分散投資は1年毎にリバランスしてリスクを適正化

投資・資産運用をするときに、「分散投資」という考えをよく目にすると思います。

分散投資は資産運用を行うときの基本的な考え方です。

この記事の前段となる考え方ですので、ご存知ない方は合わせてご覧ください。

  1. 分散投資でリスクを抑えることが重要
  2. リスクを抑えると、資産を増やしやすい
  3. 資産同士の相関関係から効果的に分散する
  4. 基本的なポートフォリオの構成と考え方
  5. 資産だけではなく、積立で時間を分散する
  6. コア・サテライトで投資手法を考える

実際に、自分に合ったポートフォリオを考え、資産運用を始めます。

ただし、投資・資産運用を始めてからも、定期的に見直しを行う必要があります。

このポートフォリオを見直すことを「リバランス」と言います。

この記事では、資産運用を行う上で非常に重要なリバランスについて、考えてみたいと思います。

1. 資産運用におけるリバランスとは?

リバランスは、日本語にすると「バランスを取り直す」ことです。

そして、資産運用におけるリバランスとは、ポートフォリオのバランスが取れるように資産を再配分することです。

ポートフォリオを決めて、実際に様々な資産に分散投資をして、ある程度時間が経つと、考えていた資産配分が崩れて来ることが分かります。

例えば、以下のようなイメージです。

【図1】リバランスのイメージ

  • 資産運用を始めて、1年の間に株式市場が海外・国内ともに上昇し、全体として株式比率が高くなった
  • ややリスクが高くなっているため、株式の一部を売却して、債券を購入することで、ポートフォリオを元の状態にした

これが資産運用における、リバランスのイメージです。

つまり、実際に資産運用を行っている間にも、市場は常に動いているため、いつの間にかリスクが高い状態になっていたり、逆に利回りが得にくい状態になっていることがあるため、定期的に見直しをしましょうということです。

2. リバランスの目的と効果

では、リバランスはどのような目的で行い、どのような効果があるでしょうか?

まず、リバランスの目的は、リスクを許容範囲内に収める(=リスクコントロールをする)ことです。

リバランスを行わない場合、いつの間にかリスクが想定より高くなっている可能性があります。

先ほどの例では株式の割合が増えている状態ですので、当初考えていたポートフォリオよりもリスクが高い状態になっています。

この状態を維持した場合、相場が急落したときに、想定以上の許容できない損失を被る可能性があります。

そのため、リスクを想定の範囲内に収めることが、リバランスの1番の目的です。

 

また、リバランスするには、自然と値上がりした資産を売って、値下がりした資産を買うことになります。

人間の心理として、相場が上がっているときは乗り遅れまいと買いたくなり、相場が下がっているときは損を拡大しないよう売りたくなるのが、通常だと思います。

その逆の行動を自然にできることは、リバランスの副次的効果だと言えます。

3. リバランスのタイミングと方法

では、実際にリバランスはどのように行えば良いでしょうか?

リバランスは「タイミング」と「方法」を考える必要があります。

また、リバランスは手間も掛かるので、手間を省いた運用方法もご紹介します。


1)リバランスのタイミング

リバランスは、どのくらいの期間で行うのが良いでしょうか?

結論、1年に1度くらいが現実的だと思います。

やろうと思えば、毎日でも毎月でもやれます。

その逆に、3年に1回、5年に1回しかやらないこともあると思います。

プロの運用会社では、ポートフォリオのバランスが崩れてきたタイミングで、都度行うところもあるようです。

ただ、頻繁にリバランスすることが、パフォーマンスに良い結果をもたらすデータはあまり見受けられません。

そのため、1年に1度家計の振り返リなどのタイミングで、合わせて見直しを行うなど、自分に会ったタイミングを決めておくと良いと思います。


2)リバランスの方法

リバランスの方法は、1章でお伝えしたやり方が基本です。

想定より割合が増えている資産を売却し、割合が減っている資産を購入します。

1つ注意が必要なことは、通常の課税口座でこの売買を行うと、売買手数料と売却益に対して税金が発生してしまいます。

運用額には限度がありますが、非課税口座であるNISAやiDeCoを使った場合は、このリバランスに掛かる税金などが優遇されます。

① iDeCoでのリバランス

iDeCoで運用を行っている場合、リバランス時に次のメリットが受けられます。

  • 売却益が非課税
  • スイッチングの手数料が無料(資産を売却し、別の資産を購入すること)

そのため、リバランスの観点ではおすすめの運用方法です。

ただし、投資信託の中には、売却時に信託財産留保額が発生する場合があります。

このような投資信託を頻繁にスイッチングすると、コスト観点でデメリットになるため、注意が必要です。

② つみたてNISAでのリバランス

つみたてNISAは、ややリバランスが難しい商品です。

その理由は、年間に投資できる金額が40万円と決まっているためです。

途中で売却してしまうと、その売却分を改めて使うことはできません。

そのため、なるべく売却せず、新規に買い付ける資産の額でリバランスをしていくことで、つみたてNISAの投資限度額を最大限活用することができます。

冒頭のポートフォリオを例にすると、株式は売却せずに、債券を買い足すことで、なるべく元の資産配分に近づけるということです。
※つみたてNISAでは株式そのものは運用できないため、株式を投資対象とした投資信託での運用になります。


