょうか?

日本の株式市場が大きく下落し、世界の投資信託からも資金が流出している中、資金を投入する人がいたということです。

そして、ここで登場するIFAとはどういう存在なのでしょうか?

実は、近年IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)と、IFAを利用する人が徐々に増えてきています。

手数料を抑えて投資・資産運用をしようと思うなら、インターネット証券を使って自分で取引を行うのが1番です。

そのような環境がある中で、なぜ手数料を払ってまでIFAを利用するのでしょうか?

この記事では、その理由を考えてみたいと思います。

そもそもIFAとは何か?どんなメリットがある?

そもそもIFAとは何か、知らない方も多いと思います。

まずは、簡単にIFAとは何かを見てみましょう。

※図はRoute100編集部による補足

IFAは、銀行や証券会社に所属していないアドバイザーのことです。

自社では金融商品を持っておらず、証券会社などの金融商品取引業者と業務委託契約を結んで、アドバイスを行いながらお客様に商品の販売を行います。

業務委託契約とは、つまり証券会社は商品の営業を、IFAという外部の人に委託しているということです。

 

ただし、言葉が示す通りIFAはあくまで独立した存在です。

そのため、当然契約する証券会社を変更したり、複数の証券会社と契約することもできます。また、証券会社から商品販売の指示を受けるようなこともありません。

証券会社の社員は、会社の方針に従って営業活動を行うのが通常です。

一方で、IFAは独立性を保ち、自らがお客様のためだと考える方法で営業やアドバイスを行います。

 

また、従来の証券会社では、一般的にはお客様自身は担当者を選ぶことができません。

また、気に入った担当者がいても、転勤などで変更になることもあります。

一方で、IFAには基本的には転勤がないため、長期的に同じアドバイザーにサポートしてもらうことができます。

IFAにとってもノルマなどに縛られることなく、長期的な視点でお客様の支援をしていくことで、最善の手を取ることができる点は大きなメリットだと言えます。

 

また、IFAは規模が小さいことから、お金を預けることを不安に思う方もいますが、この点は一切心配ありません。

お客様の資産は、証券会社などのお客様の口座で管理します。

そのため、IFAがお客様の資産をお預かりすることはなく、万が一相談しているIFAが倒産したとしても、お客様の資産には一切影響がありません

この口座を開く際に、IFAのアドバイスを受けて投資を行う場合は「IFAコース」を選択することになります。

自分で投資を行う「インターネットコース」とは、手数料が異なることがポイントです。

このコースの設定は、どちらからも変更が可能です。

IFA相談のデメリットは手数料

メリットとデメリット

では、IFAに相談するデメリットは何でしょうか?

やはり、最大のデメリットは手数料、コストがかかることだと思います。

先ほど、ネット証券の口座には、IFAコースとインターネットコースがあると説明しました。

どれくらい手数料が異なるでしょうか?

株式購入の場合を例にすると、インターネットコースの場合、金額によって異なりますが、売買の際に発生する手数料は数百円ほどです。

一方で、IFAコースの場合は同じ取引でも数千円の手数料が発生することもあります。

また、投資信託の場合、インターネットだと買付手数料が無料の商品もありますが、IFAコースの場合は税込み3.3%程度かかることもあります。

参考までに、ネット証券の1つである、SBI証券の手数料をご紹介します。

・SBI証券のIFAコースの手数料 ※担当者がつくプランAの場合(プランAの記載がないIFAコースは、特定のアドバイザーが付きません)
・SBI証券のインターネットコースの手数料

 

