積立投資は始めるタイミングより長期で行うことが大切

iDeCo(個人型確定拠出年金)や、つみたてNISAを始めようと思っている人の中には、次のように考えて躊躇している方もいるのではないでしょうか?

  • 株価がかなり上がってしまってから、もう遅いのでは?
  • 今始めてしまうと、高値掴みになってしまう?
  • この株価がずっと続くとは思えないから損をしそう

ですが、実際にはそんなことはありません。

iDeCoとつみたてNISAは、どちらも長期の積立投資を前提とした制度です。

この記事では、具体的に相場の状況と積立投資の効果を見てみたいと思います。

1. 相場の状況と積立投資の効果

「積立投資は相場とはあまり関係がない。いつ始めても良い。」と言われることがあります。

ただ、実際には積立投資にも向いている状況、向いていない状況があります。

積立投資と一括投資を比較して、その違いを見てみます。

1)積立投資に向いていない状況

積立投資は多くの人に有用な投資方法ですが、もちろん万能ではありません。

積立投資より、一括投資の方が有利になるのが次の2つの状況です。

① 右肩上がり状況

1つは、ほぼ右肩上がりで相場が伸びていく状況です。

このような相場の場合、積立投資でも資産は増えますが、初期に一括投資で購入した方が有利です。

当然とも言えますが、「これから必ず上がる」と分かっている場合は、一括投資をした方が利益が大きくなります。

ただ、現実的にはそれが分からないから、投資は難しいと言えます。

② 市場が上がってから、元の水準に戻る状況

もう1つは、長期的に見て市場が元の水準に戻る状況です。

このような状況の中、最初に一括投資で購入した場合、資産は元の水準のままです。

一方で積立投資を行っている場合、価格が上がったところでも買い付けを行います。

そのため、市場が元の水準に戻ってしまう状況では、全体として資産は減ってしまうことになるため、一括投資の方が有利と言えます。

このような、最終的に市場が元に戻る・下がってしまう状況では、積立投資は向いていません。

2)積立投資に向いている状況

同じように、積立投資に向いている状況を見てみます。

③ 右肩下がりの状況

①と反対に、右肩下がりの状況です。

資産が減ってしまうため、「向いている」と言われると違和感を覚えるかもしれません。

しかし、一括投資で購入した場合は、いわゆる高値掴みになってしまいますが、積立投資の場合は平均購入価格を抑えることができます。

そのため、一括投資に比べると損失を抑えることができます。

④ 市場が上がってから、元の水準に戻る状況

②の逆で、1度下がってから元の水準に戻る状況です。

このような状況が、積立投資に最も向いている相場です。

最初に一括投資を行っている場合、元に戻ったときに利益は得られません。

一方で、積立投資の場合は、最初は高い価格で買うことになりますが、価格が下がっているときにも買い付けを行うため、全体の購入価格を抑えることができます。

その結果、市場が元の水準に戻ったときには、利益を得ることができます。

 

つまり、「株価が上がりすぎている」「株価はそろそろピークで下がるのではないか」と考えていると仮定すると、長期の積立投資を始めるタイミングとして悪くないとも言えます。

もちろん、一番低いときに一括購入して、値上がりしたときに売るのが最も利益が出る方法です。

ですが、実際にはそのような予測が当たらないから、投資で失敗する人もいます。

 

また、実は今の株価は②の状況だと考えているとします。

その場合、積立投資には向いていないことになります。

しかし、その場合でも投資を長期的に考えることで有利に捉えることができます。

時間を味方につけて、長期的に積立投資を行うことで、購入価格を抑えることができます。

結局、この後の相場がどうなるかを予想することは非常に困難です。

実は投資において1番大切なことは、投資を始めるタイミングではなく、長期的に値上がりする資産に投資し続けることです。

2. 長期投資は本当に有効?

「長期的に値上がりする資産」と言いましたが、それは値上がりする株・銘柄を見つけるということではありません。

どの株・金融商品が値上がりするか、値下がりするかは誰にも分かりません。

そのために「分散投資」という考え方があります。

日本の株価は1990年以降の約30年間、長らく停滞を続けていました。

そのため、30年前に日本株に一括投資をした場合、現在も損失を抱えているかもしれません。

一方で、世界全体を見ると、浮き沈みはありながらも「GDP」「人口」「株価」は上昇を続けています。

世界のGDPと株価と世界人口の推移

出典:IMF、MSCIの提供するデータにより筆者作成
※2021年以降のGDPはIMFの予測値

世界全体を俯瞰して見ると、人口の増加に伴いGDPは増え続け、それに伴って株価も伸び続けています。

もちろん絶対とは言えませんが、この傾向はこの先も続くと思われます。

30年前には、世界に分散投資することは環境的に難しかったかもしれません。

ですが、今はインターネットなどを含め、投資が行いやすい環境が整っています。

さらに、iDeCoやつみたてNISAなど、非課税で投資ができる制度もあります。

ぜひ、将来や老後に向けて資産運用を始めてみてください。

まとめ

この記事では、以下のことをお伝えしてきました。

  • 積立投資には、向いている状況と向かない状況がある
  • 大切なことは、投資を始めるタイミングではなく、長期的に続けること
  • 長期的に見ると、世界全体の株価は上昇を続けている

積立投資は万能ではありませんが、長期投資・分散投資を組み合わせることで、効果的な資産運用が可能になります。

「より詳しく知りたい」「iDeCo、NISAの活用方法を聞きたい」「資産形成を始めたい」といった方は、ぜひ1度お気軽にご相談ください。


 

※本ページに記載されている内容は2021年3月22日時点のものです
※記載内容に誤りがある場合、ご意見がある方はこちらからお問い合わせください

アドバイザーを探す

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Pocket
新着記事 New Articles

2021年9月14日(火)

介護が必要となった主な原因の第1位は認知症。なる前に考えるべき老後の安心設計「任意後見契約」とは?

2021年9月13日(月)

S&P500への投資は最適?20年以上の長期運用なら損失したことはないという事実

2021年9月9日(木)

2023年末でジュニアNISA廃止!今からでもやるべき理由とは?

2021年8月28日(土)

相続対策のプロの考え方、3原則とは?|円滑な遺産分割、納税資金の確保、相続税の軽減

2021年8月27日(金)

贈与税の時効は原則6年|しかし「昔の贈与だから放置して大丈夫」という発想は危険

2021年8月26日(木)

離婚による財産分与の種類と課税|税金的にはどのような財産を分与するべきなのか?

2021年8月20日(金)

終活とは?自分自身、もしくはご家族が困らないための終活のすすめ

2021年7月17日(土)

投資信託の選び方(2)インデックス型とアクティブ型とは?

2021年7月15日(木)

【相談実例】金融資産と保有不動産をどう活用して老後に備えるか:福岡在住・55歳・女性(独身)

2021年7月15日(木)

年収900万円だと生活はラク?老後資金のための節税・資産運用方法3つ