3)リバランスは面倒!という方におススメのおまかせ運用2選

「リバランスは面倒」「私にはできそうにない」と思われた方には、自動でリバランスできる方法があります。

① バランス型投資信託

投資信託の中には、バランス型の投資信託があります。

バランス型投資信託は、決められた資産配分を保って運用を行ってくれるため、自分でリバランスをする手間が省けます。

ただし、注意点が3つあります。

  1. 同じ投資信託のインデックス型と比べると、手数料は高くなる傾向がある。
  2. バランス型にも様々な投資信託があり、最初に選択する手間が掛かる。(自分の運用方針・リスク許容度に合った商品のリサーチ・選択)
  3. 既製品からの選択である。

資産運用で発生するリバランスの手間を委託することになるため、すべてではないものの手数料は高くなる傾向にあります。

また、3について補足をすると、投資信託として用意されているバリエーションは3〜5個程度であることが一般的で、次のような種類になっています。

  • 3種類の場合は、株式重視・均等・債券重視
  • 5種類の場合は、保守・安定・安定成長・成長・積極

既製品と表現したのは、やはり用意されている商品はある程度大まかな分類です。

そのため、ぴったり自分に合ったバランスのものではなく、ある程度近い投資信託を選ぶことになると思います。

② ロボアドバイザー

ロボアドバイザー

最近では、AIが機械学習をしながら、自動で売買を行うロボアドバイザーを利用する人も増えています。

ロボアドバイザーの特徴は、次の通りです。

  • 手間が少ない(商品の選択、リバランスなど)
  • コストはやや高い

ロボアドバイザーの最大のメリットは、手間が少ないことです。

ロボアドバイザーは、最初にいくつかの質問に答えると、リスク許容度に応じたポートフォリオが作られ、その後の運用からリバランスまでを自動的に行ってくれます。

また、1つの投資信託で運用している場合、その投資信託の運用残高が減少した場合に運用中止になる可能性があります。

しかし、ロボアドバイザーの場合は、常に運用する投資信託やETFが組み換えられるため、そのリスクは低いと言えます。

 

一方、デメリットはバランス型投資信託よりもコストが高い点です。(預かり資産残高の1%程度の手数料)

ただし、預かり資産残高が多い場合は、手数料が低くなるサービスもありますので、該当する方は検討してみても良いと思います。

また、運用指示はリスク許容度を5段階で指定できる程度ですので、基本的にお任せすることになります。

 

まとめ

この記事では、資産運用のリバランスについて見てきました。

  • リバランスとは、ポートフォリオを見直して資産配分を行うこと
  • リバランスの目的は、リスクが許容範囲に収まるようコントロールすること
  • iDeCoはリバランスを行いやすい仕組みになっている
  • 資産運用の手間をなくしたい人には、バランス型投資信託やロボアドバイザーの選択肢がある

長期分散投資に、リバランスは欠かせません。

リバランスも含めて、自分に合った運用方法を見つけましょう。

また、「より詳しく知りたい」「今のポートフォリオが適切か相談したい」「ロボアドバイザーを使うべきか相談したい」といった方は、ぜひ1度お気軽にご相談ください。


 

※本ページに記載されている内容は2021年3月19日時点のものです
※記載内容に誤りがある場合、ご意見がある方はこちらからお問い合わせください

アドバイザーを探す

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Pocket
新着記事 New Articles

2021年9月14日(火)

介護が必要となった主な原因の第1位は認知症。なる前に考えるべき老後の安心設計「任意後見契約」とは?

2021年9月13日(月)

S&P500への投資は最適?20年以上の長期運用なら損失したことはないという事実

2021年9月9日(木)

2023年末でジュニアNISA廃止!今からでもやるべき理由とは?

2021年8月28日(土)

相続対策のプロの考え方、3原則とは?|円滑な遺産分割、納税資金の確保、相続税の軽減

2021年8月27日(金)

贈与税の時効は原則6年|しかし「昔の贈与だから放置して大丈夫」という発想は危険

2021年8月26日(木)

離婚による財産分与の種類と課税|税金的にはどのような財産を分与するべきなのか?

2021年8月20日(金)

終活とは?自分自身、もしくはご家族が困らないための終活のすすめ

2021年7月17日(土)

投資信託の選び方(2)インデックス型とアクティブ型とは?

2021年7月15日(木)

【相談実例】金融資産と保有不動産をどう活用して老後に備えるか:福岡在住・55歳・女性(独身)

2021年7月15日(木)

年収900万円だと生活はラク?老後資金のための節税・資産運用方法3つ