資産残高に応じた手数料体系

また、手数料には売買の際に手数料が発生するコミッション型と、資産残高に応じて手数料が発生するフィー型があります。

先ほどの例で紹介したのはコミッション型です。

フィー型の手数料体系をは欧米で主流となっています。

その理由は、フィー型の場合、お客様の資産を増やすことができるほど、IFAの収入も増えるからです。

そのため、お客様とIFAの利害が一致し、不必要に売買が行われることを防ぐことができる点にメリットがあると考えられています。

このように、フィー型にはメリットがありますが、コミッション型より手数料が安いわけではないことので、その点は正しく認識しておく必要があります。

IFAが提供してくれるサービスとは

手数料が増えるのであれば、それに見合った価値が必要です。

では、IFAがお客様に提供するサービスは何でしょうか。

これまでの銀行や証券会社などでは実現が難しかったサービスが、IFAが提供可能な価値だと言えます。

IFAが提供可能なサービス事例

具体的に、IFAが提供できるサービスの事例をあげてみます。

ただし、IFA事業者によって得意な分野が異なるため、全てのIFAが対応可能なわけではありません。

具体的に受けたいサービスがある場合は、対応可能かをIFAに直接聞いてみることをおすすめします。


長期的な資産形成のご相談

お客様の資産運用の目的や、受け入れることができるリスクなどをヒアリングによって把握し、資産全体を見通したアドバイスを行ってくれます。

FP(ファイナンシャル・プランナー)と近いイメージを持つかもしれませんが、FPとの違いはIFAは証券外務員の資格を保有しているため、商品名などの具体的な金融商品の提案や、売買の仲介そのものもできるが異なります。

また、FP同様にライフプランやキャッシュフローなどを作成するIFAも多いので、ぜひ相談してみてください。


現在保有している資産の分析

既に投資をしているお客様向けに、保有資産の分析や見直しは多くのIFAが行っています。

投資信託見直しのセミナーなども開催されていますので、今の保有資産に不安がある方はセミナーに参加したり、直接IFAに相談をしてみてはいかがでしょうか。

保有資産のリスク分析や、売却・リバランスはよくあるご相談でもあります。


継続的なアフターフォロー

IFAとは何か?の説明で、長期的にお客様の資産運用をサポートする存在だとお伝えしました。

IFAのゴールは金融商品を販売することではなく、長期的にお客様をフォローして、目指す資産運用をサポートすることです。

そのため、お客様のニーズや市場の変化などに対応してアフターフォローを行うことは、当然のことと言えます。

アフターフォローのやり方には、定期的な資産状況なチェックや、その状況に応じた見直しなどがあります。

ホームページへのレポート掲載や、メルマガを通して日常的に市場状況の情報を発信しているIFAもいますし、市場が大きく変動して不安を感じているお客様がいると考えられるときには、直接ご連絡するIFAも多いと思います。

アフターフォローにもIFAの特徴がありますので、この点も相談してみてください。


金融リテラシーの向上支援や資産運用以外の多様なアドバイス

ここまで、資産運用を中心にしたアドバイスを紹介してきましたが、それ以外のお金のご相談にも対応しているIFAは数多く存在します。

具体的には、以下のようなアドバイスにも対応しています。

  • 先ほどのアフターフォローを通した、お客様の金融リテラシーの向上支援
  • 相続や贈与などに関するアドバイス(これらを通して、お子さんやお孫さんの資産運用のアドバイスを行なっているIFAもいます)
  • 弁護士や税理士と連携したアドバイス

資産運用以外のお金も含めて、トータルでアドバイスを提供することは、IFAの得意とする領域です。

専門的なアドバイスについては、外部の専門家と連携して対応するIFAも数多く存在するため、気になったことは遠慮せずに相談してみましょう。

まとめ

今回は、IFAを利用する際のメリットとデメリットをご紹介しました。

IFAを利用すると、自分ですべての資産運用をする場合に比べて手数料は高くなりますが、当然その見返りとして受け取ることのできる価値があります。

次回の後編では、その手数料と価値・サービスを踏まえて、IFAに相談するべきかどうかを考えていきたいと思います。

もちろん、すべての人にIFAが必要ということはありません。

自分で勉強して資産運用ができている人にとっては、この手数料・コストは高いものかもしれません。

また、受け取ることのできる価値・サービスはIFAによっても異なります。

後編では、IFAの選び方もお伝えしていきたいと思います。

※本ページに記載されている内容は2021年3月9日時点のものです
※記載内容に誤りがある場合、ご意見がある方はこちらからお問い合わせください

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